architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 書籍
  • 展覧会
  • コンペ
  • 動画
  • テレビ
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2024.7.02Tue
2024.7.01Mon
2024.7.03Wed
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる
photo©三嶋一路

SHARE 小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる

architecture|feature
東京店舗小野寺匠吾図面あり三嶋一路港区建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(外装・壁)建材(外装・その他)白水社Artifact
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる外観、南の道路側より見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から2階への階段を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から東の試着室側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる外観、外壁の詳細 photo©三嶋一路

小野寺匠吾建築設計事務所が設計した、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」です。
これからの商業店舗開発も主題とした計画です。建築家は、環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向しました。そして、解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

東京の南青山にあるセレクトショップ「IZA」の移転プロジェクトである。
「IZA」は骨董通り沿いの路面店で約10年の間多くの人々に愛され利用されてきたセレクトショップである。

建築家によるテキストより

既存店ビルの解体に伴い振り返ってみると、この10年の間に取り扱うブランドのデザイナーや消費者の意識、社会の潮流などにたくさんの変化があったはずである。ファッション業界だけでなく商業界全体が環境負荷などの課題を認識する時代になったにも関わらず、未だに新店舗を構える際には大量の廃棄と新素材を使用して煌びやかな世界観を作り込むことに躍起になっているのが現状だ。

建築家によるテキストより

新店舗のための移転先物件は前アパレルショップの店舗を居抜きで契約していたこともあり、これをIZAの新しい姿勢を示す場所とするにはいい機会だと考えた。そこで私たちは「解体をデザインする」というコンセプトを打ち出した。

この提案は、これからの時代の商業店舗開発をどう考えていくか、という大きな課題を背景として抱えている。じっくり解体にこだわることで商業界に対する新しいアプローチを切り開き、デザインという概念を実践的にUnmakeすることに挑戦したプロジェクトである。

建築家によるテキストより

竣工写真(商品のない状態)

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる外観、南の道路側より見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる外観、バーの出入口を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる外観、外壁の詳細 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から試着室側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から試着室側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場、陳列棚 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から2階への階段を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階から2階への階段、手摺の詳細 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から階段を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から階段側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から奥側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から東の試着室側を見る。 photo©三嶋一路

竣工写真(商品が配置された状態)

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、入口から売場を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、入口から売場を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から試着室側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から試着室側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる1階、売場から2階への階段を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2階、売場から窓側を見る。 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる平面図 image©小野寺匠吾建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


東京の南青山にあるセレクトショップ「IZA」の移転プロジェクトである。
「IZA」は骨董通り沿いの路面店で約10年の間多くの人々に愛され利用されてきたセレクトショップである。

既存店ビルの解体に伴い振り返ってみると、この10年の間に取り扱うブランドのデザイナーや消費者の意識、社会の潮流などにたくさんの変化があったはずである。ファッション業界だけでなく商業界全体が環境負荷などの課題を認識する時代になったにも関わらず、未だに新店舗を構える際には大量の廃棄と新素材を使用して煌びやかな世界観を作り込むことに躍起になっているのが現状だ。

新店舗のための移転先物件は前アパレルショップの店舗を居抜きで契約していたこともあり、これをIZAの新しい姿勢を示す場所とするにはいい機会だと考えた。そこで私たちは「解体をデザインする」というコンセプトを打ち出した。

この提案は、これからの時代の商業店舗開発をどう考えていくか、という大きな課題を背景として抱えている。じっくり解体にこだわることで商業界に対する新しいアプローチを切り開き、デザインという概念を実践的にUnmakeすることに挑戦したプロジェクトである。

Unmakingという設計手法

「解体をデザインする」というコンセプトを考案し、その設計手法を「Unmaking(アンメイキング)」と名付けた。作ることを意味するmake[meik]に否定の接頭辞un[ən]が組み合わさることで、「作ることを否定しながら作り上げること」を意味する造語である。

