北村直也建築設計事務所が設計した、岐阜・多治見市の茶室「かまわ菴」です。
窯業の盛んな地域の複合施設内での計画です。建築家は、茶道の更なる普及の契機となる存在を目指し、現代の状況に応じて“茶室建築の決まりを再解釈”する設計を志向しました。そして、電気陶芸窯職人の施主の技術も用いて“現代的な材料”で作り上げました。
なお、本作品は、アーキテクチャーフォトで特集記事として掲載した、同設計者による「かまや多治見」に併設されたものです。施設の場所はこちら(Google Map)。
三軒長屋をリノベーションしたかまや多治見に併設される茶室の計画である。
多治見は古くから志野茶碗や織部茶碗の産地で茶道文化を支えてきたが、それに比べると茶道自体はそこまで浸透しているとは言えない。クライアントの要望は、この地域で茶道を根付かせ、茶道文化を牽引してきたことを再認識するきっかけになるような茶室にしてほしいというものだった。
茶室と聞くと数寄屋造りがイメージされるが、この茶室は多くの部分に現代的な材料を使っている。
茶室建築は決まり事が多いが、オーナーと共に元々の解釈から考え直しデザインを決めていった。
枝垂れ桜が大きな下地窓から見えるようにしたが、本来茶室の路地には花の咲いたり紅葉する樹木は植えてはならない。それはお茶を点て、頂くにあたり気持ちを静めるためと言われてる。現代人にとっての日常は刺激が多く花が咲き紅葉を眺め季節の変化を感じ取る方が本来のあり方に近づけるのではと考えた。
巨大な下地窓は上げ下げ式の鎧戸となっていてウインチの大きな音で開閉する。暗い部屋からの急な光に目が眩む。クライアントは電気陶芸窯の職人でもあるためこのウインチの機構を製作した。
この機構だけでなく各所製作し、電気陶芸窯の技術・材質が使われている。
主な部分では窓枠、躙口の材質はスチールフラットバー、天井はパンチングメタル、点前座の壁は白い断熱レンガ、床柱はスチール角パイプの塗装を剥がし敢えて錆が進行する仕上げとした。オーナーの個性が現れた荒々しい意匠としている。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
三軒長屋をリノベーションしたかまや多治見に併設される茶室の計画である。
多治見は古くから志野茶碗や織部茶碗の産地で茶道文化を支えてきたが、それに比べると茶道自体はそこまで浸透しているとは言えない。クライアントの要望は、この地域で茶道を根付かせ、茶道文化を牽引してきたことを再認識するきっかけになるような茶室にしてほしいというものだった。
茶室と聞くと数寄屋造りがイメージされるが、この茶室は多くの部分に現代的な材料を使っている。
茶室建築は決まり事が多いが、オーナーと共に元々の解釈から考え直しデザインを決めていった。
枝垂れ桜が大きな下地窓から見えるようにしたが、本来茶室の路地には花の咲いたり紅葉する樹木は植えてはならない。それはお茶を点て、頂くにあたり気持ちを静めるためと言われてる。現代人にとっての日常は刺激が多く花が咲き紅葉を眺め季節の変化を感じ取る方が本来のあり方に近づけるのではと考えた。
巨大な下地窓は上げ下げ式の鎧戸となっていてウインチの大きな音で開閉する。暗い部屋からの急な光に目が眩む。クライアントは電気陶芸窯の職人でもあるためこのウインチの機構を製作した。
この機構だけでなく各所製作し、電気陶芸窯の技術・材質が使われている。
主な部分では窓枠、躙口の材質はスチールフラットバー、天井はパンチングメタル、点前座の壁は白い断熱レンガ、床柱はスチール角パイプの塗装を剥がし敢えて錆が進行する仕上げとした。オーナーの個性が現れた荒々しい意匠としている。
本格的でありながらいろいろな人に興味を持ってもらえるような面白さのある茶室を目指した。
■建築概要
名称:かまわ菴
所在地:岐阜県多治見市
主要用途:茶室
工事種別:リノベーション
設計:北村直也建築設計事務所
施工:澤崎工務店 担当/澤崎祥司
金属工事:司電気炉製作所 担当/加藤貴也
電気設備:小池電気工事株式会社 担当/小池孝治、川島誠司
照明機器:株式会社岡村電産 担当/真々田美香
空調設備工事:トータルシステム株式会社 担当/田財千裕
延床面積:35.88㎡
設計期間:2020年8月~2022年10月
工事期間:2022年10月~2023年2月
竣工:2023年3月
写真:miyashita design office 担当/加瀬秋彦
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板 t=0.35 素地 縦ハゼ
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外装・壁 | 外壁 | モルタル
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内装・床 | 床 | 畳
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内装・壁 | 壁 | PB t=12.5 和紙貼り
土壁
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内装・天井 | 天井 | 既存現し
パンチングメタル OP
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