トラフ建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の「BIRKENSTOCK原宿コンセプトストア」です。
国内初の直営の路面店の計画です。建築家は、ブランドの“クラフトマンシップの体現”を求め、無垢材を“量塊”のまま用いた什器等で“素材の質感を活かす”空間作りを志向しました。また、製品から着想した様々な要素を空間に配置して世界観の演出も意図されました。店舗の公式ページはこちら。
創業249年になるドイツのシューズブランド、BIRKENSTOCK国内初の直営路面店となる原宿コンセプトストアの内装計画。
人通りの多い明治通り沿いに、5.6mの間口と4.2mの天井高を持つ奥行のある空間が敷地となった。東京、原宿というロケーションを踏まえ、同社のクラフトマンシップを体現する空間が求められた。
手作業をベースに素材そのものの特性や物性を取り入れたBIRKENSTOCKのモノづくりにならい、表層にとどまる装飾的な素材使いとは異なる、本物の素材による質感を活かした空間づくりを試みた。
店内に入ると、ブランドのDNAである、フットベッドの有機的なラインから着想した、湾曲したディスプレイウォールが来客を誘導し、回遊するような動線を生み出す。都市環境を表現する溶融亜鉛メッキ鋼板によるウォールは周囲を鈍く写し込みながら空間に奥行を与える。
それと対を成すように、オーク、ケヤキ、パイン、チークといった無垢の木材を、量塊のままディスプレイ台や棚板として用いプロダクトを引き立たせる。ディスプレイとベンチを兼ねた島什器や、キャッシャーカウンターは樹種の異なる無垢材のキューブを組み合わせて構成。島什器においては床から浮かせるディテールでその量塊性とは対比をなす浮遊感も併せ持つ。
樹木から削り出した木材はノコ引きの目をあえて残すことで、無垢材の存在感を示しながらブランドのクラフトマンシップを象徴する。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
創業249年になるドイツのシューズブランド、BIRKENSTOCK国内初の直営路面店となる原宿コンセプトストアの内装計画。
人通りの多い明治通り沿いに、5.6mの間口と4.2mの天井高を持つ奥行のある空間が敷地となった。東京、原宿というロケーションを踏まえ、同社のクラフトマンシップを体現する空間が求められた。
手作業をベースに素材そのものの特性や物性を取り入れたBIRKENSTOCKのモノづくりにならい、表層にとどまる装飾的な素材使いとは異なる、本物の素材による質感を活かした空間づくりを試みた。
店内に入ると、ブランドのDNAである、フットベッドの有機的なラインから着想した、湾曲したディスプレイウォールが来客を誘導し、回遊するような動線を生み出す。都市環境を表現する溶融亜鉛メッキ鋼板によるウォールは周囲を鈍く写し込みながら空間に奥行を与える。
それと対を成すように、オーク、ケヤキ、パイン、チークといった無垢の木材を、量塊のままディスプレイ台や棚板として用いプロダクトを引き立たせる。ディスプレイとベンチを兼ねた島什器や、キャッシャーカウンターは樹種の異なる無垢材のキューブを組み合わせて構成。島什器においては床から浮かせるディテールでその量塊性とは対比をなす浮遊感も併せ持つ。
樹木から削り出した木材はノコ引きの目をあえて残すことで、無垢材の存在感を示しながらブランドのクラフトマンシップを象徴する。
ソール裏のボーンパターンを用い、ブランド発祥のドイツの国の形を塗装によって施した入口の床面が、ラグのように来客を出迎える。プロダクトで使われるレザーを用いた店内奥のベンチはゆったりとした時間を提供し、フットベッドの原料となるヴァージンコルクを使用したキャッシャー脇の壁面など、各所がブランドの世界観を演出する。空間を構成する素材を引き立て、各所の人の滞在時間に応じた照明計画とした。
長く歴史のあるブランドのアイデンティティに根差しながらも、立地の地域性を掛け合わせ、新しいコンセプトを象徴する空間を目指した。
■建築概要
主要用途:物販店舗
所在・会場:東京 原宿
施工:D.BRAIN
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN
延床面積:59.82 m2
設計期間:2022年6月~2023年1月
施工期間:2022年12月~2023年2月
写真:阿野太一
BIRKENSTOCK HARAJUKU Concept Store
Building site: HARAJUKU, Tokyo
Principle use: SHOP
Production: D.BRAIN
Credit: Lighting design: BRANCH LIGHTING DESIGN
Total floor area: 59.82 m2
Design period: 2022.6-2023.1
Construction period: 2022.12-2023.2
Photo: Daici Ano