SHARE 吉岡徳仁のアートディレクションによるチューリッヒでの展覧会「Cartier Time Art」
以下、デザイナーによるテキストです。
TimeArt
吉岡徳仁
「カルティエの果てしない美の追求と情熱が時を生み出す。職人の手で実現された完璧な調和が時間そのものを芸術へと磨き上げる。」
時間。
それは、光、風、香り、空気と同じように、目で見ることも、この手で掬いとることもできないが、わたしたちの日常に深く、その美しい息を潜ませていている。
物質社会では、時間が価値をもつ。
重要なのは体験である。
体験により時は耕され、そこには人生の果実が豊かに実りゆく。
それぞれの記憶が心に刻み込まれ、時間が流れ出す。
長い歴史と未来に対するアヴァンギャルドの発想。
この対極にある二つを融合させることで、カルティエらしい美しさを見い出す。
立体映像によって表現される、飛び出すような機械の内側が、訪れる人々の心を包み込む空間。
新たなるカルティエの時の鼓動が、それぞれの人生に刻みこまれることを願っている。