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2023.12.04Mon
2023.12.03Sun
2023.12.05Tue
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる
photo©瀬尾憲司

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東京店舗図面あり港区建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・造作家具)瀬尾憲司白水社小田切駿瀧本信幸川本航佑柴田達乃助髙橋まり
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司

小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツが設計した、東京・港区の服飾店「MIKAGE SHIN AOYAMA」です。
構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗です。建築家は、“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向しました。そして、機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

RC造の地下1階、地上2階の建築に、ファッションブランドの物販店舗+事務所を計画するインテリアの改修プロジェクトである。

建築家によるテキストより

「ECサイトでも衣服が買える現代で、あえて足を運びたくなるような店舗」が求められたことから、多くの商品を陳列して収益性を高めるという一般的な店舗設計の手法を取らず、身体・衣服・建築が一体となるようなインスタレーションとして計画した。

建築家によるテキストより

この空間には長さ約40m、直径25mmのステンレス鋼材の曲線が構造的に自立しながら立体的に駆け巡っており、それが高さや曲率を変えながら、あるところではハンガーラックに、あるところではショーウィンドウとしての機能も担い、人々の身体の運動を導いていく。

人の気配、空気の流れ、洋服の重みにこの曲線が反応し、物質の力強さと繊細さを空間いっぱいに表現することで、ブランドの世界観と調和するのではないかと考えた。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる photo©瀬尾憲司
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小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる地下1階平面図 image©小田切駿
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる2階平面図 image©小田切駿
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる断面図 image©小田切駿+髙橋まり
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる立体座標リスト image©小田切駿
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる制作風景 photo©小田切駿
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる制作風景 photo©小田切駿
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる現場写真 photo©川本航佑
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる模型写真 photo©小田切駿+川本航佑+柴田達乃助

video©川本航佑

以下、建築家によるテキストです。


概要
RC造の地下1階、地上2階の建築に、ファッションブランドの物販店舗+事務所を計画するインテリアの改修プロジェクトである。

「ECサイトでも衣服が買える現代で、あえて足を運びたくなるような店舗」が求められたことから、多くの商品を陳列して収益性を高めるという一般的な店舗設計の手法を取らず、身体・衣服・建築が一体となるようなインスタレーションとして計画した。

この空間には長さ約40m、直径25mmのステンレス鋼材の曲線が構造的に自立しながら立体的に駆け巡っており、それが高さや曲率を変えながら、あるところではハンガーラックに、あるところではショーウィンドウとしての機能も担い、人々の身体の運動を導いていく。

人の気配、空気の流れ、洋服の重みにこの曲線が反応し、物質の力強さと繊細さを空間いっぱいに表現することで、ブランドの世界観と調和するのではないかと考えた。

設計プロセス

洋服の数量、レジカウンターやアクセサリー什器などの家具の位置を考慮しながら、来店者の動線や滞在スペースを誘導するように、鋼材を飛ばすルートと建築本体に固定する部分を検討した。結果的には固定点は床に4点、天井に1点となり、全体として約40mの長さとなった。そこから固定点間をつなぐはね出し部分の自重および洋服荷重による応力や変形の程度を検証しながら、部材断面および形状が決定されていった。

この鋼材は見た目上は直径25mmのシームレスなSUSの丸鋼であるが、実際は固定点に近く応力が比較的大きい部分には無垢材を使用しながら、はね出している部分はパイプに切り替え、溶接によって繋いでいる。さらにパイプの部分は場所に応じて、肉厚を3.0mm、2.0mm、1.5mmと切り替えることで、はね出していくにしたがって徐々に軽くしていき、自重による転倒・たわみを最小限にしていく計画となっている。またジョイント部分には研磨処理を施し、シームレスなSUSの表情をつくりだした。

施工プロセス

この曲線を設計するにあたり、通常の平面図や断面図ではなく、内部空間内の立体座標リストによって形状を定義した。そして座標間をつなぐ曲線のニュアンスは、鋼材そのものの物性や、曲げ加工時の職人の身体性に委ねる計画とした。結果として、自由曲線を幾何学的に定義しやすい円弧に置き換えて製作していくという従来のプロセスでは実現し難いような、立体的なフリーハンドのような曲線となった。

曲線の製作に入る前に、立体座標リストを用いて現場に原寸模型を作成した。手で曲げられるやわらかい材で作ることで、建主・設計・施工の三者で空間を体感し、現場で調整を加えた。その後原寸模型を製作所に運搬し、それをガイドにしながら鋼材が曲げられた。

この建築の構造体の背景には、様々な関係者の身体感覚による調整がある。また、完成後もゆれやたわみを許容するような形で存在することで、なにか時間の流れを内包するような、やわらかい建築の在り方を実現できるのではないかと考えた。