現代に生きる僕たち建築家は様々な側面で、作ることと作るべきでないことについてじっくりと考え向き合う必要がある。その先で、見たことのない世界を見せることができているかどうか、そのレベルまでちゃんとリーチできているかどうかが問われていると感じている。

「Unmaking」することは解体廃棄が出ないことだったり、解体しないことだったり、解体しながら考えることであったり、解体したら完成している状態も含む行為だと考えている。解体のプロセスが同時に完成につながっていて、それが同時に現状の課題の改善に向かうという状態そのもの(回復)をデザインしている。

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる image©小野寺匠吾建築設計事務所

「Unmaking」においては壁面や天井に使われていた既存のマテリアルは計画的に下地として再利用、または解体・回収、アトリエに持ち込み再加工をする。再加工の方法は、回収したマテリアルに多彩なメッシュ下地を貼り付け、石膏や樹脂を上塗りした「ギプス」状のプレキャストパネルとして再生する。そしてこれを新店舗の仕上げ(治具)として再利用(治療)するというもの。

ギプスの下地となるメッシュや既存仕上げの表情が見え隠れして、この店舗は単なる白い箱のように単純なものではなく、深く多彩な白い箱と言える。また解体の際に出た端材などはアートピースとして再構築し、この行為についての示唆を与える装置として機能する。

3つの手段

このプロジェクトでは3つの手段によりUnmakingを試みた。
1. 覆う [oh-u] cover / wrap
2. 変質させる [henshitsu] alter its quality
3. 転用する [ten-yo] repurpose

1. 覆う[oh-u] cover / wrap

解体・廃棄予定であったマテリアルを薄い白層で覆い、空間に新しい表情を与える。既存マテリアルの表面起伏がこの薄い白層に響き、白層自体のテクスチャと混ざり合うことで複雑で多様な表面が至るところに現れる。既存マテリアルを解体せずに下地とすることで可能となる豊かな工芸的表現である。空間の中では既存下地の上に様々な材料を組み合わせて、いくつかの「白」が場所に応じて施されている。

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる大理石を「覆う」。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げるガラスブロックを「覆う」。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる柱・壁・既存の鏡・新設の鏡など、素材と新旧を越境して「覆う」ことで空間が調和する。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる部分的な表情が作り出す多様で独特な質感。解像度の高いディテールの蓄積により全体の空間の質が作られる。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる法規、消防、施工等の条件を考慮しながら場所ごとに異なる仕上げを適用していく。 image©小野寺匠吾建築設計事務所

2. 変質させる [henshitsu] alter its quality

真鍮等のメタル系マテリアルを回収し、アトリエに運び込む。メッキを剥がす、あるいは硫黄や酸をかけて洗うことで大きく表面の色味や印象を変質させる。白で覆われる空間の中で、深緑~黒色となった鉄製のマテリアルが対比的なアクセントを生み出す。

一方、化学変化しないクロームメッキのステンレス手すりはハンマーで叩く。伝統工芸の技術を生かし、槌目加工を丁寧に施すことで、重厚な手すりはさらなる存在感をもって吹き抜け空間をゆらめきのある輝きで照らす。既存マテリアルそれぞれの物性を考慮したアプローチによって人の手を加えることが、新たな表現の探求につながる。

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる材料の物性を生かしてスタディを重ねる。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げるアーティストのアトリエにて。メッキを「変質」させる。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げるアーティストのアトリエにて。真鍮のメッキを剥がした自動ドア。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げるガラス、真鍮など異なる素材にそれぞれ丁寧に向き合い、適切な処理を施す。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる普段から近現代彫刻の保存修復に携わるアーティストが素材を見極め、ハンマーで鉄を打つ。 image©小野寺匠吾建築設計事務所

3. 転用する [ten-yo] repurpose
撤去されたマテリアルや既存什器から、新たな価値・機能を創出する。「覆う」「変質」させるといった手段を用いて店内装飾用のアートピースや什器として再構成する。

