林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、北側の道路より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、「たたき」からリビング側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、キッチンからダイニング越しにリビングを見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、南側のルーフテラス photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所 が設計した、香川の住宅「善通寺の建物」です。
往来のある道に面した角地での計画です。建築家は、家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案しました。そして、後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担います。
日本の四国地方に位置する、香川県善通寺市。
穏やかな瀬戸内海と四国の山々に挟まれた地域にあり、四国八十八箇所霊場の第七十五番として有名な善通寺がある。
敷地は、人と車の往来のある道路に面した角地で、18m×16mの四角形。
この建物は、共働きの夫婦と子供のための住宅として計画された。
要望は、大きなリビングと各部屋が独立しすぎないこと。
建物は2階建て。1階の四角のヴォリュームの上に、高さが異なるの4つの家形のヴォリュームがそれぞれセットバックしながら乗っかっている。2階のヴォリュームをそれぞれセットバックすることで、立体的な抜けと性格の違うルーフテラスを獲得した。
1階にリビング、2階に各居室の構成だ。
1階は、天井高さ2.5mでリビングを設けている。リビングに寄り添うように和室を設け、その先の小道とプライベートなリビングを緩く繋ぐ役割を持たせた。2階は、主寝室、書斎、子供部屋だ。家形のヴォリュームがそれぞれの部屋になっている。本建築で、一番象徴的な役割を持っているのが、書斎だ。
L型の書斎は、開放的で家族の繋がりを生む場所となり、床が60×120角の小梁を120ピッチで並べた格子床になっている。子供部屋と書斎に面しており、使用用途により書斎まで拡張することが可能だ。子供は、部屋の大きさに縛られた使い方、成長をするわけではない。時には、部屋から飛び出し書斎まで、画材を広げ絵を描くこともあるだろう。
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林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、北東側より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、北側の道路より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、北側の歩道より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、「たたき」からリビング側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、キッチンからダイニング越しにリビングを見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、リビングから和室側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、リビングから開口部越しに庭を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 東側の庭 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、東側の庭より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、リビングからダイニング越しに2階への階段側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階から2階への階段 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、ホール側から書斎を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、書斎から開口部越しに外部を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、書斎 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、書斎から子供部屋側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、手前:書斎、正面:ホール、右:子供部屋 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、寝室 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階、南側のルーフテラス photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階、洗面室 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、南側より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 外観、南側より見る、夜景 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 1階平面図 image©林健太郎建築設計事務所
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 2階平面図 image©林健太郎建築設計事務所
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 断面図 image©林健太郎建築設計事務所
