SHARE 建築家の青木淳と写真家の鈴木理策の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第8回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、セザンヌのアトリエ、桂離宮、ファニャーノ・オローナの小学校、テルメ・ヴァルスの写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論
- 日程
- 2023年8月1日(火)–9月15日(金)
建築家の青木淳と写真家の鈴木理策の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第8回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信されています。
其々が選んだ、セザンヌのアトリエ、桂離宮、ファニャーノ・オローナの小学校、テルメ・ヴァルスの写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論しています。申込期間は、2023年9月15日(金)まで。また、本記事では、テーマとなった写真と語られた内容のキーワードも掲載します。【ap・ad】
LIXILと「新建築住宅特集」は、これまで「穴が開くほど見る──建築写真から読み解く暮らしとその先」と題し、名作住宅の建築写真を隅々まで掘り下げて読み取る企画を展開してきました。
1枚の写真から時代背景、社会状況、暮らし、建築家の思いなど、読み取る側の想像も交えながら細部まで紐解くことで、時代を超えた大切なものを見つめ直し、未来に向けた建築のあり方を探ります。
今回は、「新建築住宅特集」23年8月号に掲載された、本企画 第8回目の青木淳氏と鈴木理策氏の対談動画を、期間限定で配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。
(2023年5月25日 東京都港区 堀ビルにて収録)
青木淳が冒頭に語ったキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
自身が若い頃、建築写真をどう見て来たか / 多木浩二の写真を見た衝撃 / 建築作品は写真を通して見ることの方が多い / 自分が手掛けた建築を撮ってもらう時に考えること / 写真で捉えやすいように自分の設計内容を変えるのか撮り方を変えてもらうのか / 近代建築は1枚の写真で本質がわかるように建物自体が作られている / 近代建築の写真との関係は共犯関係とも言える / 建築は1枚の写真でわかるようにつくるべきか? / わがままを言えるのは自分の作品集をつくるとき / その他
鈴木理策が冒頭に語ったキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
記録と作品の境界 / 写真には記録として残る部分がある / 記録だけを目指すか、そうではないものを目指すか / 建築と写真だと写真の方が長生きする / 建築写真には場所や対象に撮らされるという側面がある / 建築の経験を伝える写真があるのではないか / その他
青木淳のプロフィール
青木淳(あおき・じゅん)
1956年神奈川県生まれ。1980年東京大学工学部建築学科卒業/1982年同大学大学院修士課程修了/1983~90年磯崎新アトリエ/1991年青木淳建築計画事務所設立(2020年ASに改組)/2019年~東京藝術大学建築科教授/2020年~京都市京セラ美術館館長
鈴木理策のプロフィール
鈴木理策(すずき・りさく)
1963年和歌山県生まれ。1897年東京綜合写真専門学校研究科修了/個展に「熊野 雪桜」(東京都写真美術館、2007年)、「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・東京オペラシティアートギャラリー、2015年)等/2018年~東京藝術大学先端芸術表現科教授
青木淳が選んだ写真「鈴木理策の撮影による『ポール・セザンヌのアトリエ』」(2009年、竣工:不明)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
これは室内だけど室外でもある(鈴木理策の作品としては)特異な写真 / 静止画というより風や動きの感じが写っている / 対象物ではなくシーンを写している / 「何をとるか」と言うより「どう見たか」が写真で伝わるかを求めている / 説明的に撮ると写真の為の写真になってしまう / 自分の眼差しを、この写真を見る人の眼差しにすり替えたい / 絵画でも全体は見えていない。部分を統合していく視覚的な経験をしている / ものを見るときに記憶を被せている。純粋に見るということは不可能 / 建築を感覚創出装置として考えることもできる。思わぬことを感じたり行動したくなる建築をつくれないか / 現代建築はフォトジェニックなものが多くて撮る場所をリクエストしているようなものもある / その他
鈴木理策が選んだ写真「石元泰博の撮影による『桂離宮』」(1981~1982年、竣工:17世紀)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
写真は外側の枠もひとつの線 / 写真の中の線と枠の線をどうかんがえるか / フィルムでは撮影時に印画紙にどう再現するかも考えている / フィルムの場合モノクロとカラーで世界の見え方が違う / 良いプリントは黒から白までの諧調がある / 目で触るような事が起こる / 石本さんは完全にモダニスト / モノクロは形が先に出てくる / カラー写真は情報が圧倒的に多い / その他
青木淳が選んだ写真「Luigi Ghirriの撮影による『ファニャーノ・オローナの小学校』」(1987年、設計:アルド・ロッシ、竣工:1975年)」
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
ロッシの建築を撮った写真としてすごく良い / 実物よりも色あせている感じがする / 写真はシンメトリーだけど空間はシンメトリーではない / ロッシは対称形をつくるが動線は対称形ではない / 歩いているときの経験と写真で写されているものは違う / この写真家はロッシの建築は見るたびに違うものを思い出させると言っている / その他
鈴木理策が選んだ写真「HELENE BINETの撮影による『テルメ・ヴァルス』」(1996年、設計:ピーター・ズントー、竣工:1996年)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
自分で行ったときの記憶があって選んだ / 建物自体が風景の中の姿としてあるのが効果的 / 鈴木理策が感じる現代建築の魅力とは / 自分が感じた経験を建築家がどこまで考えたかを想像するのが面白い / 建築家の魅力は人それぞれ。それが写真に写っていくとよい / 空間は時間 / 建築写真は時間を消すことを目標にしているのではないか / 建築はものを写す撮り方と空間を写す撮り方がある / 建築に時間があると思っている人は多くない / その他
対談風景