現場に初めて入った際に見た光景は、既存バーカウンター上部に朽ちた状態で残されていた既存店舗の吊り照明であった。この象徴的な姿を商業の極限状態を示すサインと見立て、これを別の照明器具として転用した。世界の「状態」を表現するシンボルとして再生し、店舗の要となる吹抜け空間に移設・再配置した。

以下の写真はクリックで拡大します

小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる朽ちた状態の既存照明器具を回収し、アトリエにて変質・再構築した。あえて元の朽ちた状態のまま再設置することで「意味」を付加する。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる2Fの既存ヘリンボーンフローリングを計画的に解体回収し、ベンチとして「転用」。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる備品のハンガーラックを改造し、オペレーションしやすい可動式のラックとして再生。スケボーと呼ばれている。 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・港区の店舗「IZA Tokyo」。これからの商業店舗開発も主題とした計画。環境負荷等への応答も意識し、“解体をデザインする”を掲げる設計手法での創造を志向。解体自体が完成に繋がる“覆う・変質させる・転用する”の手段で空間を作り上げる設計中に試行錯誤して製作したモックアップや作業台、既存フローリングなどを組み合わせたアートピース。Unmakingの象徴としてギャラリースペースに展示している。 image©小野寺匠吾建築設計事務所

■建築概要

題名:IZA Tokyo(イザ・トーキョー)

所在地:東京都港区南青山5-8-3

主用途:店舗
施主:グルッポタナカ
設計:小野寺匠吾建築設計事務所
 担当/小野寺匠吾、河野祐輝、佐藤大地
施工:白水社
美術施工:Artifact
区画面積:291.53㎡(1階 138.95㎡ / 2階 152,58㎡)
設計期間:2023年2月~2023年4月
工事期間:2023年4月~2023年6月
竣工:2023年6月
写真:三嶋一路

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁

既存+グラスファイバー下地ジェスモナイト仕上+AQSコート(ジェスモナイト)
既存+白塗装

外装・その他軒天

既存+グラスファイバー下地ジェスモナイト仕上AQSコート(ジェスモナイト)

内装・床店舗 床

既存+アクアカラー吹付 [ホワイト2回塗り](アシュフォードジャパン)

内装・床床

PB+AEP:ページエコホワイト(神東塗料)
既存+漆喰メッシュ盛り白塗装
既存+メッシュ抜き白塗装+クリア

内装・天井店舗 天井

PB+AEP:ページエコホワイト(神東塗料)
既存天井廃材回収の上、PPP [プレキャストプラスターパネル] ユニット グラスファイバー下地<a href="http://ジェスモナイト“>ジェスモナイト仕上 仮天井仕上
既存天井廃材回収の上、PPP [プレキャストプラスターパネル] ユニット [木製不燃ルーバー包帯巻き漆喰塗り] 仮天井仕上
既存+漆喰メッシュ盛り白塗装

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

あわせて読みたい

サムネイル:平山俊建築設計による住宅
平山俊建築設計による住宅”Les Aventuriers / 冒険者たち”
  • SHARE
東京店舗小野寺匠吾図面あり三嶋一路港区建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(外装・壁)建材(外装・その他)白水社Artifact
2024.07.02 Tue 06:28
0
permalink

