SHARE 2023年のグッドデザイン賞の大賞を、山﨑健太郎デザインワークショップによる「52間の縁側」が受賞
2023年のグッドデザイン賞の大賞を、山﨑健太郎デザインワークショップが設計した「52間の縁側」が受賞しています。アーキテクチャーフォトでは、この建築を特集記事として紹介しています。
2023年のグッドデザイン賞の大賞を、山﨑健太郎デザインワークショップが設計した「52間の縁側」が受賞しています。アーキテクチャーフォトでは、この建築を特集記事として紹介しています。
東京・武蔵野市吉祥寺の「武蔵野公会堂改修」設計プロポーザルの、一次審査通過者が参加する公開プレゼンテーションが開催されます。シーラカンスアンドアソシエイツ、小堀哲夫建築設計事務所、スターパイロッツ、日建設計、AS、青木茂建築工房が名を連ねています。開催日は、2023年11月1日。参加費無料。先着順。
吉祥寺にある武蔵野公会堂は、1964 年の開館からまもなく 60 年をむかえます。市⺠の発表の場などとして親しまれてきましたが、設備の⽼朽化やバリアフリーの課題があり、武蔵野市では現在施設のリニューアルの計画を進めています。この度、改修に関わっていく設計者を選定することになりました。設計候補者のプレゼンテーションと選定委員によるヒアリングを公開で⾏います。武蔵野公会堂や吉祥寺駅周辺のこれから、建築の設計や計画に興味のある⽅等、どなたでもお越しください。お申込みは不要です。当⽇会場にてお待ちしています。
杉中俊介+杉中瑞季 / 多和良屋と稲荷明彦建築研究室が設計した、石川・羽咋市の「羽咋高校 杜の鐘ホール」です。
在学生に加え卒業生も使用するホールの改修計画です。建築家は、関係者の皆が共有する“校歌”に着目し、歌詞に詠まれた“情景”をイメージした空間を志向しました。そして、内容から連想された“柔らかな空間”を木製ルーバーの“曲面天井”で表現しました。
羽咋高校創立百周年事業としての図書館棟1階ホールの改修計画です。
普段は在学生が勉強や休憩に利用し、休日などは、卒業生も集うイベント等をおこなう空間となるため、卒業生や在学生など、関係者すべてが共有しているものとして、校歌に着目しました。校歌は羽咋にゆかりのある折口信夫の作詞によるもので、羽咋の風景が詠まれ、そのなかで勉学に励み、これからの社会を築いていこうというものです。
校歌ができたあと、折口は校歌のなかに出てくる鐘を寄贈しており、校歌に詠まれた情景が強化されています。それと同じように、今回の計画でも校歌の情景をイメージした空間を構想しました。遥かに見える気多の浦のゆるやかな稜線、渚に寄せては返す波、たなびく雲などから連想されるやわらかな空間を、ホール上部に木製ルーバーで構成される曲面天井で表現しています。
MVRDVによる、アルバニアの文化施設「The Pyramid of Tirana」です。
独裁者を称えた博物館を若者や市民の為の施設に改修する計画です。建築家は、生き延びた人々の“記念碑”として、傾斜したファサードに階段を追加して誰もが上に登れる建築を考案しました。そして、新たな機能はカラフルな箱に入れて構造体の内外に追加しました。
こちらはリリーステキストの翻訳です
人々がモニュメントを取り戻す。MVRDVのティラナのピラミッドが完成
アルバニアの首都の中心部に、新しいタイプの文化拠点がオープンし、一般の人々がアクセスできるようになりました。ティラナのピラミッドは、もともと共産主義の独裁者エンヴェル・ホシャに捧げる博物館として建てられたが、MVRDVによって劇的に生まれ変わりました。コンクリート構造体を再利用したピラミッドは、現在、新しい公園で開かれた彫刻となっています。公園と彫刻は、色とりどりの箱のアンサンブルの本拠地となっています。其々の箱は、オリジナルの建物とその周辺に点在します。そこには、カフェ、スタジオ、ワークショップ、スタートアップ・オフィス、インキュベーター、フェスティバル、アルバニアの若者たちがさまざまなテクノロジーを無料で学べる教室などが入っています。建物の傾斜したファサードには階段が追加され、アルバニアの人々はかつての独裁者の見せ物の上を文字通り歩き回ることができます。
ティラナのピラミッドは、つい最近まで建築現場だったにもかかわらず、この夏にはすでに盛んに使われていました。アルバニア人が街の景色を楽しむだけでなく、ピラミッドは観光客にも隠れた名所として知られるようになりました。EU首脳会議が開催され、10月16日にはTUMOによってアルバニアの10代の若者たちのための無料教育施設として正式に落成式が行われたことで、ピラミッドは正式に人々に貢献することになりました。
1988年に博物館として初めてオープンしたティラナのピラミッドは、幾多の人生を歩んできました。共産主義政権が崩壊して以来、この建物はラジオ局、ナイトクラブ、会議場、放送センター、そして1999年のコソボ紛争時にはNATOの基地等として様々に利用されました。用途が刻々と変わり、以前の改装計画も不完全であったため、パッチワークのような改造が施され、内部は雑然として暗くなっていました。ここ数十年、この建物をどうするかという問題が大きな物議を醸しました。2015年に発表された調査によると、しかしながら、アルバニア人の大多数がこの建物の取り壊しに反対しており、2017年に政府がこのコンクリート製のモノリスを改造する計画を発表したことで、この願いが叶えられました。この約束は、アルバニア系アメリカ人開発財団(AADF)とティラナ市の支援を受けて実施され、建物をアルバニアの若者たちのための育成環境にすることが決定されました。
多くのアルバニア人にとって、ピラミッドは政権に対する勝利のシンボルであり、MVRDVのデザインは、彼らがこの建物を取り戻したことにインスパイアされました。独裁者の死後、この老朽化した構造物は長い間、ティラナの若者たちのたまり場となっていました。彼らは傾斜した梁に登り、危険がないわけではないが、滑り降りていました。現在では、傾斜した側面に階段が設置され、あらゆる年齢層の人々が建物の頂上まで登れるようになっています。西側には、エレベーターがあり、階段が登れない人でもピラミッドの頂上まで登ることができます。また、一方の梁には傾斜があり、人々はそれでも下まで滑ることができます。
MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「ティラナの若者たちがピラミッドを歩き回っているのを初めて見たとき、私はその象徴性と驚くべき楽観主義に深く感動しました」「抑圧されたアルバニア国民が貧困にあえいでいた時代に、共産主義国家が実現させた最も高価な建物であることを念頭に置きながら、私たちの変革では独裁政権を賛美するシンボルをすべて取り除きました。私たちは、この建物が暗い過去を持っていたことも知ってもらうために、オリジナルのディテールを残しました。構造物は公園内の廃墟として完全にオープンになっており、すべての箱が構造物の中や周囲に『不法占拠』しています。かつては『エンヴェル・ホシャ廟』と皮肉を込めて呼ばれていたが、変異したピラミッドは、現在では独裁者を克服し、生き延びた人々の記念碑となっています」
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