動的な建築の可能性

私たちが建築を構想し、設計し、施工し、そして人々がそこに訪れ自分自身の身体によって空間を経験するに至るまで、本来建築することにはすべての段階において“運動”が伴う。

鉛筆によって描かれるフリーハンドの線のブレ、模型材料の物性による偶発的な表情、現場での身体的な発見や職人の手の動きなど、あらゆる運動による偶発性によって物事の可能性は広がっていく。

それはCADや3Dモデリングによって厳密に定義された形状を現場に再現するような、理性的・静的な構築とは異なる方向の可能性であり、即興的、偶発的、あるいは時間の流れや変化を許容するような、自由で広がりのある動的な世界の構築へとつながっていくのではないだろうか。

■建築概要
題名:MIKAGE SHIN AOYAMA
所在地:東京都港区北青山3-7-11
主用途:物販店舗+事務所
設計(内装):小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツ
構造設計(内装):瀧本信幸
設計協力:川本航佑、柴田達乃助
施工:株式会社白水社
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階、地下2階
建築面積:46.66㎡
延床面積:134.52㎡
設計期間:2023年6月5日~2023年8月24日
施工期間:2023年8月25日~2023年9月11日
竣工:2023年9月11日
建築写真:瀬尾憲司
現場写真・模型写真:小田切駿+川本航佑+柴田達乃助
図面:小田切駿+髙橋まり

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床1階上部 床

モルタルの上防塵塗装

内装・床1階下部、地下1階 床

リノリウム(Forbo)

内装・壁1階 壁

コンクリート打放し
カーテン(パシフィックハウステキスタイル)

内装・壁地下1階 壁

石膏ボードt9.5+12.5の上、EP-G塗装

内装・造作家具曲線バー

SUS丸鋼研磨処理仕上げ

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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2023.12.04 Mon 13:01
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    “自然の感覚”を携えた建築を目指している「椎名英三・祐子建築設計」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    皆さんこんにちは、建築家の椎名英三と椎名祐子です。

    私達の事務所は、住宅や南国のヴィラそのほかの建築の設計をしています。
    初めに、私達が感銘したイーロ・サーリネン(1910~1961アメリカの建築家)の崇高なる言葉をご紹介したいと思います。

    「建築は、人間の生活や行動を可能にする実用的な覆いであると考えられていますが、私は実用を超えてもっと本質的な役割、ほとんど宗教的とでも言えるような意味合いがあると思っています。人がこの世で生きている時間は限られたものであり、何のために生きているのかという目的も定かではありません。そういう中にあって、宗教は初源的な目的を示しています。また、人間を取り巻く美しい環境の不変の姿は、連続した時間の中にいる自分を認識させ、生きる確信を与えてくれます。美しい環境としての建築には、人々に生きる確信を与えるという役割があり、これは、機能や実用を超えた大切な使命だと思われます。建築の目指す目的は何かという問いに対しては、建築は人間の生活を保護するシェルターであるばかりでなくこの世に生きているということの犯し難い尊厳に応えるものでなければならないとお答えしたいのです。」

    そして私達も又、その様な建築を創りたいと思っています。
    建築は又、人々の役に立つものでありますが、この「役に立つ」ということは、真に素晴らしいことだと思います。
    そして建築は、地震や火災に耐える力を持ちつつも単なる工作物ではなく、詩的構築体と呼べばいいのでしょうか、美を目指して建設されねばなりません。

    建築は、奥行きと拡がり、潤いや響きを携えつつ、心ときめくワクワクするような空間でありたいし、人々の生を肯定し、そして祝福し、人の心の奥底に強く働きかけて、大いなる宇宙自然に連続できる力を持ちたいし、そして何よりも「自然の感覚」を携えていたいと思います。

    私達は、そんな建築を一緒に創って下さる設計スタッフを募集しています。

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    architecture|feature
    建材(内装・床)吉村EOSplus温室日本デザインセンターGn設備計画平岩構造計画建材(外装・建具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)色部義昭図面あり岡安泉御手洗龍中村絵事務所埼玉複合ビル店舗集合住宅
    御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる外観、道路より見る。 photo©中村絵
    御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる外観、隣地より見る。 photo©中村絵
    御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる5階、オーナー住戸A部分、リビングからテラスを見る。 photo©中村絵
    御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる5階、オーナー住戸A部分、テラス photo©中村絵

    御手洗龍建築設計事務所が設計した、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」です。
    “無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地に計画されました。建築家は、環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向しました。そして、雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねて造られました。