#白水社の関連記事

  • 2025.2.12Wed
    小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、東京の店舗「Clarks SHIBUYA」。歩道橋に面した視認性で難易度の高い区画。往来する人々の目線を考慮し、窓際に“曲面の展示壁”と“フルハイトミラー”を対面で設える構成を考案。円弧を描く1枚壁は多様な商品群を“ひとつの世界観”として表現
  • 2024.8.09Fri
    小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「ORCIVAL」。フランス発祥ブランドの日本旗艦店。製品特長の“心地良い世界観”に来訪者の気持ちを誘う為、天然木の風合いもある“波が打った様な形状”の天井を備えた空間を考案。30mm幅の木板を用いて職人の手仕事で作る
  • 2023.12.04Mon
    小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる
  • 2023.9.12Tue
    岡田宰 / 2id Architectによる、埼玉の「Switch Lounge」。賃貸集合住宅の在宅勤務者の為の場。“気持ちの切替”が出来る空間を目指し、集中・気分転換・休憩の観点で区分しつつ滑らかに繋げる構成を考案。素材や仕様で多様な選択肢も創出して“利用者毎の気持ち”に寄添う
  • 2023.6.22Thu
    トラフ建築設計事務所による、神奈川の、駅の待合室「新横浜駅 Shin-Yoko Gateway Spot」。新設駅の“待合”と“情報交流拠点”の機能を担う場。部屋自体の象徴性も意図し、鉄道に関わる“建材”と“塗分け”で“未来のまち”を抽象的に表現する空間を考案。什器類は現代の要望に応える機能性も備える
  • 2023.3.09Thu
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・渋谷区の「PATOU 表参道ヒルズ店」。旗艦店の計画。多様な人々を迎える暖かい場との要望に、視線が抜ける“開放感のある入口”と優しい光を放つ“幾何学的なコーニス天井”を持つ空間を考案。商品の特徴の“ベーシックな操作”との共通性も意識
  • view all
view all

#小野寺匠吾の関連記事

  • 2023.3.09Thu
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・渋谷区の「PATOU 表参道ヒルズ店」。旗艦店の計画。多様な人々を迎える暖かい場との要望に、視線が抜ける“開放感のある入口”と優しい光を放つ“幾何学的なコーニス天井”を持つ空間を考案。商品の特徴の“ベーシックな操作”との共通性も意識
  • 2022.4.18Mon
    大阪・関西万博の「いのちの輝きプロジェクト」に、建築分野からSANAA・隈研吾・小堀哲夫・noiz・小野寺匠吾・橋本尚樹・遠藤治郎が参加。各界のプロデューサーとコラボしパヴィリオンをデザイン
  • 2022.3.25Fri
    小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交
  • 2021.10.18Mon
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・江東区の、集合住宅の一住戸の改修「Y邸」。玄関とリビングをつなぐ11cm幅の“機能のない隙間”が、景色や気配を伝え、空間の質を大きく変える
  • 2021.4.28Wed
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・中央区の、タワーマンションの一住戸の部分改修「勝どきの2枚壁」。商品化された住戸をパーソナライズする試み
  • 2021.4.09Fri
    小野寺匠吾建築設計事務所による「本棚 [R]」
  • 2021.3.29Mon
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・世田谷区のパーソナルジム「THE REAL」
  • 2020.4.22Wed
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・江東区の飲食店「B squared」
  • 2019.12.20Fri
    小野寺匠吾建築設計事務所による、東京のタワーマンションの住戸改修「Tokyo Residence」と論考「リノベーションからパーソナライゼーションへ」
  • 2019.3.19Tue
    /
    SANAA出身の小野寺匠吾が、日本とヨーロッパのアワードでの審査される経験を通して感じたことを綴ったテキスト『Tokyo Apartment」を「時間軸」と読み替える』
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    60,709
    • Follow
    82,488
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    この日更新したその他の記事

    【ap job更新】 サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設の企画・製造・運営を手掛ける「株式会社アースボート」が、プロダクト企画と製造管理に関わるスタッフ(設計出身者歓迎)を募集中

    ap job 【ap job更新】 サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設の企画・製造・運営を手掛ける「株式会社アースボート」が、プロダクト企画と製造管理に関わるスタッフ(設計出身者歓迎)を募集中

    architecture|job|promotion
    建築求人情報
    【ap job更新】 サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設の企画・製造・運営を手掛ける「株式会社アースボート」が、プロダクト企画と製造管理に関わるスタッフ(設計出身者歓迎)を募集中
    【ap job更新】 サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設の企画・製造・運営を手掛ける「株式会社アースボート」が、プロダクト企画と製造管理に関わるスタッフ(設計出身者歓迎)を募集中Earthboat Ver.1
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設の企画・製造・運営を手掛ける「株式会社アースボート」の、プロダクト企画と製造管理に関わるスタッフ(設計出身者歓迎)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    株式会社アースボートは「自然に飛び込むきっかけを作る」をミッションに、サウナ付きトレーラーハウス型宿泊施設「Earthboat」を企画、製造、運営しています。

