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2023.9.05Tue
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菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る
photo©楠瀬友将

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architecture|feature
建材(外構・床)ぬり貫GAヤマザキ西松建設灯デザインSUGAWARADAISUKE建築事務所楠瀬友将ZO設計室テクトニカ建材(外装・その他)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)図面あり菅原大輔千葉パヴィリオンランドスケープ
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、鉄工所があった歴史を引き継いで、屋根は鉄骨造で構成。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る四季の庭、浄化水槽の位置なども考慮しつつ、通り過ぎるだけの場にならないようクランクさせて動線を設定。 photo©楠瀬友将

菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所が設計した、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」です。
埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画です。建築家は、“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向しました。そして、人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築が作られました。施主企業の公式サイトはこちら。

鉄工所から建て替えられた物流倉庫の、外構と休憩所、バス待合所を計画した。
クライアントが営んでいた鉄工所という「人の物語」と、埋立地という「土地の物語」を編み直しながら、無機質なモノづくりの場所を有機質でヒューマンスケールな「人間の場所」に変換することを目指した。

建築家によるテキストより

道路沿いに広がる「道の庭」には、常緑樹を中心に植栽を混植し、無機質な工業団地の中に温かい表情をつくる。工事の残土で構成したバス待合所は、仕上がり面に不ぞろいの砂利や残置物を拾った奥深い陰影が現れ、洞窟のような原始的な空間をつくる。

建築家によるテキストより

これと対比的に、空を飛ぶ鏡面の大屋根は植物や街を映し込み、この土地に流れるさまざまな時間と色づきを増幅すると同時に、鉄骨造でしか実現できない構成は、クライアントとの「鉄工所」の記憶を象徴する。更に、これにデッキが取り付くことで多様な居場所群を生成し、施設内外の人々が思いおもいに佇む公園のような場を提供している。

建築家によるテキストより

※キャプション内の解説は、SUGAWARADAISUKE建築事務所によるものです

以下の写真はクリックで拡大します

菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る100年企業であるアライプロバンスの鉄工所を物流倉庫へ建て替えるプロジェクト。SUGAWARADAISUKE建築事務所は外構やバス待合所、休憩所などを設計した。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る製造業から不動産事業へと事業を拡大する同社による、ラストワンマイルの拠点を活用した場づくりであり、道路に面した「道の庭」では工事の残土を用い、工業地帯にヒューマンスケールの居場所をつくった。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、軒裏の鏡面仕上げや正面のガラス張り、塀の高さの変化などによって、見る位置に応じたさまざまな見え方が生まれ、小さな空間に多様な過ごし方を同居させている。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、長屋門の形式を参照した「道の庭」は、バス待合所や休憩スペースなどの機能を備える。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、鉄工所があった歴史を引き継いで、屋根は鉄骨造で構成。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、バス待合所 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、休憩スペース、ベンチの位置は日当たりなども考慮して決定している。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、義務として求められる緑化をポジティブに捉え、周辺とは異なる居場所としての構えを意図した。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、「四季の庭」側からアプローチを見返す。道路に近い場所ではツツジや広葉樹などの植栽を配置。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る四季の庭、前面道路から建物までをつなぐ「四季の庭」。季節ごとに花が咲く位置を分けて計画し、訪れる度に印象が変わるよう意図した。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る四季の庭、浄化水槽の位置なども考慮しつつ、通り過ぎるだけの場にならないようクランクさせて動線を設定。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る四季の庭、舗装の一部は「道の庭」から引き継いで、さまざまな場所を緩やかに連続させている。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る海の庭、かつて首都圏の海運を支えた湾に対して関係を持てるように、敷地内道路を挟んで小さな「海の庭」が計画された。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る海の庭、敷地奥側は海に面しているが、近隣の建物の多くは海に背を向けた建ち方だった。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る海の庭、敷地内に、人間的に過ごせるさまざまな場を点在させることで働く人たちの満足度を向上させ、人材確保につなげることも目的のひとつとして掲げている。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る倉庫から東京湾を見る。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る四季の庭、夕景 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、サイン、夕景 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、ヴォリュームの切り替え位置にライン照明を配し、凹凸感を強調した。 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、夕景 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、夕景 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る道の庭、夕景 photo©楠瀬友将
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る配置図 image©SUGAWARADAISUKE建築事務所
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る「道の庭」平面図 image©SUGAWARADAISUKE建築事務所
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る「道の庭」立面図 image©SUGAWARADAISUKE建築事務所
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、千葉の「アライプロバンス浦安 外構および休憩所」。埋立地の鉄工所を建替えた物流施設での計画。“人間の居場所”の創造を目指し、“土地の物語”と“人の物語”を編み直す設計を志向。人々に安らぎを与える複数の庭と“記憶を象徴”する大屋根を持つ建築を作る「道の庭」断面図 image©SUGAWARADAISUKE建築事務所

