「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける
photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける

日程
「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第1章「浜辺の建築家」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa
「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第2章「諸芸術の綜合」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa
「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第3章「近代のミッション」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真です。
パナソニック汐留美術館で開催されています。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介します。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛けています。会期は、2025年3月23日まで。展覧会の公式ページはこちら

建築家ル・コルビュジエ(1887‒1965)は活動の後期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表しました。そしてそれ以上に、「諸芸術の綜合」とは統一、調和、普遍的法則の理想主義に導かれた彼の芸術観全体を示すスローガンでもありました。

ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られていますが、視覚芸術の他分野においても革新をもたらしました。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーをご覧いただき、さらに彼が求め続けた新しい技術の芸術的利用にもスポットをあてます。そして後期の建築作品も併せて紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにします。

楽観的で歓喜に満ちたこれらの作品は、「住宅は住む機械」という彼のよく知られた言葉に集約される機能主義者のイメージを超えた、あらたな像を結びます。また、レジェ、アルプ、カンディンスキーといった同時代を生きた先駆的な芸術家たちの作品を対峙させることで、当時の芸術潮流における彼の立ち位置も浮かび上がらせます。

本展はゲスト・キュレイターにドイツ人美術史家ロバート・ヴォイチュツケ氏を迎え、20世紀の革新的頭脳の創造の源泉に迫ります。

リリーステキストより

エントランスホール

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「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛けるパナソニック汐留美術館、エントランスホール photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

第1章 浜辺の建築家

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「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第1章「浜辺の建築家」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

1930年代のパリの芸術界に新しい傾向が現れます。1929年の世界恐慌はそれまでの機械万能主義から自然科学的関心へと価値観を転換させ、絵画の自律性を追求する抽象絵画から、未知の世界へと向かうシュルレアリスムの幻想的な絵画が人々の心をとらえるようになりました。自然界の原理が創作の着想源として再び注目されるようになり、ル・コルビュジエも、1918年から実践していたピュリスム絵画における幾何学的構成に代わり、貝、骨、流木といった有機的な収集物の形態を、建築と絵画に取り入れるようになります。ル・ コルビュジエはそれらを「詩的反応を喚起するオブジェ」と命名しました。アルプやレジェもこうしたモチーフに興味を示し、機械と人体、自然、あるいは工業性と地域性との関係性を、絵画や彫刻に模索していきます。

リリーステキストより

第2章 諸芸術の綜合

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「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第2章「諸芸術の綜合」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

ル・コルビュジエの円熟期の創作活動を理解する鍵が「諸芸術の綜合」の概念です。絵画、素描、彫刻、タペストリー、建築、都市計画はすべて、彼にとって「一つの同じ事柄をさまざまな形で創造的に表現したもの」であり、人の全感覚を満たす詩的環境を創り出すために、互いに関わりながら集結するものでした。日本ではインテリア・デザイナーのシャルロット・ペリアンがキュレーションした「巴里1955年―芸術の綜合への提案 ル・コルビュジエ、レジェ、ペリアン3人展」(1955年)において、ル・コルビュジエのこの芸術観が紹介されました。木彫作品は家具職人のジョセフ・サヴィナとの協働から生まれ、ル・コルビジェはそれらを「音響的形態」とよびました。絵画を立体化したその曲面の造形は、ロンシャンの礼拝堂をはじめとする後期の建築作品に応用され、「音響的建築」の実現がめざされました。

リリーステキストより

第3章 近代のミッション

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「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第3章「近代のミッション」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

ル・コルビュジエは2度の世界大戦を経験し、危機の時代から戦後の変遷を生きました。しかし、19世紀の産業革命以降に西洋社会を中心に飛躍的な展開を見た人間の進歩の永続を確信し、躊躇しませんでした。晩年の10年間、ル・コルビュジエは「人間の歴史は予め決定されており“調和の時代”に向かって進むものだ」と、今日ではあまりに楽観的な世界観をしばしば語っています。これは「偉大なる綜合」と「偉大な精神性の時代」に近づくための段階として抽象芸術を位置付けたカンディンスキーの考えにも通じます。ここでは、ルシアン・エルヴェのカメラがとらえたル・コルビュジエの建築と、カンディンスキーの版画集『小さな世界』を合わせて展示し、二人の世界観を対峙させます。そして、ル・コルビュジエの絵画の集大成である「牡牛」のシリーズから晩年の3点を、本展のハイライトとしてご覧いただきます。

リリーステキストより

第4章 やがてすべては海へと至る

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「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける第4章「やがてすべては海へと至る」展示風景 photo courtesy of パナソニック汐留美術館、撮影:Yukie Mikawa

ル・コルビュジエは1954年に執筆した論考「やがてすべては海へと至る」のなかでテクノロジーの発達により高度にネットワーク化、グローバル化が進む情報化社会の到来を予見しています。彼はつねに時代の先端技術から着想し建築作品を実現しました。その関心は、電子計算センターや、高度情報能力を持つ大型マルチメディア・プロジェクションの開発を構想したことにも明らかです。チャンディガールの「知のミュージアム」計画では、インド初の女性建築家ウルミラー・エリー・チョードリー(1923-1995)と協働しました。このプロジェクトは未来の人工知能AIをも予知しているかのようです。1958年ブリュッセル万博フィリップス館で公開した《電子の詩》は、当時の最新技術を駆使し、音楽、映像、建築の各要素を融合させ人類の発展をテーマとした作品で、マルチメディア芸術の先駆けともいえるでしょう。