    【Vision】
    自然に飛び込むきっかけをつくる – Access to the Earth –
    自ら火を起こし、料理をしよう。
    サウナで体をあたためて、裸で外に飛び出そう。
    コーヒーを淹れて、星空を眺めよう。
    ゆっくり本を読みながら、風の音を聞こう。
    ペットや子供、大切な人と外で過ごそう。
    我々はEarthboatを通じて多くの人が、自然の中に飛び込むきっかけをつくっています。

    【Business】
    私たちは、トレーラーハウスの単なるメーカーではありません。
    全国で宿を開業したい、土地を活用したい、という方達にEarthboatを提供し、一緒に宿を作っていく仕組みを提供しています。
    まだまだ少人数でやっているスタートアップ企業は、大きなビジネスをつくるためにスタートしたばかりです。事業立ち上げのタイミングで参加したい!というモチベーションをお持ちの方の期待にもお応えできる環境があります。

    job.architecturephoto.net
    • ap job
    建築求人情報
    2024.07.02 Tue 17:14
    0
    permalink
    【ap job更新】 国際色豊かなメンバーで活動する「ホシノアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中

    ap job 【ap job更新】 国際色豊かなメンバーで活動する「ホシノアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中

    architecture|job|promotion
    建築求人情報
    【ap job更新】 国際色豊かなメンバーで活動する「ホシノアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
    【ap job更新】 国際色豊かなメンバーで活動する「ホシノアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中Hoshino Architects Office / photo©堀田貞雄
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    国際色豊かなメンバーで活動する「ホシノアーキテクツ」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    ホシノアーキテクツが、デザイナー、アシスタントデザイナーを募集中

    ホシノアーキテクツは、星野裕明が主宰する国際色豊かな建築家・デザイナー集団です。
    世界中で、その場所のもつ歴史、文化、風土を読み取り、新しい世代へと繋ぐ、街、建築、ランドスケープ、インテリア、アートを創造することを目指しています。

    【スタッフ緊急募集】
    デザインが好きな人
    コミュニケーションが得意な人
    柔軟な対応・発想ができる人
    積極的に発信できる人
    外国人含めた多様性のある環境に順応できる人

    job.architecturephoto.net
    • ap job
    建築求人情報
    2024.07.02 Tue 15:00
    0
    permalink
    美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供
    撮影:畠山直哉

    SHARE 美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供

    日程
    2024年6月25日(火)
    –
    9月23日(月)
    art|exhibition
    内藤礼
    美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットをプレゼント。“根源的な生の光景”を生み出す作家の展示。収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作。長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供展覧会チラシ、使用図版:重要文化財 足形付土製品(部分) 新潟県村上市 上山遺跡出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年 撮影:畠山直哉
    内藤礼の東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットプレゼントの抽選への応募はこちらから
    forms.gle

    美術家の内藤礼の、東京国立博物館での展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
    “根源的な生の光景”を生み出す作家の展示です。作家は、東京国立博物館の収蔵品や建築空間を読み解き、“あらたな空間作品”を制作しました。また、長年閉ざされていた“鎧戸”を開放して自然光の下での作品鑑賞の体験も提供されます。
    会期は、2024年9月23日まで。展覧会の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年7月29日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

    太陽が形づくる光と影、地が生成する水や石、大気が織りなす風や雨。美術家・内藤礼は、私たちの傍らにある自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることで、私たちが日々見過ごしがちな世界の片隅に宿る情景、知覚しがたい密やかな現象を見つめ、「根源的な生の光景」を出現させてきました。精緻に構想されるその作品の世界は、その場を訪れる人をそれぞれの沈潜にいざないます。