以下、建築家によるテキストです。


無機質なエリアに人間の居場所群をつくる

鉄工所から建て替えられた物流倉庫の、外構と休憩所、バス待合所を計画した。
クライアントが営んでいた鉄工所という「人の物語」と、埋立地という「土地の物語」を編み直しながら、無機質なモノづくりの場所を有機質でヒューマンスケールな「人間の場所」に変換することを目指した。

道路沿いに広がる「道の庭」には、常緑樹を中心に植栽を混植し、無機質な工業団地の中に温かい表情をつくる。工事の残土で構成したバス待合所は、仕上がり面に不ぞろいの砂利や残置物を拾った奥深い陰影が現れ、洞窟のような原始的な空間をつくる。

これと対比的に、空を飛ぶ鏡面の大屋根は植物や街を映し込み、この土地に流れるさまざまな時間と色づきを増幅すると同時に、鉄骨造でしか実現できない構成は、クライアントとの「鉄工所」の記憶を象徴する。更に、これにデッキが取り付くことで多様な居場所群を生成し、施設内外の人々が思いおもいに佇む公園のような場を提供している。

回遊式庭園である「四季の庭」は、季節によって色付きが変化する植栽で構成し、物流施設本館までヒューマンスケールの豊かなシークエンスをつくり出す。

東京湾に面する「海の庭」は、働く人々の憩いの場を提供するだけでなく、かつて東京の表であった水辺に新しい顔を取り戻すことを目指し、海風に強いトロピカルな植物によって特徴的な表情をつくった。

工業用地に求められる広大な緑地を積極的に活用し、海と土地と人間の営みの物語を編み直すことで、無機質な場所に人間の居場所群を生成することができた。これは、人を第一に考える企業姿勢を示した、工業系地区の未来の風景とも言える。

■建築概要
作品タイトル:アライプロバンス浦安 外構および休憩所
住所:千葉県浦安市港69
用途:倉庫
経営者:株式会社アライプロバンス
クリエイティブディレクション:SUGAWARADAISUKE建築事務所 菅原大輔
設計・監理:SUGAWARADAISUKE建築事務所 菅原大輔、藤坂美佳、上田将之
構造設計:テクトニカ 鈴木芳典、鶴田翔 
設備設計:西松建設 
外構計画:GAヤマザキ 山﨑誠子、岩男宏美 
照明計画:灯デザイン 早川亜紀 
左官:ぬり貫
本体工事とのデザイン調整:西松建設 清水勇貴、野老菜実、林拓弥
施工:西松建設
電気設備:ZO設計室
照明器具:灯デザイン
工事種別:新築
地域地区:準工業地域
構造と規模:RC造一部S造 平屋建て
敷地面積:1万4878.49㎡
建築面積:35.12㎡(道の庭)
床面積:27.34㎡
工期:2021年7月01日~10月31日
竣工:2021年10月31日
撮影:楠瀬友将

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

LGS25角t2.3組み硬質木片セメント板t15:センチュリー耐火野地板(ニチハ)
下地ガルバリウム鋼板貼り:月星GLカラーつや消し セリオス・プライム ブラック・A551(日鉄鋼板) 
目地・シール材:SC-MS 2 NB ダークグレー(シーカ・ハマタイト) 

