プリズミック・ギャラリー、成瀬友梨+猪熊純 プロジェクト展
サムネイル:プリズミック・ギャラリー、成瀬友梨+猪熊純 プロジェクト展

プリズミック・ギャラリー、成瀬友梨+猪熊純 プロジェクト展

narukuma-exhibition01.jpg

narukuma-exhibition02.jpg

プリズミック・ギャラリーで行われている成瀬友梨+猪熊純 プロジェクト展の写真と、建築家による解説テキストです。展覧会は2009年9月23日まで開催

narukuma-exhibition03.jpg
narukuma-exhibition05.jpg
narukuma-exhibition09.jpg
narukuma-exhibition10.jpg
以下、建築家による展覧会についてのテキストです。



 Growing from context 成瀬友梨+猪熊純 展 



いきいきとした風景を作りたいと思っています。それは2つの意味において。
ひとつは、建築がそれ自体で完結しないこと。建築が、人やモノや周辺環境と関わりあい、一体的な風景を生み出すこと。アクティビティや環境と共にある風景、インタラクティブな風景。
もうひとつは、世界に多様性を取り戻すこと。同じような建築ばかりになり場所性が消えつつある中で、その場所らしいということ。新しいバナキュラー。
これら2つは、結局似たことを言っています。建築のなりたちを、毎回ゼロから探すこと。人・モノ・周辺環境、時には社会的状況まで、建築に関わるあらゆるコンテクストを拾って育て、顕在化すること。
一つの原理の追求でもなく、単なる条件の整理でもなく、コンテクストと生成原理の関係の追及。
生物はそれ自体活き活きとした美しさを持ち、同時に世界に豊かな生態系を生み出します。それは、種の中に初めから、コンテクストを引き受けた原理が無数に蓄積されているからです。建築もそういうものでありたいと思います。
今回の展示は、そんな考え方が、様々な形で現れている作品たちです。内装ではモノや人との関わりであったり、家具では素材との関係であったり、建築プロジェクトでは、敷地からプログラムまでを包括的に反映しているものもあります。


 会場について 



この会場もまた、他のプロジェクトと同様、ギャラリーの空間、展示物、見に来てくださる人々を、どう活かして、全体の風景を作るかを考えました。展示物一つ一つに対しそれぞれ展示台を与え、台を床と同じ赤色に染めています。
 展示物は、完全な白模型から、たくさんの色や素材が使ってあるものまで多種多様です。白い展示台であれば、白模型だけが背景に溶けてしまう所を、赤い展示台は、それらの特性を最大限にいかし、全てをいきいきと見せてくれます。
 床と同じ色であるため、床までこの展示のために塗ったような、拡がりのある空間となっています。この場所を歩く人にとっても、赤い地形の中を散策するような体験になればよいと思っています。
 また、細かな配置に関しては、窓から見える風景を活かし、青山霊園側に緑の多い模型、町並みを望む側に街の模型を置き、それぞれのプロジェクトを、部屋の外まで広げています。必要とされた会議スペースは、会場と分離せず、あえて中央に置き、模型に囲まれた休憩スペースのようになっています。
 
 この会場は、作品を見せるための背景であり、同時に、私たちの設計の仕方を原寸で体験できる作品でもあります。
より多くの写真が成瀬猪熊建築設計事務所のウェブサイトに掲載されています。

あわせて読みたい

#猪熊純の関連記事

#成瀬友梨の関連記事

この日更新したその他の記事

ピーター・ズントーの作品を撮影した写真展”photographs of the work of peter zumthor”のプレビュー

ピーター・ズントーの作品を撮影した写真展”photographs of the work of peter zumthor”のプレビュー画像がdesignboomに掲載されています

写真家のヘレネ・ビネが撮影した、ピーター・ズントーの建築の写真の展覧会”photographs of the work of peter zumthor”のプレビュー画像が8枚、designboomに掲載されています。ケルンのガブリエル・アンマン・ギャラリーで2009年9月4日から開催。

10+1のサイトの建築系ラジオr4が更新

10+1のサイトの建築系ラジオr4が更新されています

10+1のウェブサイトの建築系ラジオr4が更新されています。
■全体討議 東京論──新しい地形としての東京1 東京論の系譜/新しい東京の地形に向かって[南泰裕+新井正晃(UPLINK)+石川初山中新太郎山田幸司松田達]
■広島若手建築家トーク2 展示会の目的──思考の伝達[谷尻誠土井一秀小川文象+加藤耕一+松田達]
の二本を聞くことができます。

book”フィンランド光の旅―北欧建築探訪”

書籍”フィンランド光の旅―北欧建築探訪”がamazonで発売されています

書籍”フィンランド光の旅―北欧建築探訪“がamazonで発売されています。出版社のサイトに概要とプレビュー画像が6枚掲載されています。ユハ・レイヴィスカも寄稿してます。

フィンランド光の旅―北欧建築探訪
伊藤 高
4903267733

SDレビュー2009の入選作品が発表

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。