architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 書籍
  • 展覧会
  • コンペ
  • 動画
  • テレビ
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2023.10.05Thu
2023.10.04Wed
2023.10.06Fri
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与
photo©松浦範子

SHARE 尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与

architecture|feature
東京リノベーション住戸図面あり品川区建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・照明)建材(内装・造作家具)尾崎泰永尾崎建築事務所松浦範子松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関から開口越しにリビングと部屋1(寝室)を見る。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与ダイニングからリビングを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋2(仕事場) photo©松井進

尾崎泰永 / 尾崎建築事務所が設計した、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」です。
約50㎡の区画に家族3人の住まいを作る計画です。建築家は、景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案しました。そして、都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与する事も意図されました。

今計画は近年リノベーションされていた築38年の商品化住戸だった。
クライアントは夫婦+子供の3人家族だが、複数の個室が欲しいなど、希望を根本的に満たせていない50㎡程の1LDK住戸であった。間取りは合っていなかったが、都心でサクラ並木の景観が期待できる立地を優先し、商品化住戸を購入したうえで、更にリノベーションを行うこととなった。

建築家によるテキストより

そこでまず、サクラの見える北側に広い空間を得るため、全体を南北方向から東西方向に分けなおす直線の壁を設定し、さらに壁の位置をチューニングした。玄関を広くしたい、TV とソファの距離をもっと離したい、キッチンとダイニングは横並びにしたい、廊下は最小幅でいい、部屋はベッドサイズギリギリでよい、といった置かれる家具を具体的に想定して検討を行いながら、直線設定だった壁の位置を動かし、最後にそれらをつないで、個々の居場所と室内の一体感が共存するような一続きの屏風壁としてフィックスさせた。

建築家によるテキストより

住み手の空間感覚を反映するなかで収束した屏風壁は、商品化住戸を住み手の感覚にチューニングするためのアイデアであり、面積の限られた都市の住空間をムダなく使うためのアイデアでもある。

屏風壁には窓を穿ち、視線の抜けを増やし、奥の部屋や玄関からも窓の先の窓の向こうにサクラが見通せる。さらに屏風壁に絡むかたちで引戸を計画し、引戸を開ければぐるりとまわれるワンルーム、閉じれば最大3つの個室が生まれる計画となっている。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関から廊下を見通す。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関から開口越しにリビングと部屋1(寝室)を見る。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関、屏風壁に設けた窓 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関、屏風壁に設けた窓 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与玄関収納 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与廊下からリビングを見る。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与左:ダイニング、中:リビング、右:リビング photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与リビングからキッチンを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与ダイニングからリビングを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与手前:キッチン、奥:ダイニング photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋2(仕事場)からキッチンを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋2(仕事場) photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋2(仕事場)から部屋3(ラウンジ、子供部屋)見る。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋2から玄関までを見通す。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋3、可動式の本棚4台でアレンジ photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋3、可動式の本棚4台でアレンジ photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋3、可動式の本棚4台でアレンジ photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与屏風壁の詳細。 photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋3(ラウンジ、子供部屋)から屏風壁の窓越しにリビングを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋3(ラウンジ、子供部屋)から屏風壁の窓越しにリビングを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋1(寝室) photo©松浦範子
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋1(寝室) photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与部屋1(寝室)からリビングを見る。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与床の詳細 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与屏風壁とスイッチ。 photo©松井進
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与平面図(建具を開いた状態) image©尾崎建築事務所
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与平面図(建具を閉じた状態) image©尾崎建築事務所
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与設計プロセスを説明する平面図 image©尾崎建築事務所
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与改修前平面図 image©尾崎建築事務所
尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・品川区の住戸改修「ROOM-M」。約50㎡の区画での家族3人の住まい。景観享受と個室数確保等を求め、詳細な想定を基にした寸法の“チューニング”から導いた“屏風壁”で空間を分割する構成を考案。都市住居に必要な合理性と柔軟性を空間に付与完成後スケッチ image©尾崎泰永