外装・壁外壁

躯体コンクリート下地増し打ちt20の上現地土混入樹脂系複層仕上げ材t5薄塗り仕上げ:ジョリパット(アイカ工業) 
構造体上部:外壁左官塗り回しの上防水仕上げ エクセルテックス ET-15 ブラウン(ユニオン建材工業)

外装・その他軒裏

ST30角t2.3組みSUS複合板t4鏡面仕上げ貼り(アルポリック/fr SCM/三菱ケミカルインフラテック)

外装・その他柱

STφ75、100溶融亜鉛メッキ処理の上フッ素樹脂焼き付け塗装5分ツヤ仕上げ E35-20B [日塗工]

外装・その他ベンチ

ST溶融亜鉛メッキ下地処理フッ素樹脂焼き付け塗装5分ツヤ仕上げ E35-20B [日塗工)+躯体コンクリート下地ハット型鋼製根太40×90の上デッキ材t23w146:ラテールリーフ(アイオーシー)

外装・その他ライン照明

C-FR-F15B(ケーエスシー)

外構・床外構

砕石t50+土間コンクリートt80+下地モルタルt40の上磁器質タイル600角t10貼り:ラバーニャ CCC-X7770G(名古屋モザイク工業) 
インターロッキング舗装:オールラウンドペイブ・スタンダード グレーシリーズ(エスビック) 
コンクリート平板ブロック300角
400角貼り コンクリート打ち放し刷毛引き仕上げ

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    安藤忠雄の設計で、香川・直島に「直島新美術館(仮称)」が建設。島で10番目となる安藤による建築。アジア地域の作家の作品を収集し展示する施設。2025年春の開館を予定
    image©Tadao Ando Architect & Associates

    SHARE 安藤忠雄の設計で、香川・直島に「直島新美術館(仮称)」が建設。島で10番目となる安藤による建築。アジア地域の作家の作品を収集し展示する施設。2025年春の開館を予定

    architecture|art|culture
    美術館・博物館安藤忠雄香川
    安藤忠雄の設計で、香川・直島に「直島新美術館(仮称)」が建設。島で10番目となる安藤による建築。アジア地域の作家の作品を収集し展示する施設。2025年春の開館を予定 image©Tadao Ando Architect & Associates

    安藤忠雄の設計で、香川・直島に「直島新美術館(仮称)」が建設されます。
    島で10番目となる安藤による建築です。美術館としては、アジア地域の作家の作品を収集し展示する施設となるのとのこと。また、2025年春の開館を予定しています。

    新美術館は、ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計のアート施設として10番目になります。地下2階、地上1階の3層からなる美術館では、日本も含めたアジア地域のアーティストの代表作やコミッション・ワークを中心に展示・収集します。

    また、企画展示の開催や、トーク、ワークショップといったパブリックプログラムなど展示以外の美術館活動にも取り組み、より多様な視点や表現、時代や社会に対する多義的なメッセージを発信するとともに、繰り返し人々が訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場としても機能させていきます。

    新美術館が島の数々のアート施設をつなげ、美術館群として捉えることで、より一層自然や集落と一体化したアート体験を創出するとともに、アートと建築、自然、そしてコミュニティの調和・融合のさらなる発展形を目指します。

    リリーステキストより
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    日程
    2023年9月2日(土)
    –
    9月17日(日)
    architecture|exhibition|feature
    会場構成学生畝森泰行建築展ToLoLo studio
    畝森泰行による、愛知淑徳大学での建築展「ゆっくり庭をつくるように」の会場写真。建築家と学生が協働して作る展覧会。“総体的な建築体験”を与える会場を目指し、8つの木造フレームを用いて空間と展示物が緩やかに一体化する構成を考案。代表作の一部を再現した“原寸”モックアップ等も展示 photo©ToLoLo studio
    畝森泰行による、愛知淑徳大学での建築展「ゆっくり庭をつくるように」の会場写真。建築家と学生が協働して作る展覧会。“総体的な建築体験”を与える会場を目指し、8つの木造フレームを用いて空間と展示物が緩やかに一体化する構成を考案。代表作の一部を再現した“原寸”モックアップ等も展示 photo©ToLoLo studio
    畝森泰行による、愛知淑徳大学での建築展「ゆっくり庭をつくるように」の会場写真。建築家と学生が協働して作る展覧会。“総体的な建築体験”を与える会場を目指し、8つの木造フレームを用いて空間と展示物が緩やかに一体化する構成を考案。代表作の一部を再現した“原寸”モックアップ等も展示 photo©ToLoLo studio