    奥に細長い短冊状の敷地が街道に沿って並ぶかつての商家の町割りを崩しながら、無機質な高層化が進んでいく街の中に、間口9.1m、奥行き38.4mの細長い土地が残されていました。この特徴的な土地形状が持つ可能性を具に読み込み、大きく外に開きながら近隣や自然環境との動的な関係を築き続ける、新たな積層建築の在り方を試みます。

    建築家によるテキストより

    要望を積み上げると5層で収まるところを敢えて7層へ引き上げたこの建物は、ヴォリューム換算すると半分近くが半屋外空間となっており、さらに縦に住むことを後押しするためメゾネット形式を基本としています。1、2階が店舗と事務所、3、4階が一人暮らしのための賃貸住宅、5、6階が離れを持つ大きなオーナー住戸、7階が庭と一体となったオーナーのご両親の住戸で構成され、異なる用途やスケールが複合する、街がそのまま立ち上がったような建築となっています。

    建築家によるテキストより

    ここで私たちはそれらの異なる用途やスケール、状況、環境に対し、“それぞれがそれぞれのままに在る”ことで、生き生きとした状態をつくり出すことができるのではないかと考えました。

    各々の空間やエレメント、そしてディテールの部分部分に至るまで、お互いが尊重し合いながら自然体として存在している。それは何か一つのルールで作られる抽象化された建築ではなく、ましてや強い全体性から作られる建築でもない。ここに立ち上がる建築は、きっかけに満ちた秩序と強度に支えられつつ、その場その場の状況や環境に反応しながら空間やモノが紡ぎ出されていく。そんな“筋書のない建築”が自由を獲得し、新しい時代の豊かさに繋がるのではないかと考えました。

    建築家によるテキストより
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    建材(内装・床)吉村EOSplus温室日本デザインセンターGn設備計画平岩構造計画建材(外装・建具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)色部義昭図面あり岡安泉御手洗龍中村絵事務所埼玉複合ビル店舗集合住宅
    2023.12.04 Mon 07:32
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    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/27-12/3]

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    最も注目を集めたトピックス
    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/27-12/3]

    アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/11/27-12/3)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


    1. 小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図
    2. 安藤忠雄による、オーストラリア・メルボルンの「MPavilion 10」。建築家が招聘されパヴィリオンを造る企画の10番目の作品。人々の記憶に永遠に残る存在を求め、古代からの秩序をもたらす手段“原初の幾何学形態”を用いた建築を考案。人間の想像の原点となる“余白”を生み出す
    3. ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画
    4. 岡山泰士+森田修平+仲本兼一郎 / STUDIO MONAKAによる、沖縄・国頭村の「謝敷集落の宿」。地域の再生を目的とした宿泊施設。“美しい集落の継承”も目指し、現地のリソースを活かした工法で造る建築を志向。職人が手慣れた2×4工法とブロック造を組合せて開放感と重厚感を両立する豊かな場を生み出す
    5. 青木淳の東京藝術大学退任記念展「雲と息つぎ」。同大学敷地内の“陳列館”を舞台に開催。“建築とは何か?”という自問自答を促される展覧会。青木と助手の笹田侑志が学生達と議論した構想を様々な協力も得てDIYで完成させる
    6. 日建設計の大谷弘明による講演「組織で設計する」の記録。東西アスファルト事業協同組合の主催で2022年11月に行われたもの
    7. 早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す
    8. 橋本吉史とカンミレによる、千葉・松戸市の「OH邸」。親世帯と子世帯の計5人が暮らす住まい。人数分の個室がある住宅の要望に、採光を考慮した“L字型”平面の隅に個室を配置して中間に共用部を設ける構成を考案。扉の開閉で“家族の距離感”を調整できる空間を作る
    9. 西久保毅人 / ニコ設計室による、福岡市の店舗兼住宅「道山さんの家」。広狭の二道に面する三角形の敷地。街と繋がりながら私生活も守る為に、親しみを与える大小の切妻屋根が複雑に連なる“内部の想像がされにくい”建築を考案。店舗や駐車場は非常時などに街に貢献する使い方も想定
    10. 萬代基介による、東京・港区の「WALL_alternative」。古いビルの一室を改修した“オルタナティブスペース”。積み重なった塗装の剥離から計画を始め、壁や柱の研磨等で“自然が持つ不均質さ”をまとった空間を創出。既存の段差を削り出して岩の様な質感の“崖”も作る
    11. 清正崇建築設計スタジオと若井和典による、北海道・余市郡の住宅「Niki-K」。施主が営む葡萄畑とワイナリーに隣接する敷地。周囲との関係性の構築と内部からの眺望を考慮し、コールテン鋼を用いた外観と畑を俯瞰するリビングを備えた建築を考案。自然と建築が“お互い高め合う”風景を作る
    12. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
    13. OMA / クリス・ヴァン・ドゥインによる、韓国の「弘益大学校ソウルキャンパス」。若者が集まるエリア“弘大”に隣接する敷地。地域の活気を取込む建築を目指し、周辺と繋がる小道を敷地全体に配置して諸機能を地下に収める構成を考案。光を取込む“滝の様な”中庭で内外のシークエンスも作り出す
    14. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる講演「環境と建築」の記録。東西アスファルト事業協同組合の主催で2023年2月に行われたもの
    15. 内藤廣の講演会の動画。自身の建築展「建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」の開催に合わせて2023年9月に行われたもの
    16. 畝森泰行による、プリズミックギャラリーでの建築展「ゆっくり庭をつくるように」。進行中の中学校のプロジェクトをメインに据えた展示。建築の“不確かで曖昧な”側面に着目し、それを“庭”と呼んで展覧会のテーマにも設定。他作品のドローイングや模型も並置して“関係性や時間の流れ”も見せる
    17. 小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる
    18. 永冶祐太 / 永冶建築研究所による、岐阜・多治見市の「間の家」。様々な用途の建物が並ぶ地域の扇形敷地に計画。街と程よく繋がる住宅を目指し、周辺環境との“間”を考慮する設計を志向。建物の量塊と木壁が作り出す“間”の空間から光や景色を室内に取り込む
    19. トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す
    20. 遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る

