マ・ヤンソン / MADによる、インスタレーション「チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ」。ヴェネツィア・ビエンナーレの中国館の屋外での計画。建築と自然の共存への省察を促す存在を求め、伝統的な“油紙傘”から着想を得て“古代の桐油の技術”と“現代のセンシング技術”を組合わせた作品を考案 photo courtesy of MAD
マ・ヤンソン / MADによる、インスタレーション「チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ」。ヴェネツィア・ビエンナーレの中国館の屋外での計画。建築と自然の共存への省察を促す存在を求め、伝統的な“油紙傘”から着想を得て“古代の桐油の技術”と“現代のセンシング技術”を組合わせた作品を考案 photo courtesy of MAD
マ・ヤンソン / MADによる、インスタレーション「チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ」。ヴェネツィア・ビエンナーレの中国館の屋外での計画。建築と自然の共存への省察を促す存在を求め、伝統的な“油紙傘”から着想を得て“古代の桐油の技術”と“現代のセンシング技術”を組合わせた作品を考案 photo courtesy of MAD
マ・ヤンソン / MADが設計した、インスタレーション「チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ」です。
第19回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展の中国館の屋外での計画です。建築家は、建築と自然の共存への省察を促す存在を求め、伝統的な“油紙傘”から着想を得て“古代の桐油の技術”と“現代のセンシング技術”を組合わせた作品を考案しました。会期は、2025年11月23日まで。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
マ・ヤンソン / MAD:チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ
伝統と技術を通じてシェルターを再構築する
第19回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展の「インテリジェンス。ナチュラル。アーティフィシャル。コレクティブ」というテーマのもと、MADのインスタレーション「チャイニーズ・ペーパー・アンブレラ」は中国館の屋外スペースに展示されています。
このインスタレーションは、伝統的な中国の油紙傘から着想を得ており、主な素材として宣紙(Xuan paper)を使用しています。この紙は、半透明で耐水性を持たせるために、桐油(tung oil)を何度も塗布しています。この構造は、この古代の技術に新たな形とスケールを与え、日差しを遮り雨をしのぐ屋外空間へと変貌させています。
ヴェネツィアの海洋性気候は、昼と夜の間に穏やかな気温の変化をもたらし、天候は予測が難しく、強い日差し、突然の雨、時には強風が交互に現れます。アルセナーレ展示ルートの終点近くに位置する中国館の屋外庭園は、自然に足を止めたくなる場所となっています。来場者は、展示を進む中で、静かに思索したり、休息したり、あるいはただ呼吸するためのひとときへと誘われます。傘の下に足を踏み入れると、まるで親密な野外劇場に入ったかのような感覚になり、来場者は移ろう光や繊細な空気の変化に包み込まれます。来場者は、移ろう光と影の模様を体験するとともに、内側と外側の間にある微妙な温度差も感じ取ります。
チャイニーズ・ペーパー・アンブレラは、周囲の環境に応答するように設計されています。半透明の表面と通気性のある継ぎ目が、周囲の空気や光とのつながりを保ちます。暑く乾燥した日には、構造の上部に組み込まれたミストシステムが作動し、傘の下の空気を冷やして来場者の快適さを高めます。伝統的な桐油の技術と現代のセンシング技術が組み合わされ、温度、湿度、光に適応します。