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う 断面図 image©林健太郎建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
日本の四国地方に位置する、香川県善通寺市。
穏やかな瀬戸内海と四国の山々に挟まれた地域にあり、四国八十八箇所霊場の第七十五番として有名な善通寺がある。
敷地は、人と車の往来のある道路に面した角地で、18m×16mの四角形。
この建物は、共働きの夫婦と子供のための住宅として計画された。
要望は、大きなリビングと各部屋が独立しすぎないこと。
建物は2階建て。1階の四角のヴォリュームの上に、高さが異なるの4つの家形のヴォリュームがそれぞれセットバックしながら乗っかっている。2階のヴォリュームをそれぞれセットバックすることで、立体的な抜けと性格の違うルーフテラスを獲得した。
1階にリビング、2階に各居室の構成だ。
1階は、天井高さ2.5mでリビングを設けている。リビングに寄り添うように和室を設け、その先の小道とプライベートなリビングを緩く繋ぐ役割を持たせた。2階は、主寝室、書斎、子供部屋だ。家形のヴォリュームがそれぞれの部屋になっている。本建築で、一番象徴的な役割を持っているのが、書斎だ。
L型の書斎は、開放的で家族の繋がりを生む場所となり、床が60×120角の小梁を120ピッチで並べた格子床になっている。子供部屋と書斎に面しており、使用用途により書斎まで拡張することが可能だ。子供は、部屋の大きさに縛られた使い方、成長をするわけではない。時には、部屋から飛び出し書斎まで、画材を広げ絵を描くこともあるだろう。
また、東と南に2面大きな開口を設けることで、日中十分な日光を取り入れることができ、1階に柔らかな光を届けることができる。
書斎の格子床と無骨な構造材が建物全体を構築するインテリアにもなりうると考え、真壁納まりを採用した。
また、閉鎖的な建物にしないために、大きなルーフテラスと公園のような庭を設けた。これらは子供が安心して遊べる場所としても機能している。
本件は、複雑な現代社会で、どのような建物が人に安心感とより良い関係性を築く手助けができる存在になるか、またその家族と建物がどのような関係を街と築くことができるか、それぞれにとって心地よい距離感を模索するものとなったと思う。
(林健太郎 / 林健太郎建築設計事務所)
本建築の特徴である書斎の格子床を実現させるために、屋外のテラス部分の床を固めることにより水平剛性を確保し、地震力に対する安全性を獲得している。また2階の外壁ラインのズレについては、下階に柱を落とすのではなく頬杖を採用することにより、大きな無柱空間を実現している。
加えて2階は4棟の家型により構成された空間であるが、原則として4棟それぞれで耐力を確保しつつも、意匠上耐震要素の配置が難しい箇所については、「梁を連続させることによる軸力伝達」「屋根の水平剛性を確保することによるせん断力伝達」にてイレギュラーな箇所については対応している。
(海野敬亮 / 海野構造研究所)
■建築概要
題名:善通寺の建物
所在地:香川県善通寺市
主用途:専用住宅
意匠設計:林健太郎建築設計事務所 担当/林健太郎
構造設計:海野構造研究所 担当/海野敬亮
施工:株式会社プラスアルファー 担当/中村仁、アドバリュー建築工房株式会社 担当/坂田淳
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:278.64㎡
建築面積:134.97㎡
延床面積:165.41㎡
設計:2022年11月~2023年7月
工事:2023年8月~2024年2月
竣工:2024年2月
写真:永井杏奈
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外構・床 外構 土間コンクリート金鏝仕上げ、一部砕石敷き
外装・壁 外壁 ガルバリウム鋼板 横ハゼ葺き[ニスクカラーPro つやあり ウールホワイト ](日鉄鋼板 )
外装・屋根 屋根 ガルバリウム鋼板 横ハゼ葺き[ニスクカラーPro つやあり ウールホワイト ](日鉄鋼板 )
外装・床 屋上 床 FRP防水
外装・その他 屋上手すり SUS 丸パイプφ12@120
内装・床 駐車場 床 土間コンクリート金鏝仕上げ
内装・天井 駐車場 天井 ケイカル板の上、塗装 AEP塗装
内装・床 たたき 床 土間コンクリートの上、タイル貼り(miratap )
内装・床 LDK 床 フローリング貼り 一部、床断熱設備あり(ikuta )
内装・壁 LDK 壁 Pb t=12.5の上、クロス貼り 真壁納まり(シンコール )
内装・天井 LDK 天井 Pb t=9.5の上、クロス貼り(シンコール )
内装・床 和室 床 畳敷き
内装・壁 和室 壁 Pb t=9.5の上、シナ合板貼り 真壁納まり
内装・天井 和室 天井 Pb t=9.5の上、シナ合板貼り
内装・床 洗面室 床 フロアタイル貼り(サンゲツ )
内装・壁 洗面室 壁 Pb t=12.5の上、クロス貼り 真壁納まり(シンコール )
内装・天井 洗面室 天井 Pb t=9.5の上、シナ合板貼り
内装・床 BR 床 フローリング貼り(カスコ )
内装・壁 BR 壁 Pb t=12.5の上、クロス貼り 真壁納まり(シンコール )
内装・天井 BR 天井 Pb t=9.5の上、クロス貼り(シンコール )
内装・床 MBR 床 フローリング貼り(カスコ )
内装・壁 MBR 壁 Pb t=12.5の上、クロス貼り 真壁納まり(シンコール )
内装・天井 MBR 天井 Pb t=9.5の上、クロス貼り(シンコール )
内装・床 書斎 床 フローリング貼り 一部、60×120@120格子床(カスコ )
内装・壁 書斎 壁 Pb t=12.5の上、クロス貼り 真壁納まり(シンコール )
内装・天井 書斎 天井 Pb t=9.5の上、クロス貼り 一部、構造用合板露出(シンコール )
内装・照明 照明 MAXRAY(DAIKO )
内装・その他 鉄骨階段 FB t=9 踏板
ゴム集成材 手すり
丸鋼φ16@115 手摺子
ゴム集成材
内装・キッチン キッチン キッチン(miratap )
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