
SHARE トラフ建築設計事務所の会場構成による展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」。イタリアの近代を代表する建築家を特集。多様な創作の視覚的な体感を目指し、資料の画像と実際のプロダクトが共存する“大パネル”を考案。代表作を参照した鮮やかな図案を天井に施して“らしさ”も空間に付与



トラフ建築設計事務所の会場構成による展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」です。
イタリアの近代を代表する建築家を特集する内容です。建築家は、多様な創作の視覚的な体感を目指し、資料の画像と実際のプロダクトが共存する“大パネル”を考案しました。また、代表作を参照した鮮やかな図案を天井に施して“らしさ”も空間に付与しています。
会場は、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3です。開催期間は、2025年3月31日まで。入場無料。展覧会の公式サイトはこちら。
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で開催された、ジオ・ポンティの展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」の会場構成を手掛けた。
本展は、20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家であるポンティの創造の軌跡をたどり、建築、家具、プロダクト、グラフィックといった多岐にわたるデザインを紹介する。
自邸やスタジオ同様、入口付近に建築芸術へのオマージュとなるオベリスクを配置した。正面の壁面には、約60年にわたる氏の仕事を作品の実物とともに振り返る大パネルを透過性のある膜を使って設置し、グラフィックとオブジェクトがフラットに共存することで、多面的な創作活動を視覚的に体感できる構成にしている。
パネル上には、各年代を象徴するデザインとともに年号を配置し、その背後にLED照明を仕込むことで、歴史の流れを視覚的に際立たせた。加えて、自邸の窓でスタディされていた天使のモチーフを切り絵にし、影絵として取り入れることで、遊び心ある表現を加えた。
会場の奥には、自邸で使用されていたタイルを敷いたステージを設け、モルテーニにより復刻されたアームチェアやコーヒーテーブル、ブックシェルフを展示した。さらに勾配天井を活かし、天井面にプランチャート邸の天井を模したストライプのグラフィックを施し、会場全体をポンティらしい鮮やかな色彩で包み込んでいる。
スプーン一本から高層ビルまでを手がけ、建築、プロダクト、グラフィックといった分野を軽やかに越えて、部分から全体を統合的に捉える「眼」を追求し続けた氏のデザインは万人に幸福感をもたらした。ジャンルやスケールをシームレスに横断し、ポンティの創造のあり方を体現できる場を目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で開催された、ジオ・ポンティの展覧会「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」の会場構成を手掛けた。
本展は、20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家であるポンティの創造の軌跡をたどり、建築、家具、プロダクト、グラフィックといった多岐にわたるデザインを紹介する。
自邸やスタジオ同様、入口付近に建築芸術へのオマージュとなるオベリスクを配置した。正面の壁面には、約60年にわたる氏の仕事を作品の実物とともに振り返る大パネルを透過性のある膜を使って設置し、グラフィックとオブジェクトがフラットに共存することで、多面的な創作活動を視覚的に体感できる構成にしている。
パネル上には、各年代を象徴するデザインとともに年号を配置し、その背後にLED照明を仕込むことで、歴史の流れを視覚的に際立たせた。加えて、自邸の窓でスタディされていた天使のモチーフを切り絵にし、影絵として取り入れることで、遊び心ある表現を加えた。
会場の奥には、自邸で使用されていたタイルを敷いたステージを設け、モルテーニにより復刻されたアームチェアやコーヒーテーブル、ブックシェルフを展示した。さらに勾配天井を活かし、天井面にプランチャート邸の天井を模したストライプのグラフィックを施し、会場全体をポンティらしい鮮やかな色彩で包み込んでいる。
スプーン一本から高層ビルまでを手がけ、建築、プロダクト、グラフィックといった分野を軽やかに越えて、部分から全体を統合的に捉える「眼」を追求し続けた氏のデザインは万人に幸福感をもたらした。ジャンルやスケールをシームレスに横断し、ポンティの創造のあり方を体現できる場を目指した。
■建築概要
展覧会名:ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。
所在・会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
キュレーター:田代かおる
グラフィック:田部井美奈
スタイリング:川合将人
施工:HIGURE17-15cas
主催:Molteni&C、アルフレックスジャパン
延床面積:110.5㎡
設計期間:2024年11月~2025年2月
施工期間:2025年3月16日~17日
会期:2025年3月19日~3月31日
写真:永禮賢
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | ステージ 床 | タイル |
内装・壁 | ステージ 壁面 | |
内装・その他 | 展示パネル | 膜 |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
The Eye of Gio Ponti: Crossing Boundaries with Lightness
Building site: 21_21 DESIGN SIGHT Gallery 3
Duration: 2025.3.19-3.31
Principle use: EXHIBITION SITE
Curator: Kaoru Tashiro
Graphic design: Mina Tabei
Styling: Masato Kawai
Production: HIGURE17-15cas
Credit: Organized by Molteni&C, ARFLEX JAPAN
Total floor area: 110.5㎡
Design period: 2024.11-2025.02
Construction period: 2025.3.16-17
Photo: Satoshi Nagare