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    2023.12.04 Mon 07:27
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    哲学者で生態学者の“ティモシー・モートン”が登壇する、金沢21世紀美術館主催のシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」が開催。ポストコロナ時代の自然認識の中での“アートの応答”を主題として実施。人類学者の山極壽一、アーティストのAKI INOMATA、哲学者の篠原雅武、同館館長の長谷川祐子と同館レジストラーの本橋仁も参加

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    日程
    2023年12月17日(日)
    art|culture|exhibition|promotion
    哲学者で生態学者の“ティモシー・モートン”が登壇する、金沢21世紀美術館主催のシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」が開催。ポストコロナ時代の自然認識の中での“アートの応答”を主題として実施。人類学者の山極壽一、アーティストのAKI INOMATA、哲学者の篠原雅武、同館館長の長谷川祐子と同館レジストラーの本橋仁も参加
    金沢21世紀美術館が主催するシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」の公式サイトはこちら
    www.kanazawa21.jp

    哲学者で生態学者の“ティモシー・モートン”が登壇する、金沢21世紀美術館主催のシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」が開催されます。
    ポストコロナ時代の自然認識の中での“アートの応答”を主題として実施されます。シンポジウムには、ティモシー・モートンに加えて、人類学者の山極壽一、アーティストのAKI INOMATA、哲学者の篠原雅武、同館館長の長谷川祐子と同館レジストラーの本橋仁も参加します。
    開催日時は2023年12月17日(日)13:30~16:45(13:00 開場)。会場は、金沢市文化ホール 大会議室です。同時通訳あり。参加にはこちらからの事前申込が必要です。【ap・ad】

    ポストコロナ時代の新たなエコロジーの思想とは?それにアートはどう応答していくのか。新たなエコロジー思想の提唱者として知られるティモシー・モートン氏を招き考えます。

    世界的に知られる哲学者 ティモシー・モートン氏は『自然なきエコロジー ──来たるべき環境哲学に向けて』のなかで、自然と人間との二元論に陥りがちなエコロジー思想から、自然を取り除き、ほかの様々なものと同列に人間も取り巻かれる新しいエコロジーの思想を説きました。

    奇しくも、新型コロナウイルスによるパンデミックや、環境変動による災害は、人間もまた自然の一部であることを痛感させられました。この変化した社会にとっての自然の認識のなかで、アートはどう応答していくのでしょうか。こうした問いに対して、人類学者の山極壽一氏、アーティストのAKI INOMATA氏、哲学者の篠原雅武氏を迎えシンポジウムを開催します。

    西田幾多郎や鈴木大拙といった優れた哲学者を生んだ金沢の地で、禅の思想もポストコロナ時代の新しいエコロジー理論として捉え直し、現代アートの創造につなげていきます。

    リリーステキストより

    以下に、詳しい情報を掲載します。

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    2023.12.04 Mon 07:08
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    2023.12.03Sun
    • 【ap job更新】 SALHAUSが、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
    • 2023年11月にアーキテクチャーフォトで注目を集めた記事トップ40
    2023.12.05Tue
    • トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる
    • 原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る

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