坂井隆夫建築設計事務所が設計した、京都市の「上高野の家」です。
既存家屋を改修した住宅兼アトリエです。建築家は、“風景”となる様な空間を求め、街の一部であり内部と通りの関係の演出もする“京都の格子”を参照しました。そして、解体で現れた柱梁に付加した“格子”を介して部屋同士が繋がる構成としました。
もともと二世帯住宅だったものを、家族4人、猫2匹、そして服飾のアトリエとして改修した住宅になります。
京都の景観といえば格子が挙げられると思います。
格子は街の風景を構成する一部であり、室内と通りの関係を演出しています。
解体によってあらわになった柱や梁、吹き抜けも格子のように関係性を演出している要素ととらえ、それに格子を付け足すことで、こちらとあちらの関係が演出され、一室空間全体が風景のようにならないかと考えました。
ローコストでの改修のため、構造と断熱の改修にほぼ予算が使われ、使用できる建材が限られていました。
そのため、構造用合板、ラワンベニヤ、モルタル、コンクリート平板といった安価な材料で床、壁、天井の組み合わせを変え、床レベルもGL、基礎天端、FLと変化をつけて、それぞれ少し違う雰囲気の環境を一室空間の中に作り出しています。
いくつかの環境を組み合わせることで、住人がそれぞれ自分の居場所を発見しながら住んでいく改修計画です。
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以下、建築家によるテキストです。
京都の景観といえば格子が挙げられると思います。
格子は街の風景を構成する一部であり、室内と通りの関係を演出しています。
解体によってあらわになった柱や梁、吹き抜けも格子のように関係性を演出している要素ととらえ、それに格子を付け足すことで、こちらとあちらの関係が演出され、一室空間全体が風景のようにならないかと考えました。
もともと二世帯住宅だったものを、家族4人、猫2匹、そして服飾のアトリエとして改修した住宅になります。
ローコストでの改修のため、構造と断熱の改修にほぼ予算が使われ、使用できる建材が限られていました。
そのため、構造用合板、ラワンベニヤ、モルタル、コンクリート平板といった安価な材料で床、壁、天井の組み合わせを変え、床レベルもGL、基礎天端、FLと変化をつけて、それぞれ少し違う雰囲気の環境を一室空間の中に作り出しています。
いくつかの環境を組み合わせることで、住人がそれぞれ自分の居場所を発見しながら住んでいく改修計画です。
実際、住みながらDIYで壁に漆喰を塗って撮影場所やオープンアトリエ時のショースペースにしたり、飾り棚や本棚を作って中庭で読書を楽しめるようにしたり、寝室とアトリエの位置も変化しながら、環境のアップデートがされ続けています。
■建築概要
題名:上高野の家
所在地:京都府京都市左京区
主用途:兼用住宅
設計:坂井隆夫建築設計事務所 担当/坂井隆夫
施工:株式会社山蔵
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:221.02㎡
建築面積:88.70㎡
延床面積:149.47㎡
設計:2018年4月~2019年1月
工事:2019年2月~2019年6月
竣工:2019年6月
写真:石川奈都子