以下、建築家によるテキストです。


近年リノベ工事前やスケルトンで売りに出されるマンション住戸があるものの、大半は住み手が決まる前にリノベされた商品化住戸である。
立地が良い住戸は自然と売れる可能性は高まるだろうし、完成された住戸でなければ一般人がイメージ出来ず購入に至らないと言われたりするのもリノベをしてから売り出す理由かもしれないが、一方で多様な個人にアレンジしたマンション住戸が広がれば、都市に住まう事の楽しさや選択肢をもっと増やせると思い、マンションリノベの設計に取り組んでいる。

場所を仕立てる屏風壁

今計画は近年リノベーションされていた築38年の商品化住戸だった。
クライアントは夫婦+子供の3人家族だが、複数の個室が欲しいなど、希望を根本的に満たせていない50㎡程の1LDK住戸であった。間取りは合っていなかったが、都心でサクラ並木の景観が期待できる立地を優先し、商品化住戸を購入したうえで、更にリノベーションを行うこととなった。

そこでまず、サクラの見える北側に広い空間を得るため、全体を南北方向から東西方向に分けなおす直線の壁を設定し、さらに壁の位置をチューニングした。玄関を広くしたい、TV とソファの距離をもっと離したい、キッチンとダイニングは横並びにしたい、廊下は最小幅でいい、部屋はベッドサイズギリギリでよい、といった置かれる家具を具体的に想定して検討を行いながら、直線設定だった壁の位置を動かし、最後にそれらをつないで、個々の居場所と室内の一体感が共存するような一続きの屏風壁としてフィックスさせた。

住み手の空間感覚を反映するなかで収束した屏風壁は、商品化住戸を住み手の感覚にチューニングするためのアイデアであり、面積の限られた都市の住空間をムダなく使うためのアイデアでもある。

屏風壁には窓を穿ち、視線の抜けを増やし、奥の部屋や玄関からも窓の先の窓の向こうにサクラが見通せる。さらに屏風壁に絡むかたちで引戸を計画し、引戸を開ければぐるりとまわれるワンルーム、閉じれば最大3つの個室が生まれる計画となっている。

限られた面積のマンション住戸に住まうには、住み手にとってムダが無く、使う上での柔軟性・伸縮性があり、面積以上の広がりを感じられる工夫が必要で、その空間デザインを1枚の屏風壁のアイデアに詰め込んだ。

■建築概要
タイトル:ROOM-M
所在地:東京都品川区
主用途:住宅(マンションリノベ)
設計:尾崎泰永 / 尾崎建築事務所
施工:分離発注
延床面積:47.02㎡
階数:5階部分 / 地上7階建
設計:2022年9月~2022年12月
工事:2022年12月~2023年3月
竣工:2023年4月
写真:松井進、松浦範子

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床張替え・床1

t5天然オイル仕上コルクタイル:クリスタル[COE-C5] ナチュラル[COE-N5](東亜コルク)

内装・床張替え・床2

t2.5 リノリウム床シート:マーモリウムリアル[ML-3141](田島ルーフィング)

内装・床玄関床

t8.5磁器質タイル:マルチストン REM-W9600G U9660G R9660G 3種類組み合わせ(名古屋モザイク)

内装・床既存利用床

t12 突板フローリング オーク:ライブナチュラルMRX[HXK20005RIS](朝日ウッドテック)

内装・壁屏風壁

t15杉・t12カラマツ 共にラフソーン仕上(共栄木材)
油性塗料[3032クリア](オスモ)

内装・壁キッチン壁

t7モザイクタイル:パヴォーネ[90×15ボーダーPVO-11](名古屋モザイク)

内装・壁TV壁

t4フレキシブルボード突付張(エーアンドエーマテリアル)

内装・天井天井

t3キッチンパネル 白・光沢 目透かし張(AICA)

内装・照明照明

ライティングレール+スポットライト(DAIKO)