    本展は、150年の歴史を持つ東京国立博物館の収蔵品、その建築空間と内藤との出会いから始まりました。1万数千年という時を超え、内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころを見出しました。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたといいます。生の求めに迫られてつくりだされた一つ一つの土製品は、人間本来の姿を私たちに伝えるようです。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽とともにあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせます。

    色彩に生を、風景に物語を、光に祈りを見出す内藤の作品は、縷々として尽きることなく私たちの世界を満たしてきた、遥か遠い時代から続く創造の営みを想起させます。そこには、人間が繰り返してきた「つくる」ということ、今につながる「生きる」ということへの希求が垣間見られます。時空を超えた交感がなされる会場は、空間よりも広く、時間よりも深く、目には見えない存在、耳では聞こえない声の確かさを感じ取る契機となることでしょう。本展の体験を通して、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じていただけたら幸いです。

    リリーステキストより

    以下に、詳細な情報を掲載します。

    • 残り4枚の写真とテキストを見る
    • SHARE
    内藤礼
    2024.07.02 Tue 14:55
    0
    permalink
    滋賀県立美術館での建築展「滋賀の家展」の入場チケットをプレゼント。滋賀県の視点で“家”に注目して、1960年代の住宅産業との繋がりから現代建築家の実践までを紹介。模型・図面・写真に加えて家具やインタビュー映像なども展示

    SHARE 滋賀県立美術館での建築展「滋賀の家展」の入場チケットをプレゼント。滋賀県の視点で“家”に注目して、1960年代の住宅産業との繋がりから現代建築家の実践までを紹介。模型・図面・写真に加えて家具やインタビュー映像なども展示

    日程
    2024年7月13日(土)
    –
    9月23日(月)
    architecture|exhibition
    滋賀建築展
    滋賀県立美術館での建築展「滋賀の家展」の入場チケットをプレゼント。滋賀県の視点で“家”に注目して、1960年代の住宅産業との繋がりから現代建築家の実践までを紹介。模型・図面・写真に加えて家具やインタビュー映像なども展示
    滋賀県立美術館での建築展「滋賀の家展」の入場チケットプレゼントの抽選への応募はこちらから
    forms.gle

    滋賀県立美術館での建築展「滋賀の家展」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
    滋賀県の視点で“家”に注目して、1960年代の住宅産業との繋がりから現代建築家の実践までを紹介します。また、模型・図面・写真に加えて家具やインタビュー映像なども展示されます。
    会期は、2024年7月13日~2024年9月23日まで。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年7月22日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

    多くの住宅建築関連の工場を県内に有してきた滋賀県は、近代以降の日本の住宅建築の展開を支えてきました。

    また、琵琶湖を中心とする自然豊かな土壌に惹かれ、別荘地やベッドタウンとしての活用が進む一方で、古くからの集落を残す場所でもありました。

    本展では滋賀県と日本の住宅建築のつながりを起点に、今まさに滋賀県に生きる人々の暮らしと建築がどのような未来の生活様式や環境を形作るのか見つめていきます。

    リリーステキストより

    以下に、詳細な情報を掲載します。

    • 残り2枚の写真とテキストを見る
    • SHARE
    滋賀建築展
    2024.07.02 Tue 14:40
    0
    permalink
    「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛ける
    photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

    SHARE 「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛ける

    日程
    2024年6月29日(土)
    –
    9月16日(月)
    architecture|exhibition|feature
    会場構成田根剛デザイン展ポール・ケアホルム
    「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛ける「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」会場入口 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa
    「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛けるⅡ. DESIGNS: 1951-1980 家具の建築家 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa
    「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅”した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛けるⅢ. EXPERIENCES 愛され続ける名作 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

    「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」の会場写真です。
    パナソニック汐留美術館で開催されています。“ミニマルで清潔な造形”を特徴とする家具デザイナーの作品群を紹介。主要作品を網羅した展覧会で、会場構成は建築家の“田根剛”が手掛けました。会期は、2024年9月16日まで。展覧会の公式ページはこちら。

