
SHARE 石躍健志建築設計事務所による、宮崎・日向市の「金ヶ浜の家」。海岸の近くで潮の香りも漂う敷地での計画。居室数が多い既存に対し、海側の3部屋と台所の壁や天井などを取り払い“大きな空間”を創出。家の原点に回帰する様な“あるがままの環境と共に暮らす家”が生まれる



石躍健志建築設計事務所が設計した、宮崎・日向市の「金ヶ浜の家」です。
海岸の近くで潮の香りも漂う敷地での計画です。建築家は、居室数が多い既存に対し、海側の3部屋と台所の壁や天井などを取り払い“大きな空間”を創出しました。そして、家の原点に回帰する様な“あるがままの環境と共に暮らす家”が生まれました。
宮崎県日向市の有名なサーフスポット「金ヶ浜ビーチ」を臨む住宅のリノベーション。
ビーチと住宅の間に国有の雑木林が広がっているために、眼前にビーチが広がってはいないが、住宅の周囲と内部には絶えず波の音や潮の香りが漂っている。
元の住宅は過去に数回の増改築と移築が行なわれており、間取りでいうと「5DK+縁側」であった。
そのうち、海側の3室と台所と縁側の一部の壁、天井、建具をすべて取り払い、海側に大きな空間をつくった。改修部分は筋交いの増設や構造面材張り等の耐震補強を行い、改修に伴う解体部分の解体後に現れてきた、脆弱な柱の交換や、梁や基礎の補強を行っている。柱や筋交い、小屋組みはそのまま現しとした。
あらわにされた無造作に林立する柱は、雑木林の木々と呼応するかのようで、室内に雑木林の空気感を呼び込んでいる。
海側の空間は床も取り払い、ビーチで遊んだあとの濡れた足や土足でも気兼ねなく使えるよう、土間仕上げとした。土間と壁は黒く染めている。黒はあらゆる色を吸収し自己(ここでは空間)を消去する色だと考えている。
黒に染め上げることで雑木林の緑が際立つとともに室内へと侵食し傍に感じられ、空間が自然で満たされていく。近年の省エネ至上主義の数値にとらわれた改修ではなく、家の原点に回帰していくような、あるがままの環境と共に暮らす良い家になったと思っている。
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以下、建築家によるテキストです。
宮崎県日向市の有名なサーフスポット「金ヶ浜ビーチ」を臨む住宅のリノベーション。
ビーチと住宅の間に国有の雑木林が広がっているために、眼前にビーチが広がってはいないが、住宅の周囲と内部には絶えず波の音や潮の香りが漂っている。
元の住宅は過去に数回の増改築と移築が行なわれており、間取りでいうと「5DK+縁側」であった。
そのうち、海側の3室と台所と縁側の一部の壁、天井、建具をすべて取り払い、海側に大きな空間をつくった。改修部分は筋交いの増設や構造面材張り等の耐震補強を行い、改修に伴う解体部分の解体後に現れてきた、脆弱な柱の交換や、梁や基礎の補強を行っている。柱や筋交い、小屋組みはそのまま現しとした。
あらわにされた無造作に林立する柱は、雑木林の木々と呼応するかのようで、室内に雑木林の空気感を呼び込んでいる。
海側の空間は床も取り払い、ビーチで遊んだあとの濡れた足や土足でも気兼ねなく使えるよう、土間仕上げとした。
土間と壁は黒く染めている。黒はあらゆる色を吸収し自己(ここでは空間)を消去する色だと考えている。
黒に染め上げることで雑木林の緑が際立つとともに室内へと侵食し傍に感じられ、空間が自然で満たされていく。
近年の省エネ至上主義の数値にとらわれた改修ではなく、家の原点に回帰していくような、あるがままの環境と共に暮らす良い家になったと思っている。
■建築概要
題名:金ヶ浜の家
所在地:宮崎県日向市
用途:専用住宅
設計:石躍健志建築設計事務所 担当/石躍健志、落香奈江
施工:西尾建設 担当/西尾賢
構造:木造在来工法 平屋建て
敷地面積:618.67㎡(187.14坪)
延床面積:117.75㎡(35.61坪)
設計期間:2023年5月~2024年3月
工事期間:2024年4月~2024年7月
写真:針金洋介
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | LDK 床 | |
内装・床 | 土間 床 | 色付きモルタル金コテ仕上 目地材黒(LIXIL) |
内装・床 | Room-1 床 | |
内装・壁 | LDK 壁 | 既存壁下地調整の上 AEP塗装(エスケー化研) |
内装・壁 | 土間 壁 | ラワンベニヤの上 OS塗装[VATON] |
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