麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る エントランス photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る LDKからキッチンを見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンとゲストルームを繋ぐ床部分の詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計 が設計した、東京・大田区の「K邸」です。
外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画です。建築家は、階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向しました。そして、カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作りだしました。
コーポラティブハウス一住戸のインテリアデザインの計画である。
計画対象の住戸区画は建物最上階で、上階がルーフバルコニーのため、区画内にはそちらへ上がる階段のボリュームが現れていた。それはこの区画だけが持つ特徴であったが、「なかったらもうちょっと広く使えるのにな」と思うくらいの存在感を持っていた。これをポジティブなものとしたい。そこで階段自体の形とは全く無関係に曲面で覆ってしまうことにした。
階段にならい、機能を持ったカーブのある立体(エントランス脇のシューズインクローゼット 、トイレ・浴室などの水回り、主寝室と収納)を区画内に配置し、空いた部分をひとつながりの主室(LDK)とした。
4つの立体には、外周部の仕上げとは異なる、少しざらっとした質感と、淡い色味を与え、この住戸を特徴づける存在として位置付けた。これらに取り付く建具の木枠や巾木はなくし、曲面と合わせて、手前と奥を視覚的にも繋ぐ役割を持たせる。階段ボリュームも空間構成に積極的に参加させる。
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麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る エントランス photo©野口新
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る エントランス photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る エントランス photo©野口新
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る エントランスから見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 階段ボリューム部分詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 階段ボリューム部分詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 階段ボリューム部分詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 階段ボリューム部分詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 階段ボリューム部分詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る LDKからキッチンを見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチン photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチン詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンからLDKを見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンからLDKを見る。 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンからLDKを見る。 photo©野口新
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 主寝室とキッチンを繋ぐ床廻りの詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンとゲストルームを繋ぐ床廻りの詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチン床詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る キッチンとゲストルームを繋ぐ床部分の詳細 photo©枦木功
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る 平面図 image©麻生征太郎建築設計
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る ダイアグラム image©麻生征太郎建築設計
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る スケッチ image©麻生征太郎建築設計
麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る アクソメ image©麻生征太郎建築設計
以下、建築家によるテキストです。
コーポラティブハウス一住戸のインテリアデザインの計画である。
上階への階段ボリュームを 、曲面を持った立体へと変える
計画対象の住戸区画は建物最上階で、上階がルーフバルコニーのため、区画内にはそちらへ上がる階段のボリュームが現れていた。それはこの区画だけが持つ特徴であったが、「なかったらもうちょっと広く使えるのにな」と思うくらいの存在感を持っていた。これをポジティブなものとしたい。そこで階段自体の形とは全く無関係に曲面で覆ってしまうことにした。
「4つのカーブを持った立体」を配置し、LDKをつくる
階段にならい、機能を持ったカーブのある立体(エントランス脇のシューズインクローゼット 、トイレ・浴室などの水回り、主寝室と収納)を区画内に配置し、空いた部分をひとつながりの主室(LDK)とした。
4つの立体には、外周部の仕上げとは異なる、少しざらっとした質感と、淡い色味を与え、この住戸を特徴づける存在として位置付けた。これらに取り付く建具の木枠や巾木はなくし、曲面と合わせて、手前と奥を視覚的にも繋ぐ役割を持たせる。階段ボリュームも空間構成に積極的に参加させる。
造作家具で空間をつなぐ
立体によって生まれたネガとしての空間=LDKの、隅にL字状のソファ、中央にダイニングテーブルとキッチンが一体となった長さ4440mmのカウンターを配置している。大きめの造作家具が、共用部に開かれた明るいエントランスから、主室の奥の主寝室までをつなぐ。流動的な空間の中に、定点として家具を固定し、住み手は行為や目的に応じて移動しながらこの空間を体験していく。
スケルトンは空間を定める強いもので、ここで私たちが行ったことは、それを少し弱めるような、柔らかくするような、そんな設計だったのだと思う。
■建築概要
題名:K邸
所在地:東京都大田区南千束
主要用途:住居
設計:麻生征太郎建築設計(スケルトン:仲建築設計スタジオ)
担当:麻生征太郎、野口新
施工:株式会社栄港建設
キッチン製作:アンプインテリアデザイン
プロデュース:アーキネット
構造:RC造
床面積:59.01m2
設計期間:2020年6月~2021年2月
工事期間:2021年3月~2022年4月
竣工:2022年5月
写真:枦木功、野口新(麻生事務所)