リリーステキストより

■展覧会概要

展覧会会期:2025年1月11日(土)~3月23日(日)
開館時間:午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※2月7日(金)、3月7日(金)、14(金)、21(金)、22(土)は夜間開館 午後8時まで開館(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日(ただし3月19日は開館)
入館料:一般 1,200円、65歳以上 1,100円、大学生・高校生 700円、中学生以下 無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。ホームページ割引引き換え券はこちら(https://panasonic.co.jp/ew/museum/discount/
主催:パナソニック汐留美術館、朝日新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、在日スイス大使館、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、港区教育委員会
特別協力:ル・コルビュジエ財団、大成建設株式会社
協力:株式会社カッシーナ・イクスシー、Echelle-1
会場構成:ULTRA STUDIO
※本展は、ル・コルビュジエ財団の協力のもと開催されます。

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カミヤアーキテクツ(KA)は建築・プロダクトデザイン・ムービーなどの「クリエーションを通じて世界に感動を揺り起こす」ことをビジョンとしています。
これまでに、日本建築学会、JIA、日本空間デザイン賞、iF DESIGN AWARD(独)などの国内外の賞を受賞しています。

「人材・ヒューマンリソースがクリエイティブ組織の唯一であり最高の武器」

これは神谷が師であるBjarke Ingelsから、修行時代に教えられたことです。
だからこそKAは人とともにさらに成長していきます。
KAの社員は、通常の設計監理を超えて、ヨーロッパ水準のデザインスキルの習得を通して、高い創造性と生産性が身に付きます。

【KA代表・神谷修平】
建築家・クリエイティブディレクター
2017:KA設立
2016-2017:BIG/BJARKE INGELS GROUP(デンマーク)/文化庁派遣芸術家
2007-2016:隈研吾建築都市設計事務所

主な受賞
日本建築学会・作品選集・新人賞
日本建築家協会・優秀建築選
iF DESIGN AWARD
日本空間デザイン賞:金賞
AACA賞
グッドデザイン賞
鹿島出版会SD レビュー・SD賞

佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮
佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮鳥瞰、南東側より見下ろす。 photo©船来洋志 川澄・小林研二写真事務所
佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮外観、北側より見る。 photo©船来洋志 川澄・小林研二写真事務所
佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮外観、敷地内の「青い森の広場」から見上げる。 photo©小寺亮
佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮2階、左:事務室、正面:通路 photo©船来洋志 川澄・小林研二写真事務所

鳴海雅人+小寺亮+進藤勝人+福士晴也+福士譲 / 佐藤総合計画・青森建築家集団が設計した「青森市新市庁舎」です。
既存庁舎の建替計画です。建築家は、機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案しました。また、外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮しました。施設の場所はこちら(Google Map)。

青森市新市庁舎は既存庁舎の老朽化・耐震性能不足、分散された庁舎の集約化、ICT化への対応、東日本大震災を受けて防災拠点の整備が必要になったことによる建替え計画である。

ここまでは他の自治体でもよくある経緯ではあるが、このプロジェクトは一度設計が完了した後に社会状況の変化にともなって、窓口機能は青森駅前商業ビルへ集約、本計画地には防災機能を中心とした執務空間や市民スペースの新設、と大きな転換があったことが特徴である。

当初、庁舎機能をひとつに集約して青森の気候に配慮した3次曲面の特徴的な建築の提案は、「持続可能性」をテーマに青森の風土から導き出される環境のデザインであった。これに対して、変更後は既存施設を無駄なく活用しながら社会情勢や都市の状況をつぶさに把握して少しずつ更新していく変化を許容する建築が求められた。

建築家によるテキストより

計画地は、東西軸(機能)と南北軸(活動)の結節点に位置することから、ひとやものが集まる敷地特性を活かした庁舎のあり方、そして、庁舎の変化(改築、増築)に柔軟に対応しながらも、市民協働の場はその都度変わらない場所となることが大切だと考えた。

建築は都市構成を活かして、東西方向に長い雁行平面によって既存議会棟と執務機能を連続させた機能軸を形成し、将来的な増築の拠り所とした。グラウンドレベルは南北に通り抜け広場を設けることでまちの回遊性を高め、1階のほとんどを市民スペースとしたことと合わせて、市民の気軽な利用を促す活動軸とした。この2つの軸によって、庁舎機能の拡張性を高めつつ、市民協働の場としての持続性を両立させた。

建築家によるテキストより

1階のほとんどをひろばとともに市民スペース(サードプレイス)、上階は伸びやかに雁行する執務エリアとしている。

特に上階は高い環境性能を有した快適な空間であり、将来の変化(増築や改修)に対しても、窓際にできるだけ個室をつくらない平面構成、乾式・ユニット化による増築施工しやすいディテール、天井レスによる更新しやすい設備ルートとすることで、機能を維持しながら変化に柔軟に対応できる計画とした。こうした小さな工夫の積み重ねが、将来への選択性を高め、持続可能性へとつながっていく。

建築家によるテキストより

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