桐山啓一 / Airhouseが設計した、愛知・名古屋市の「八事の家」です。
自然に囲まれた急傾斜の敷地に計画されました。建築家は、平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案しました。そして、木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る事も意図されました。
愛知県名古屋市天白区八事エリアに計画した住宅である。
急勾配の前面道路に接道しそこから地面が急傾斜して下っていくような、平らな部分がひとつも無い敷地が今回の計画地である。敷地の周囲は木々が茂り、特に北側は森になっている。
通常であれば家を建てようとするとき、地面を造成して平らな部分をつくる。だが、この敷地に平らな場をつくるには大きな土留め擁壁をつくる必要があり、施工性の難易度も加わり、それだけで家が建つくらいの費用がかかる。
なのでここでは経済的に建物を作るために、4本の鉄骨柱を基礎として建物の接地面を減らし、キャンティレバーのRCの床をつくり傾斜の森の中に浮遊させた。その床が建物の基礎となり、その上に小さな木造の家を乗せる設計となっている。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
傾斜地に浮遊する住まい
愛知県名古屋市天白区八事エリアに計画した住宅である。
急勾配の前面道路に接道しそこから地面が急傾斜して下っていくような、平らな部分がひとつも無い敷地が今回の計画地である。敷地の周囲は木々が茂り、特に北側は森になっている。
通常であれば家を建てようとするとき、地面を造成して平らな部分をつくる。だが、この敷地に平らな場をつくるには大きな土留め擁壁をつくる必要があり、施工性の難易度も加わり、それだけで家が建つくらいの費用がかかる。
なのでここでは経済的に建物を作るために、4本の鉄骨柱を基礎として建物の接地面を減らし、キャンティレバーのRCの床をつくり傾斜の森の中に浮遊させた。その床が建物の基礎となり、その上に小さな木造の家を乗せる設計となっている。
内部空間は森の方向に大きな開口を設け、既存の木々の高さと建物のレベルも緻密に計算し、自然を心地よく十分に感じられる空間としながら、外壁も板貼りとして、あたかも山の中の山荘のような佇まいの外観を持つ建物としている。
結果として、建物の基礎を考えていくことで傾斜地であっても経済的に家を建てることを実現し、森に浮遊する豊かな住環境ができたと考えている。
■建築概要
名称:八事の家
所在地:愛知県名古屋市
主用途:個人住宅
設計:桐山啓一 / Airhouse
構造設計:オーノJAPAN
施工:株式会社菊原
構造:木造
階数:2階
敷地面積:187.60㎡
延床面積:70.03㎡
設計:2017年4月~2019年12月
工事:2020年1月~2022年4月
竣工:2022年4月
写真:矢野紀行
House in Yagoto
location: Nagoya-shi, Aichi
use: house
structure: Wood
architect: Keiichi Kiriyama / Airhouse
photographer: Toshiyuki Yano