徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEが設計した、東京・世田谷区の「経堂のクリニック」です。
駅近の医療ビル内での計画です。建築家は、“多くの診療が可能”な施設を目指し、順路を明確化して移動時間を短縮する“リニアなL字型”の待合空間を備えた建築を考案しました。また、木質素材の仕上げで場に“親しみ易さ”も与える事も意図されました。
新築医療ビルに入居する耳鼻咽喉科クリニックの内装計画。
施主は集客力の高い駅前通り沿いの立地を選択し、この地で老若男女に親しまれる空間を要望した。限られた診療時間内に多くの患者を診るために、無駄のない動線で診療以外にかかる時間を短くする計画とした。
耳鼻咽喉科の診療は別室に移動して行う処置行為も多く、患者は受付→診察→処置→受付の順に院内を移動する必要があり、順路の明確化と移動時間の短縮が求められた。子供からお年寄りまでが立って、歩いて、座ってを繰り返す中に快適性と安心感を提供できる空間作りが本計画のテーマとなった。
待合は受付・診察室・処置室へ直接アクセスできる配置とし、順路に沿って患者自身が場所を変えながら移動する待合空間を考えた。立面として視界に入る、床から天井に達する木質の間仕切り壁は、独特の緊張感がある医療施設に温かみを与えつつ、待合空間にリズムと場所性をもたらした。間仕切り壁と丸みを持った垂れ壁によって、L型平面をもつ待合空間の奥行きを可視化し、順路を促す効果を持たせた。
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以下、建築家によるテキストです。
新築医療ビルに入居する耳鼻咽喉科クリニックの内装計画。
施主は集客力の高い駅前通り沿いの立地を選択し、この地で老若男女に親しまれる空間を要望した。限られた診療時間内に多くの患者を診るために、無駄のない動線で診療以外にかかる時間を短くする計画とした。
耳鼻咽喉科の診療は別室に移動して行う処置行為も多く、患者は受付→診察→処置→受付の順に院内を移動する必要があり、順路の明確化と移動時間の短縮が求められた。子供からお年寄りまでが立って、歩いて、座ってを繰り返す中に快適性と安心感を提供できる空間作りが本計画のテーマとなった。
本計画では、処置行為を行うクリニックで常用的に用いられる診察後の処置待ちのための中待合空間は設けず、各フェーズの待合室(A~E)をリニアなL字型なスペースに集約し、圧迫感なく自然光の入る環境を提供しようと試みた。
待合は受付・診察室・処置室へ直接アクセスできる配置とし、順路に沿って患者自身が場所を変えながら移動する待合空間を考えた。立面として視界に入る、床から天井に達する木質の間仕切り壁は、独特の緊張感がある医療施設に温かみを与えつつ、待合空間にリズムと場所性をもたらした。間仕切り壁と丸みを持った垂れ壁によって、L型平面をもつ待合空間の奥行きを可視化し、順路を促す効果を持たせた。
■建築概要
所在地:東京都世田谷区経堂
用途:診療所
施主:世田谷経堂としくに耳鼻咽喉科
設計監理:徳山史典+弓削純平 / UNQUOTE
施工:有限会社月造
構造:S造
工事面積:102㎡
竣工年月:2023年6月
写真:鈴木淳平、UNQUOTE(※グラフィック写真)