竹中和哉 / 空-KEN design officeが設計した、大阪市の多目的スペース「ソソラソウ」です。
企業ビルの最上階の一角にある交流と発信の場です。建築家は、与件の屋外からのアクセスを活かし、内外も繋げる高低差のある床面で空間を“緩やかに”間仕切る構成を考案しました。また、“大小様々な曲線”を導入して様々な感覚の居場所も作る事が意図されました。
屋外空間には菜園スペースを新たに作り、屋内空間は生活に関する提案を目的としたセミナー、展示、撮影等多岐に渡り行われ、内外含めて文化交流・発信の場所となっていく。周辺は駅も近く、タワーマンションが立ち並ぶ立地だが、初めて訪れた日は天気も良く、心地よい風が抜けていた。最上階の南側は建物ラインから2m程屋上緑化スペースがあり、既存屋内棟の窓からも緑化スペース床面(地面)を感じられる豊かなロケーションであった。
屋内空間を考えるにあたり、訪れた日に感じた内と外との緩やかな関係性や見え方も大事に取り込み進めていった。壁を作り仕切るのではなく、床面の積層によって高低を作りながら、曲線も使う事で視線の向きが変化し緩やかな空間の住み分けを考えた。
また大小様々な曲線を取り入れた事により、力強さやおおらかさなど過ごす位置によって感じ方が変化する事も狙いとしており、様々な行為・行動や時間軸においても一番最適な居場所を人々が探し出す事に期待している。
内外の境界もより曖昧にするため仕上げを統一し、東から南に続く開口部に関しても、可能な範囲でシンプルなリズムを取り入れ外への繋がりを求めた。季節の良い時には、開け放しながらのびやかに使う事が想定されている。色使いをはじめ、仕上げにおいてもシームレスを目指した内部空間は「ソソラソウ」と名付けられ、訪れる人の感度が上がる空間となり、文化交流・発信がより良いものとなるようにと願う。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
大阪上本町にある錢屋本舗南館のビル最上階に「錢屋ベース」を構築するプロジェクトである。
最上階は建築時からエレベーター棟、屋内棟への通路、屋内棟、屋上緑化スペースから構成されていて、建築時に建てられた84㎡の屋内棟は内装仕上げがされずスケルトンのままであった。
錢屋ベースプロジェクトでは、屋外空間には菜園スペースを新たに作り、屋内空間は生活に関する提案を目的としたセミナー、展示、撮影等多岐に渡り行われ、内外含めて文化交流・発信の場所となっていく。周辺は駅も近く、タワーマンションが立ち並ぶ立地だが、初めて訪れた日は天気も良く、心地よい風が抜けていた。最上階の南側は建物ラインから2m程屋上緑化スペースがあり、既存屋内棟の窓からも緑化スペース床面(地面)を感じられる豊かなロケーションであった。
屋内空間を考えるにあたり、訪れた日に感じた内と外との緩やかな関係性や見え方も大事に取り込み進めていった。壁を作り仕切るのではなく、床面の積層によって高低を作りながら、曲線も使う事で視線の向きが変化し緩やかな空間の住み分けを考えた。
また大小様々な曲線を取り入れた事により、力強さやおおらかさなど過ごす位置によって感じ方が変化する事も狙いとしており、様々な行為・行動や時間軸においても一番最適な居場所を人々が探し出す事に期待している。
内外の境界もより曖昧にするため仕上げを統一し、東から南に続く開口部に関しても、可能な範囲でシンプルなリズムを取り入れ外への繋がりを求めた。季節の良い時には、開け放しながらのびやかに使う事が想定されている。色使いをはじめ、仕上げにおいてもシームレスを目指した内部空間は「ソソラソウ」と名付けられ、訪れる人の感度が上がる空間となり、文化交流・発信がより良いものとなるようにと願う。
※株式会社錢屋本舗は、菓子製造業をはじめ創業110周年(2020年)を迎えられた。現在は、様々な価値を生み出す事業を展開されていて、セミナー、ワークショップなど、文化交流・発信にも力を入れられる。
■建築概要
題名:ソソラソウ(錢屋本舗南館7階)
所在地:大阪府大阪市
主用途:多目的スペース
設計:空-KEN design office 担当/竹中和哉
施工:株式会社大和建設
インテリア計画:Knot design and decoration 山口仁香
キッチン計画:株式会社STUDIO KAZ 和田浩一
構造:S造(今回は内装工事)
階数:地上7階
内装工事面積:84㎡
竣工:2023年2月
写真:笹の倉舎 笹倉洋平