内装・造作家具制作家具・キッチン

木制作+ラワン合板(シェルパウッドワークス)
油性塗料[3123パイン+3032クリア](オスモ)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

あわせて読みたい

サムネイル:平山俊建築設計による住宅
平山俊建築設計による住宅”Les Aventuriers / 冒険者たち”
  • SHARE
東京リノベーション住戸図面あり品川区建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・照明)建材(内装・造作家具)尾崎泰永尾崎建築事務所松浦範子松井進
2023.10.05 Thu 13:01
0
permalink

#品川区の関連記事

  • 2024.3.13Wed
    浅利幸男 / ラブアーキテクチャーによる、東京・品川区の集合住宅「蓮山居 市中の立体山居」。袋小路の突当りの敷地。“生き生きと体験”される建築を求め、厳しい与件を解いて生まれた専有部と共用部を“茶室と露地の関係”に見立てる設計を志向。建物の詳細部分は“山々”や“茶庭”等を想起させる様に作る
  • 2023.2.15Wed
    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京・品川区の「L LINE Office」。建設工事に関わる企業の事務所。従業員の“やりがい”と“活躍”を実現する在り方を求め、事務職から現場職まで多様な人々を受容する“器”となる建築を志向。企業スタンスに合わせた柔軟に変化できる空間も意図
  • 2022.11.04Fri
    アソトシヒロデザインオフィスによる、東京・品川区の「旗の台の家 / いちまつのかべまど」。四方を隣地に囲まれた敷地。プライバシーの確保と明るく伸びやかな生活の共存を求め、周辺関係を考慮し生活空間を上階に集約して小さな開口を“市松”に配置。南向きの天井勾配で空へ繋げる
  • 2022.7.05Tue
    宮本雅士建築設計による、東京・品川区の集合住宅「フタバソウ」。住居兼事務所の使用も想定した計画。地域や住人に愛着の醸成を求めて、交流を生む“小路”の在り方を継承する空間を考案。全体ヴォリュームを住戸単位に分節し環境調和や“家”としての愛着向上も意図
  • 2022.2.28Mon
    大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・品川区の、マンションショールーム「PROUD GALLERY GOTANDA」。建設解体等の労力を要する施設の在り方に施主と問題意識を共有し設計、変更の容易さと過程の省エネを意識しカーテンで空間を構築、物件で使用予定の素材等の流用により価値の再発見も意図
  • 2021.9.06Mon
    中村竜治建築設計事務所による、東京・品川区の、多目的な使用も想定された美容室・ギャラリー「MA nature」。物とも空間とも言えない存在感の円形鏡により、サロンを目的空間と無目的空間の間ぐらいとし、他の用途が入り込む余地をつくることを意図
  • 2021.7.29Thu
    青木茂建築工房が改修を手掛けた、東京・品川区の「目黒クリニックビル」。礼拝所・事務所として50年使われた建物を更に50年以上使える診療所として再生
  • 2021.1.27Wed
    大西亮+越膳博明+大本健太 / 乃村工藝社による、東京・品川区の、地域コミュニティー促進の機能を持つマンションギャラリー「Brillia品川南大井コミュニケーションサロンoooi」
  • 2020.12.05Sat
    二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・品川区の住宅「東五反田の家」
  • 2020.6.02Tue
    遠藤克彦+八尾廣による、東京・品川区の集合住宅「長者丸 VIEW TERRACE」
  • view all
view all

