土用下淳也+福井竜馬 / kymaによる、石川の「小松KABULET」。新幹線の新区間開業に合わせて駅中に計画された交流の場。フリースペース兼飲食店として、気軽な空気感があり“公園の様に自由に出入りができる”空間を志向。様々な利用シーンを想定して多種多様な居場所を用意外観、外部通路側より見る。 photo©SCARAMANGA
土用下淳也+福井竜馬 / kymaによる、石川の「小松KABULET」。新幹線の新区間開業に合わせて駅中に計画された交流の場。フリースペース兼飲食店として、気軽な空気感があり“公園の様に自由に出入りができる”空間を志向。様々な利用シーンを想定して多種多様な居場所を用意野菜と駄菓子の売場からテーブル席を見る。 photo©SCARAMANGA
土用下淳也+福井竜馬 / kymaによる、石川の「小松KABULET」。新幹線の新区間開業に合わせて駅中に計画された交流の場。フリースペース兼飲食店として、気軽な空気感があり“公園の様に自由に出入りができる”空間を志向。様々な利用シーンを想定して多種多様な居場所を用意九谷焼売場とビッグカウンター席 photo©SCARAMANGA
土用下淳也+福井竜馬 / kymaによる、石川の「小松KABULET」。新幹線の新区間開業に合わせて駅中に計画された交流の場。フリースペース兼飲食店として、気軽な空気感があり“公園の様に自由に出入りができる”空間を志向。様々な利用シーンを想定して多種多様な居場所を用意洗面側から畳席を見る。 photo©SCARAMANGA
土用下淳也+福井竜馬 / kymaが設計した、石川の「小松KABULET」です。
新幹線の新区間開業に合わせて駅中に計画された交流の場の計画です。建築家は、フリースペース兼飲食店として、気軽な空気感があり“公園の様に自由に出入りができる”空間を志向しました。そして、様々な利用シーンを想定して多種多様な居場所を用意しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
以前の小松駅は最低限の機能だけを備えた駅で、待合スペースもなく、電車待ちの利用者が自由に時間を過ごせる居場所がないという課題があった。また、小松駅前商店街では閉店が相次ぎ、地域住民の馴染みの店もなくなり、周辺に気軽に集まれる場所がない状態にも繋がっていた。
このような問題を解決するため、駅を地域交流の結節点として捉えなおし、北陸新幹線の開業を機にコミュニティづくりを軸として小松駅の再編を計画した。その第一歩として、誰でも気軽に使えて飲食もできる“フリースペース”兼“飲食店”を駅の中に計画した。
フリースペースは駅の待合や勉強、PC作業など、飲食を伴わない利用も自由にできる場所として計画した。公園のように自由に出入りができて、駅への近道として通り抜けてもよく、気軽に入ることができる空気感が創出されることを目指した。
駅コンコース側と外部通路側の2面をフルオープンできる開口部にすることによって、内外の境界が緩和され、様々なところから自由に出入りできるように計画。奥行きのある区画に対して、駅コンコースから店内中央まで通り抜けできるようにし、床は動線と客席をモルタルとケンパスフローリングで切り替えた。
奥側はウッドデッキで+300mm、畳席は+600mm上げ、奥に行くにつれて床が上がっていく3段階の高さの変化を設ける構成としている。厨房はオープン厨房として間口を大きく開き、奥行きの長い店内をスタッフが見渡せ、客とコミュニケーションしやすい配置としている。
駅という立地上、様々な人々を受け入れる場所を目指した。客席としては、高齢者に人気のテーブル席、PC作業もできるビッグテーブル席、お子様連れや中高生に人気の小上がり席、手早くご飯を食べたい人はカウンター席等、様々なシーンを想定した。そういった様々な席と対応するように、木、モルタル、波板等、様々な素材を用いている。
そのような店内に設けた多様な場所が、電車待ちのサラリーマンや学校帰りの学生、地域の高齢者から観光客まで、様々な方々にとっての交流や活動のよりどころとなっている。片や楽しい会話が弾んでいる一方、片やPC作業や勉強に集中するといった様々な様子が見られ、1日の中でも時間帯によって訪れる人々は変化していく。