    椅子は、私たちにとって最も身近な道具の一つです。その造形は、座るための合理的な機能を追求したかたちでありながらも、彫刻作品のような自律した美しさを宿しています。とりわけ前世紀の優れた建築家やデザイナーが手がけた椅子は、時代を超える名作として浸透し、近年ますます関心が高まっています。

    本展で紹介するポール・ケアホルム(1929~1980)は、20世紀デンマークを代表する家具デザイナーです。ミッドセンチュリーの北欧家具といえば、温もりのある木調のデザインを思い浮かべるかもしれません。しかしケアホルムの特徴は、当時では珍しく、石や金属などの硬質な素材を取り合わせた厳格なデザインにあります。それでいて各々の家具は決して冷たい印象は与えず、置かれる空間に心地よい緊張感をもたらします。古びることのない、ミニマルで清潔な造形に凝縮されたケアホルムの仕事は日本の建築ともよく響き合い、国内の愛好家の間でも根強く支持され続けています。

    本展は、長年にわたり椅子研究と収集を続けてきた織田憲嗣氏(東海大学名誉教授)のコレクションを中心に、ケアホルムの主要作品を網羅した、日本の美術館では初めての展覧会となります。織田コレクションを有する北海道東川町の協力のもと、家具約50点と関連資料を紹介するとともに、ケアホルムのデザイン哲学と洗練された家具の造形美を、気鋭の建築家・田根剛氏(ATTA)の会場構成によりお楽しみいただきます。

    リリーステキストより

    以下に、写真と詳細な情報を掲載します。

    • 残り7枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    会場構成田根剛デザイン展ポール・ケアホルム
    2024.07.02 Tue 13:38
    0
    permalink
    【ap job更新】 金沢を拠点とし、まちづくりから能登半島地震の復興へと奮闘する「株式会社kyma」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中

    ap job 【ap job更新】 金沢を拠点とし、まちづくりから能登半島地震の復興へと奮闘する「株式会社kyma」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中

    architecture|job|promotion
    建築求人情報
    【ap job更新】 金沢を拠点とし、まちづくりから能登半島地震の復興へと奮闘する「株式会社kyma」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中
    【ap job更新】 金沢を拠点とし、まちづくりから能登半島地震の復興へと奮闘する「株式会社kyma」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)を募集中南部町プロジェクト
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    金沢を拠点とし、まちづくりから能登半島地震の復興へと奮闘する「株式会社kyma」の、設計スタッフ(既卒・経験者・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    株式会社kymaは石川県金沢市を拠点に、全国の地方都市での建築とまちづくりに取り組む設計事務所です。

    私たちはこれまで、子どもから高齢者まで、障がいの有無に関わらずだれもが集うことのできる「ごちゃまぜ」の場をコンセプトとしたまちづくりプロジェクトを中心に、全国の地方都市で活動してきました。人とひと、地域と建築の関係をどうつくっていくかを考え設計に取り組んできました。

    現在私たちはこの経験を能登半島地震の復興につなげていくため、日々奮闘しています。
    また、並行して全国各地で複数のプロジェクトも進行しており、一緒にがんばってくれる設計スタッフを募集することにしました。

    人や地域との関係をデザインする建築、地方都市でのまちづくり、そして能登半島地震の復興に関わっていきたい方の応募をお待ちしております。

    【進行中のプロジェクト】
    ・長野県駒ケ根市 駅前商店街の低層集合住宅
    ・群馬県沼田市 病院を中心にしたまちづくり
    ・鳥取県南部町のまちづくりプロジェクト
    ・石川県津幡町のコミュニティホスピタル

    <能登半島地震復興関連>
    ・コミュニティセンタープロジェクト
    ・屋台村プロジェクト
    など。

    job.architecturephoto.net
    • ap job
    建築求人情報
    2024.07.02 Tue 10:12
    0
    permalink
    パナソニックの配線器具シリーズ「SO-STYLE」。“人と空間にそっと寄り添う背景”をコンセプトに、マット仕上げ・上質な白色のほたるスイッチ・静かな操作音を実現。体感セットのプレゼント企画も実施中