    畝森泰行による、愛知淑徳大学での建築展「ゆっくり庭をつくるように」の会場写真です。
    建築家と学生が協働して作る展覧会です。建築家と学生は、“総体的な建築体験”を与える会場を目指し、8つの木造フレームを用いて空間と展示物が緩やかに一体化する構成を考案しました。また、代表作の一部を再現した“原寸”モックアップ等も展示されています。会期は、2023年9月17日まで。展覧会の公式ページはこちら。

    畝森泰行によるステートメント

    私たちは建築の全てを把握できません。その物理的な大きさや複雑さゆえに、一度に全体を眺めるのは難しく、また設計中に模型や図面を使ってどんなに想像しても、どこか理解できない余白が残ります。また建築はたくさんの人が時間をかけてつくります。その過程で個人の考えや当初のイメージから変わっていくことがあり、それらの理由で建築は、強く固定的な存在でありながらも、曖昧で他律的な側面をもつと言えます。

    私はそういう建築の不確かな部分に惹かれます。朧げで変わりうるところがあるからこそ、緩やかに動く自然や異なる他者と結びつく可能性をもつのであり、それがいま、バラバラな個人をつなぎ、早すぎる時間を緩め、閉じた世界をほぐすことになるのではないだろうか、そう期待するのです。この不確かで曖昧な存在を今回私は「庭」と呼ぼうと思いました。

    会場は愛知淑徳大学の学生と協働して考えました。その試行錯誤も私たちが思う庭となってそこに現れることを期待しています。

    リリーステキストより
    • 残り14枚の写真と建築家によるテキスト
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    会場構成学生畝森泰行建築展ToLoLo studio
    2023.09.05 Tue 13:01
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    2023.9.04Mon
    • 塚田裕之建築設計事務所による、大阪・北区の飲食店「超速鮮魚寿司 羽田市場」。獲れたての鮮魚を提供する仕組みを持つ寿司店。“らしさ”のある店を目指し、“羽”の文字から生成したパターンを用いた特徴的な壁面を備えた空間を構築。内外に図案を連続させて“市場”の様な入り易さも意図
    • 橋本尚樹+増崎陽介 / NHAによる、山梨・北都留郡の「丹波山村新庁舎」。東京と繋がる街道があり山村留学も行う地域。交通と移住という“人の流れ”を育む場を目指し、街道に“正対した構え”で全体が“一室空間”となる建築を考案。土砂崩れも想定して主機能はRCの基壇部に収める
    • 最も注目を集めたトピックス[期間:2023/8/28-9/3]
    2023.9.06Wed
    • 清家清による、東京・大田区の住宅「私の家」(1954 年竣工) の見学ツアーが2023年9月より開始
    • STA土屋辰之助アトリエによる、東京・墨田区の「House HJ」。既存建物の住居部分の改修。多趣味な施主家族の為に、展示収納を担う“造作棚”にベンチ等の機能も与えて“直線的な動線”空間の壁面に配置。“回遊的な動線”を与えた諸室との組合せで“新たな広がり”を生み出す
    • 荒尾英生建築設計事務所とtamari architectsによる、京都の「京丹後の週末住宅」。サーフィンが趣味の夫婦の為に計画。大自然を楽しむ“ベースキャンプ”の様な場を求め、“汎用性”と“経済性”も考慮して木架構の周りをCBの非構造壁で囲む構成を考案。内部空間はレベル差があり連続的に繋がる
    • 原広司による、神奈川・多摩区の“粟津潔邸”(1972年竣工)を会場にした展覧会「吉國元展」が開催

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