SHARE 吉岡徳仁による”Stellar”
吉岡徳仁がスワロフスキー クリスタルパレスのためにデザインしたシャンデリア”Stellar”です。今年のミラノサローネにて発表されます。「ヴィーナス- 結晶の椅子」のアイデアを発展させることによって生まれた作品との事。詳しくは、ページ下部の吉岡へのQ&Aを参照ください。
以下、吉岡徳仁へのQ&Aです。
SWAROVSKI CRYSTAL PALACE 2010 “STELLAR”
デザインの裏側のコンセプトやアイデアのインスピレーションは?
2008年、私は「ヴィーナス – 結晶の椅子」という自身の作品を発表しました。水槽の中で小さな自然結晶を成長させる事で構造となり、まるで女神が水の中から現れるように、時間とともにその姿を現す作品です。(特別な成分を溶かした溶液をはった巨大な水槽の中にやわらかなポリエステル繊維の塊を入れ、それに結晶が構造をつくり、徐々に育つ事で「ヴィーナス」が誕生します。)
そして今年、スワロフスキー クリスタルパレス の為にデザインをした本作品は、「ヴィーナス- 結晶の椅子」から続く私自身の結晶の研究の延長線上に位置づけられるものだと感じています。”詩的な輝きを放つスワロフスキークリスタルを用いて、結晶の椅子のアイデアを更に発展させる事ができないか。”という思いを巡らせて完成に至った作品が「Stellar」です。
特に今回の作品において、技術的な挑戦がありますか?また、それをどのようにして解決していったのでしょうか。
自然の結晶の構造のアイデアを発展させ、敢えて人間が生み出した美しさではなく、自然の美しさを取り入れたということです。
私たちの手ではコントロールすることのできない「自然」という素材をつかって表現した事は、技術的な挑戦でした。
クリスタルという素材の魅力は?
詩的な透明感と、それ自体は透明でありながらも、光や輝きを捉えることができる、クリスタルという素材に魅了されています。
クリスタルという素材を使ってデザインをするときのチャレンジ/挑戦は?
今回のスワロフスキークリスタルパレスにおいて大切なのは、単に新しいシャンデリアをつくるということではなく、輝きによってこころを動かす「星」を生み出すことだと考えています。
今回のプロジェクトは過去2回のスワロフスキークリスタルパレスの作品/コラボとどのように違いますか?
2005年に発表した「Stardust」は、 数えきれない程の透明な光の粒子が空中にちりばめられ、イメージとなって浮かび上がるような、超未来的なシャンデリアでした。
2008年の「Eternal」では、スワロフスキーのシンボリックなシャトンを使い、クリスタルの永遠の輝きを透明なアクリルの中に封じ込めたスツールをデザインしました。空にちりばめられた星とその美しい輝きを地上に持ってきて、透明な塊の中に永遠に閉じ込めるというイメージから生み出した作品です。
そして2010年は、空から降りてきた星が、空間いっぱいに光を放つシャンデリア「Stellar」を発表します。
(提供:吉岡徳仁デザイン事務所)