黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、西側の道路より見る。 photo©中山保寛
黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、東側より6~9階部分を見る。 photo©中山保寛
黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階、シェアオフィス、「ファサード空間」(ラウンジ) photo©中山保寛
黒川智之建築設計事務所が設計した、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」です。
都心の大通りに建つテナントオフィスビルの計画です。建築家は、街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案しました。そして、建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出しました。
ビル内のクリニック内装は、黒川智之建築設計事務所、シェアオフィスの内装は、髙濱史子小松智彦建築設計が担当しています。
都心の大通り沿いに建つ10層のテナントオフィスビル。
本計画では、汎用性の高い執務スペースとして、敷地奥側に基準階を反復した整形無柱のボックスを配置した上で、都市との中間領域となる余剰空間として「ファサード空間」を前面道路側に設けた。
「ファサード空間」は、奥行2mのガラスに囲われた空間である。
この寸法は、廊下としては広く、部屋にはなりにくい中間的スケールであり、通りから見上げた際に内部の活動が視認できるサイズでもある。この奥行と、アクセスの起点となるEV出入口が道路側に設けられていることが相まって、ファサード空間は、ラウンジや待合など余白的な用途に結びつきやすくテナントごとの活動の差異が生まれやすい場となる。
基準階の反復による建築では、グランドレベルでの都市との関係に議論が集中しがちだが、本計画では、基準階の構成をボックスと余剰に分け、余剰を通り側に集約することで、建築全体が立面を通じて都市と関係を持つ構えとしている。
10層にわたり通りに面する「ファサード空間」を都市との垂直的な接点と捉え、建築が周辺環境と相互に浸透する構成とすることで、街と密接につながるオフィス空間を目指した。
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黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、西側の道路より見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、西側の道路より見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、南東側より見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、東側より6~9階部分を見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、東側の歩道より見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、東側の歩道より見上げる。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す2階、テナントスペース、「ファサード空間」を見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す3階、クリニック、「ファサード空間」 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す3階、クリニック photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階、シェアオフィス、「ファサード空間」(ラウンジ) photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階、シェアオフィス、「ファサード空間」(ラウンジ)(カーテンを閉めた状態) photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階、シェアオフィス、「ファサード空間」(ラウンジ) から個室側を見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階、シェアオフィス、「ファサード空間」(ラウンジ) の開口部と柱。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す7階、シェアオフィス、個室ブースから6階の「ファサード空間」(ラウンジ) を見下ろす。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す9階、シェアオフィス、6名個室から8階の「ファサード空間」(ラウンジ) を見る。 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す10階、ラウンジ photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す外観、東側の道路より見る。夜景 photo©中山保寛

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す1階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す2階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す3階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す4階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す5階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す6階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す7階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す8階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す9階平面図 image©黒川智之建築設計事務所

黒川智之建築設計事務所による、東京・新宿区の「KEITOKU BLDG」。都心の大通りに建つテナントオフィスビル。街と密接に繋がる存在を目指し、奥行2mでガラス張りの“ファサード空間”を各階に配置する構成を考案。建築全体が“立面を通じて都市と関係を持つ構え”をつくり出す10階平面図 image©黒川智之建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
都心の大通り沿いに建つ10層のテナントオフィスビル。
本計画では、汎用性の高い執務スペースとして、敷地奥側に基準階を反復した整形無柱のボックスを配置した上で、都市との中間領域となる余剰空間として「ファサード空間」を前面道路側に設けた。
「ファサード空間」は、奥行2mのガラスに囲われた空間である。
この寸法は、廊下としては広く、部屋にはなりにくい中間的スケールであり、通りから見上げた際に内部の活動が視認できるサイズでもある。この奥行と、アクセスの起点となるEV出入口が道路側に設けられていることが相まって、ファサード空間は、ラウンジや待合など余白的な用途に結びつきやすくテナントごとの活動の差異が生まれやすい場となる。
基準階の反復による建築では、グランドレベルでの都市との関係に議論が集中しがちだが、本計画では、基準階の構成をボックスと余剰に分け、余剰を通り側に集約することで、建築全体が立面を通じて都市と関係を持つ構えとしている。
10層にわたり通りに面する「ファサード空間」を都市との垂直的な接点と捉え、建築が周辺環境と相互に浸透する構成とすることで、街と密接につながるオフィス空間を目指した。
■建築概要
所在地:東京都新宿区西新宿
主用途:事務所・診療所・店舗
建築主:有限会社 惠徳
設計統括・建築:黒川智之建築設計事務所 担当/黒川智之、田代日出郎
内装設計(シェアオフィス):髙濱史子小松智彦建築設計 担当/髙濱史子、小松智彦、辻大海
内装設計(クリニック):黒川智之建築設計事務所 担当/黒川智之、山根雄高
構造:オーノJAPAN 担当/大野博史、藤田竜平
電気設備:Eos Plus 担当/高橋翔、福島颯太
機械設備:テーテンス 担当/櫻井修
施工統括・建築:守谷商会 担当/平川達則、久保田真悟
空調・衛生施工:吉田設備工業 担当/吉田春仁、菊池洋介
電気施工:共成電気 担当/中山修、重田悠希
構造:鉄⾻造
敷地⾯積:150.39㎡
階数:地上10階
⾼さ:最⾼⾼さ 35.883m 軒⾼ 32.783m
建築⾯積・建蔽率:107.40㎡(71.42%)
延床⾯積・容積率:952.26㎡(593.66%)
設計期間:2020年12月~2021年8月
施⼯期間:2021年9⽉〜2023年4⽉
写真:中山保寛
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外構・床 | 外構 | タイルt15
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外装・壁 | 外壁 | コンクリート化粧打放し 打放し合板型枠の上フッ素樹脂塗料塗布
押出成形セメント板t60[アスロック ナチュラルプラス](ノザワ)
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外装・屋根 | 屋根 | コンクリート改質防水材塗布 押出法ポリスチレンフォームt50の上押えコンクリートt60
アスファルト外断熱防水t10+t50の上シンダーコンクリート 歩行用 t80
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外装・建具 | 開口部 | メタルカーテンウォール 溶融亜鉛めっき
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内装・床 | シェアオフィス 床 | タイルカーペット
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内装・壁 | シェアオフィス 壁 | PBt12.5+EP塗装
高耐食性めっき鋼板
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内装・天井 | シェアオフィス 天井 | デッキプレート現し
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内装・床 | クリニック 床 | ビニル床タイル
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内装・壁 | クリニック 壁 | PBt12.5+ダイノックシート
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内装・天井 | クリニック 天井 | コンクリート打放し
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