#住戸の関連記事

  • 2025.5.12Mon
    和順陽と和順菜々子による、東京・世田谷区の住戸改修「光を纏う部屋」。設計者とテキスタイルデザイナーの夫婦の自邸。明るいが型ガラスで景観が享受できない与件に対し、カーテンで光を拡散して“様々な要素を抽象化する”計画を考案。浮遊感が生まれ柔らかい雰囲気で空間が満たされる
  • 2025.5.09Fri
    黒崎敏 / APOLLOとニコラ・ガリッツィアによる、東京・港区の住戸「MORANDI」。家具ブランドとの協働で計画。代表製品であるシステム収納を“建築の核”とし、各部屋を繋げた壁面に“シームレスに収納を連続”させる構成を考案。シークエンスの創出や公私の分割も収納のデザインや配置で行う
  • 2025.4.16Wed
    伯耆原洋太と伯耆原智世による、東京の住戸改修「切断の諸相06『Pale Veil』」。西側に大きなバルコニーのある区画。内外が一体的な“縁側としての住居”を求め、日照の変化等にも対応する“環境装置”を備えた空間を考案。蔀戸を参照した“バタフライ状に開閉するタープ”を開発して開口に設置
  • 2025.3.21Fri
    高田彩実 / ayami takada architectsによる、東京・港区の住戸改修「room T」。人が行き交う街に建つ集合住宅内での計画。“都市のオアシス”の様な場を求め、既存柱をリブウォールで包囲し天井を折り上げて“白い巨樹”に見立てる計画を考案。造作類への天然素材の使用で空間に質感も付与する
  • 2025.3.19Wed
    小田切駿と髙松めい による、東京・世田谷区の住戸改修「砧の部屋」。“普通の2LDK”をリノベした設計者の自邸。仕事と家事育児を両立する生活像に対し、“暮らしの動作とシーンが連続的に展開する”半ワンルーム的空間を志向。回遊性を確保しながら18mmの壁で空間を間仕切る
  • 2025.3.10Mon
    松本光索 / KOSAKUによる、東京の住戸改修「音のいる日常」。ピアノを演奏する施主家族の為に計画。音が日常の中にある生活を目指し、ピアノを含めた様々な生活の要素が“ヒエラルキーなく”存在する空間を志向。其々に角度を付けて“散らばる”様に配置する構成を考案
  • 2025.2.14Fri
    真泉洋介 / プラスマイズミアーキテクトによる、東京の住戸改修「世田谷の住宅」。本や雑貨を多数所有する施主の為の住まい。“物と共存する生活”の発展を意図し、建築的要素を“家具”の様につくる空間を志向。雑貨類が置ける“自立する壁”や文庫本を納められる“サークル状の床面”等を考案
  • 2025.1.15Wed
    山之内淡 / AWGLによる、東京・新宿区の住戸改修「Tokyo Clubhouse」。新宿御苑に近い集合住宅での計画。友人が頻繁に訪れる施主の生活に着目し、御苑の在り方と重なる“半プライベート / 半パブリック”な場を志向。天井の凹凸等で“居場所のグラデーション”がある一室空間を作る
  • 2024.12.13Fri
    河部圭佑建築設計事務所による、愛知・名古屋市の「みなとの連結住戸」。二住戸をセットとして捉えて行った改修のひとつ。一住戸の枠組みに囚われない設計を行い、キッチンや浴槽が中心となる“全体が水回り”と言える空間を実現。状況に応じて場を獲得していく“流動的空間”も意図
  • 2024.10.24Thu
    髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    60,896
    • Follow
    82,050
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    この日更新したその他の記事

    山之内淡 / AWGLによる、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」。“愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエ。全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案。猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る
    photo©Lamberto Rubino

    SHARE 山之内淡 / AWGLによる、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」。“愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエ。全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案。猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る

    architecture|feature
    建材(内装・キッチン)ランベルト・ルビーノ小嶋工務店山脇克彦建築構造設計東京建築PLUSAWGL山之内淡solso建材(外装・建具)建材(内装・水廻り)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)図面あり神奈川住宅
    山之内淡 / AWGLによる、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」。“愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエ。全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案。猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る俯瞰 photo©Lamberto Rubino
    山之内淡 / AWGLによる、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」。“愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエ。全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案。猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る1階から2階への階段、正面にあるのは書庫。 photo©Lamberto Rubino

