SHARE 哲学者で生態学者の“ティモシー・モートン”が登壇する、金沢21世紀美術館主催のシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」が開催。ポストコロナ時代の自然認識の中での“アートの応答”を主題として実施。人類学者の山極壽一、アーティストのAKI INOMATA、哲学者の篠原雅武、同館館長の長谷川祐子と同館レジストラーの本橋仁も参加
- 日程
- 2023年12月17日(日)
哲学者で生態学者の“ティモシー・モートン”が登壇する、金沢21世紀美術館主催のシンポジウム「新たなエコロジーと芸術上の実践」が開催されます。
ポストコロナ時代の自然認識の中での“アートの応答”を主題として実施されます。シンポジウムには、ティモシー・モートンに加えて、人類学者の山極壽一、アーティストのAKI INOMATA、哲学者の篠原雅武、同館館長の長谷川祐子と同館レジストラーの本橋仁も参加します。
開催日時は2023年12月17日(日)13:30~16:45(13:00 開場)。会場は、金沢市文化ホール 大会議室です。同時通訳あり。参加にはこちらからの事前申込が必要です。【ap・ad】
ポストコロナ時代の新たなエコロジーの思想とは?それにアートはどう応答していくのか。新たなエコロジー思想の提唱者として知られるティモシー・モートン氏を招き考えます。
世界的に知られる哲学者 ティモシー・モートン氏は『自然なきエコロジー ──来たるべき環境哲学に向けて』のなかで、自然と人間との二元論に陥りがちなエコロジー思想から、自然を取り除き、ほかの様々なものと同列に人間も取り巻かれる新しいエコロジーの思想を説きました。
奇しくも、新型コロナウイルスによるパンデミックや、環境変動による災害は、人間もまた自然の一部であることを痛感させられました。この変化した社会にとっての自然の認識のなかで、アートはどう応答していくのでしょうか。こうした問いに対して、人類学者の山極壽一氏、アーティストのAKI INOMATA氏、哲学者の篠原雅武氏を迎えシンポジウムを開催します。
西田幾多郎や鈴木大拙といった優れた哲学者を生んだ金沢の地で、禅の思想もポストコロナ時代の新しいエコロジー理論として捉え直し、現代アートの創造につなげていきます。
以下に、詳しい情報を掲載します。
登壇者
キーノート・レクチャー:ティモシー・モートン
ディスカッション:ティモシー・モートン、山極壽一、AKI INOMATA、篠原雅武
モデレーター:長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長)
司会:本橋仁(金沢21世紀美術館レジストラー)プログラム
13:30-13:40 挨拶:長谷川祐子(10分)
13:40-14:40 キーノート:ティモシー・モートン
14:40-15:00 休憩(20分)
15:00-15:45 ショートレクチャ(45分 / 各15分) 山極壽一、AKI INOMATA、篠原雅武
15:45-16:25 ディスカッション[モデレーター=長谷川祐子](40分)
16:25-16:45 質疑応答[モデレーター=長谷川祐子](20分)
日時:2023年12月17日(日)13:30~16:45(13:00 開場)
会場:金沢市文化ホール 大会議室
料金:一般販売 1,000円 / 25歳以下 無料
※25歳以下の方は入場時身分証提示
チケットはPeatixにて販売中(https://kanazawa21-sympo2312.peatix.com/)
※同時通訳あり
お問い合わせ:金沢21世紀美術館 学芸課 TEL 076-220-2801(火~日、祝日10:00~18:00)
登壇者プロフィール
ティモシー・モートン
哲学者、生態学者。ライス大学教授でクール・アメリカン・ファウンデーションのディレクター。20冊を超える本を出版し、18カ国の言語に翻訳される。また300以上のエッセーを残している。2014年には、カルフォルニア大学のアーバイン校でウェレックの文学理論に関する講義を行った。イギリス文学研究が専門で、関心領域はアートや建築、エコロジー、生命科学と多岐にわたり、ローリー・アンダーソン、ビョーク、ジェニファー・ウォルシュ、スーザン・クセラ、フラフンヒルドゥル・アルナドッティル、アダム・マッケイ、ジェフ・ブリッジス、オラファー・エリアソン、ファレル・ウィリアムスらとコラボレーションしている。主な著書に『自然なきエコロジー』(以文社、2018年)、『ヒューマンカインド』(岩波書店、2017)など。
山極壽一
人類学、霊長類学者。総合地球環境研究所所長、理学博士。京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士課程退学。鹿児島県屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。著書に『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』(家の光協会、2020年)、『共感革命―社交する人類の進化と未来』(河出新書、2023年)など。
AKI INOMATA
アーティスト。東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。人間以外の生きものや自然との関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。作品にアンモナイトとタコを長大な進化の時を超えて出会わせる「進化への考察」、ヤドカリが世界各地の都市をかたどった透明な「やど」へと引っ越しを続ける「やどかりに『やど』をわたしてみる」など。
篠原雅武
哲学者。京都大学総合生存学館特定准教授、京都大学総合人間学部卒業、同大学院人間・環境学研究科博士課程修了。哲学や環境思想の研究を中心に、現代美術や建築と接点をもちつつ、人間が存在することの条件に関して考察を行ない、文章を書いている。ティモシー・モートンと交流をもち、翻訳を手がける。単著書に『複数性のエコロジー』(以文社、2016年)、『「人間以後」の哲学』(講談社、2020年)など。