吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る
photo©ToLoLo studio

吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る

吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るベーカリーショップ photo©ToLoLo studio

吉村真基建築計画事務所|MYAOが設計した、愛知・岡崎市の「YE BAKERS(イエベイカーズ)」です。
住宅街の家の一部を改修したパン店です。建築家は、他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向しました。そして、住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作りました。既存の建物は、Studio Velocityによる「大門の母屋と新屋」です。店舗の公式ページはこちら

Studio Velocity作品「大門の母屋と新屋」の一部をショップと業務用厨房に改修した住宅街の小さなベーカリー。
リノベーションは、既になされた建築行為と後から加わる建築行為が層をなすところに何かが宿る。

建築家によるテキストより

既存建物の作品性に敬意を示して、住宅ではないスケールでつくることをテーマとした。具体的には、住宅スケールよりも大きな前面の木戸/住宅スケールよりも小さい屋台的なショップの構え、の組み合わせで計画している。

建築家によるテキストより

住宅街にあることを踏まえて、シャッターの代わりに軸回転の大きな木戸を用い、閉店時には店の存在を感じさせない閉じた箱になり、開店時には開いた木戸が衝立となって店構えの背景となる。これは同時に隣家に対する配慮にもなっている。

ショップのサービス空間は、もともと6畳大の離れとして計画されていた既存建物の一階にひと回り小さな屋台を嵌め込んだような構えとした。スケールも屋台に倣い、材も空間の寸法も住宅サイズの8割で押さえている。

建築家によるテキストより

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吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るベーカリーショップ photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るベーカリーショップ photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るベーカリーショップ photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るベーカリーショップ photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る庭越しにキッチンを見る。 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作るキッチンスペースを見る。 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観、夜景 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る外観、夜景 photo©ToLoLo studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「YE BAKERS」。住宅街の家の一部を改修したパン店。他の建築家が手掛けた既存の持つ“作品性”に敬意を表し、“住宅ではないスケール”を主題とした設計を志向。住宅の尺度より大きな“木戸”と小さな“屋台的な構え”で空間を作る平面図 image©吉村真基建築計画事務所|MYAO

以下、建築家によるテキストです。


スケールの層をデザインする

Studio Velocity作品 「大門の母屋と新屋」の一部をショップと業務用厨房に改修した住宅街の小さなベーカリー。
リノベーションは、既になされた建築行為と後から加わる建築行為が層をなすところに何かが宿る。

既存建物の作品性に敬意を示して、住宅ではないスケールでつくることをテーマとした。具体的には、住宅スケールよりも大きな前面の木戸/住宅スケールよりも小さい屋台的なショップの構え、の組み合わせで計画している。

住宅街にあることを踏まえて、シャッターの代わりに軸回転の大きな木戸を用い、閉店時には店の存在を感じさせない閉じた箱になり、開店時には開いた木戸が衝立となって店構えの背景となる。これは同時に隣家に対する配慮にもなっている。

ショップのサービス空間は、もともと6畳大の離れとして計画されていた既存建物の一階にひと回り小さな屋台を嵌め込んだような構えとした。スケールも屋台に倣い、材も空間の寸法も住宅サイズの8割で押さえている。

建具を工夫して開き方を何段階かで調節できるようになっており、夏場冬場のエアコン稼働時期は閉じて、気候の良い季節は開いて、イベント時などは全開にして、本物の屋台のような雰囲気になる。常時は間仕切りガラスと片開きの扉が付いているが、開放時には扉を開いて留めるのではなく扉と間仕切りが連動して奥にスライドし「片付く」ディテールを考案した。独特の建具の動きと8割の寸法が、住宅でなく家具でもない独自のスケールのレイヤーを生み出している。

奥のスケルトン部分には業務用厨房を造作した。厨房機器や動線の寸法をミリ単位で積み上げると木下地を組む施工余地はなく、仕上げを行うスペースもなかったため、積んだ時点で内外仕上げが完了するという工法としての利便性から、コンクリートブロックを使うこととした。ほぼ選択の余地のないギリギリの状況だったが、結果的にスケルトンだった元々の雰囲気を継承する野性的な構えとなっている。

■建築概要

題名:YE BAKERS(イエベイカーズ)
所在地:愛知県岡崎市大門3-19-3
主用途:飲食店
設計:吉村真基建築計画事務所|MYAO
担当:吉村真基
施工:株式会社 箱屋
構造:木造(改修のみ)
階数:地上2階
建築面積:45.43m2
延床面積:85.21m2
設計:2021年10月~2022年1月
工事:2022年2月~2022年5月
竣工:2022年5月
写真:ToLoLo studio

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・建具建具

大型建具:スチール軸、木製建具
内側のみ:真鍮シート張り
木製サッシ
フロートガラス t-4

内装・床

既存フローリング+塗装

内装・壁

モルタル薄塗仕上げ
ラワンベニヤ t-4 クリア塗装

内装・照明照明

レール取付スポットライト[AS51232](コイズミ

内装・造作家具家具

タモ集成材 製作品

内装・設備ショーケース

常温ケース:製作品 真鍮+強化ガラスt-6
冷蔵ケース:既製品に真鍮カバー[OHLAc L-900](大穂製作所

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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条例により敷地境界からのセットバックと一定面積の緑化が義務づけられている住宅街に建つ木造住宅である。

建築家によるテキストより

前面道路は幅員4mの通り抜け不可の私道であるが、条例のセットバックと緑化により周囲の住宅とは親密な距離をもって共存できる敷地である。その一方で、セットバック義務と駐車場や庭など必要とされる外部を考慮すると求められる諸室に対して建築可能なフットプリントは十分ではない。

半ば自動的に地下とロフトが収納に割り当てられ、縦の動線を行き来しながら生活する計画となった。

建築家によるテキストより

ヴォリュームは3つのブロックに雁行させ、前面道路側を駐車場として、その反対側を庭として、それぞれにまとまった外部を確保した。中央のブロックには大きな開口がある階段室と吹き抜けを設け、周辺に対して親密な距離で縦に展開される生活をつないでいる。

それぞれの個室は閉じた部屋とならないよう大開口の引き戸や大きなガラスで分節し、隣地の隙間を狙った開口により面積以上の広がりを得ている。階高が高いホールのような1階と階高を低くした2階が縦の生活動線にコントラストをもたらし都市住宅で住む喜びを喚起している。

建築家によるテキストより

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