    SHARE パナソニックの配線器具シリーズ「SO-STYLE」。“人と空間にそっと寄り添う背景”をコンセプトに、マット仕上げ・上質な白色のほたるスイッチ・静かな操作音を実現。体感セットのプレゼント企画も実施中

    architecture|promotion
    パナソニックの配線器具シリーズ「SO-STYLE」。“人と空間にそっと寄り添う背景”をコンセプトに、マット仕上げ・上質な白色のほたるスイッチ・静かな操作音を実現。体感セットのプレゼント企画も実施中「SO-STYLE」のスイッチとコンセント
    パナソニックの配線器具シリーズ「SO-STYLE」の「ほたるスイッチ&マットコンセント体感セット」プレゼントの申込はこちらから
    www2.panasonic.biz

    パナソニックの配線器具シリーズ「SO-STYLE」を紹介します。
    “人と空間にそっと寄り添う背景”をコンセプトに、マット仕上げ・上質な白色のほたるスイッチ・静かな操作音を実現しています。また、スイッチコンセントの体感セットのプレゼントキャンペーンも実施中です。申込期間は、2024年6月10日~2024年7月10日※ただしご応募数が定員に達し次第、申込みは締め切り。プレゼントキャンペーンについての詳細はこちら。【ap・ad】

    SO-STYLEのコンセプトは、「人と空間にそっと寄り添う背景」です。

    設計者の意図に沿ったシンプル・シャープなデザイン。存在感を抑え、空間に溶け込むために建築の構成要素である「水平・垂直」で表現しました。

    大きな機能の特徴は3点あり、1つ目の特徴は、上質な空間と調和するマット仕上げ。コンセントでは製品化が難しいとされてきたマット仕上げを、美しさに徹底的にこだわり抜いたモノづくりで実現しました。

    2つ目の特長は、上質な白色のほたるスイッチ。スイッチを消灯した際に優しい白い光で存在を知らせます。

    3つ目の特長は静かで心地いい操作音。スイッチを押したときのソフトな触感と静音を実現しました。

    • 残り4枚の写真とテキストを見る
    • SHARE
    2024.07.02 Tue 07:30
    0
    permalink
    2024.7.01Mon
    • 【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、意匠設計・BIM・3DCG・秘書兼事務のスタッフを募集中
    • 鈴木雅也建築設計事務所による、東京・渋谷区の住戸改修「広尾の家」。三方の窓から豊かな自然環境が望める集合住宅での計画。持続可能性や不動産価値の視点も考慮し、区画内に“家を建てる”意識での設計を志向。水廻りコアを中央に置いた回遊性のある構成で“恵まれた環境”も活かす
    • 【ap job更新】 若手から裁量が大きく、“自分の作品を創造するという経験”ができる一級建築士事務所「フリーダムアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・新卒)を募集中
    • 富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、東京・八王子市の「WOODSTOCK House すぎんち」。木造平屋を改修した設計者の自邸兼事務所。極力“ゴミを出さない”計画を目指し、自身で解体した部材を保管して各箇所での再利用等も実施。性能向上の視覚化も意図して断熱吹付や構造補強も全て現しとする
    • 最も注目を集めたトピックス[期間:2024/6/24-6/30]
    • ほか
    2024.7.03Wed
    • 【ap job更新】 能動的に街や社会に関わり、“新たな豊かさ”を追求する「note architects」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
    • 村野藤吾が、1960年に手掛けた椅子とソファが復刻。京都の都ホテルの為にデザインされたもの。MURANO designの協力のもとCOMPLEXが引継ぎ制作
    • 【ap job更新】 人々との対話から可能性を見つけ、“生きるのが楽しくなる様な建築”を目指す「株式会社 吉田裕一建築設計事務所」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
    • 本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    60,709
    • Follow
    82,488
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 書籍
    • 展覧会
    • コンペ
    • 動画
    • テレビ
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • アーキテクチャーフォト・プロダクト
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white