    山之内淡 / AWGLが設計した、神奈川・鎌倉市の「A Cat Tree House」です。
    “愛猫”を施主に見立て設計した自邸兼アトリエです。建築家は、全体を“キャットツリー”とする方針を立て、二層吹抜のリビングを“猫の身体寸法”に合わせた階段で取囲む構成を考案しました。そして、猫と人の其々の言葉が混ざり合う建築を作る事が意図されました。

    東京都心から約1時間。歴史が深く緑豊かな鎌倉の敷地に立つ設計者の自邸兼アトリエの計画。
    暮らすのは30代の夫婦と2匹の猫である。猫にとって、家は世界だと思う。愛猫から家のあり方を学びたいと考え、“2匹の愛猫”を“2人の施主”に見立てた。

    建築家によるテキストより

    猫たちからの要望の1つ目はその日その時間で“好みの温度の層”を選べること。2つ目は“付かず離れずの距離感”で家族と同じ空間に居られること。3つ目は“安全な居場所”を複数持ち四季に合わせて移動することだった。

    建築家によるテキストより

    私たちはまず家全体を1つの大きなキャットツリーとして設計する方針を定めた。
    天窓のある吹抜空間を中心に螺旋状に階段が取り囲む計画とし、階段の踏面・蹴上寸法を猫の身体寸法に合わせて設計した。家全体が細かな(23のレベルの)“温度の層”のストライプに分けられ、どこに居ても違和感なく視線が通るよう工夫した。
    階段の南側と西側には壁一面に本棚を配置した。私たち人間にとっては階段状の書庫となり猫たちにとっては十分な大きさのベッドとなる。階段の構造は日本伝統の南京玉すだれからヒントを得たキャンチレバー構造で設計し、構造をそのまま現し仕上げとして空間にアクセントを加えている。

    建築家によるテキストより
    • 残り34枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    建材(内装・キッチン)ランベルト・ルビーノ小嶋工務店山脇克彦建築構造設計東京建築PLUSAWGL山之内淡solso建材(外装・建具)建材(内装・水廻り)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)図面あり神奈川住宅
    2023.10.05 Thu 06:55
    0
    permalink
    2023.10.04Wed
    • 葛島隆之建築設計事務所による、東京・千代田区の「Office Idein」。コロナ禍での事務所の稼働率減少に伴う移転計画。“新しい交流の場”への再編を目指し、人が集まる可能性とその空間の作り方を模索。床に設ける段差で平面計画を行い“居場所や家具的な機能”が生まれる空間を作る
    • 塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、長野・大町市の住宅「TRIANGLE」。施主の実家の隣で幹線道路にも面する場所。環境との“程よい距離感”を求め、内外で繋がり“遊歩道”の様な動線となる“緩衝帯”としての“道”を敷地内に設ける構成を考案。窓の配置は周辺との適切な接続を意図
    2023.10.06Fri
    • 【ap job更新】 平田晃久建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
    • 佐藤信 / 青木茂建築工房による、福岡市の住戸改修「ホわイとハうス」。設計者の自邸。製品構築された建物への“現代的な豊かさ”の付与を求め、少しづつ異なる様々な“白色”と多様な質感の“素材”を用いて空間を構成。微細な体験の変化や現象が住み手に与える影響の検証も試みる
    • パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”で、ポップアップギャラリー「ロングセラー、ロングライフの原点」が開催。数十年使い続けられてきたプロダクトを多数紹介。村野藤吾たちに使われたドアハンドルの製作秘話を聞けるトークも企画
    • ニイノ建設と麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「大森町の集合住宅」。活気のある商店街の中での計画。賑わいを享受しつつも“落ち着ける”住環境”を目指し、四周に回した“コンクリートの帯”の高さを変えて内外の関係を調整する建築を考案。上階に行くほど段階的に開放度を上げる

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    60,896
    • Follow
    82,050
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 書籍
    • 展覧会
    • コンペ
    • 動画
    • テレビ
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • アーキテクチャーフォト・プロダクト
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white