SHARE HHF、アイ・ウェイウェイ、エレメンタルなどが参加したメキシコの「Ruta del Peregrinoプロジェクト」をまとめた書籍のプレビュー
HHF、アイ・ウェイウェイ、エレメンタルなどが参加したメキシコの「Ruta del Peregrinoプロジェクト」をまとめた書籍のプレビューです。
以下、この書籍についてのテキストです。
メキシコ、ハスリモ州、州都であるグアダハラの西に広がる山岳地帯に、200年の歴史をもつRuta del Peregrino(巡礼の道)がある。毎年イースターの時期になるとメキシコ国内から2百万を超える巡礼者が集まり始点アミカの町から三つの山を超え、終点タルパ・デ・アレンデを目指す。ドンキーと呼ばれる杖を片手に、サトウキビやトウモロコシの畑、農場、小川、オークやパインの林を横切りながら全長117kmに及ぶ巡礼の道を歩むことで自然の深遠さに触れ、生態系に対する感謝の念を再確認するのである。この長い旅路を支援する施設として、強い日差しから逃れ足を休める休憩所(shelter)、景色を楽しむための展望台(lookout point)、心を静める聖所(sanctuary)、水の供給所(service areas)がメキシコ出身で世界的に活躍する建築家デレック・デリェカンプとタチアナ・ビルバオのマスタープランをもとに他7組の建築家やデザイナー、クリスト&ガンテンバイン(スイス)、アイ・ウェイウェイ(中国)、ルイス・アルドレーテ(メキシコ)、HHFアーキテクツ(スイス)、エレメンタル(チリ)、ペリフェリカ(メキシコ)、ゴッドイラボ(メキシコ)によりデザインされた。
本書は2012年ヴェネチアビエンナーレにおけるRuta del Peregrinoプロジェクトのグループ展示に併せて作られた、建築写真家イヴァン・バーンによるフォトブックである。写真家が巡礼の時期に歩んだ道のりを、建築や巡礼者とともに紹介している。広大な自然を横切る旅路でひょんと現れる建築と、旅する人々の間で生まれるストーリーに触れられる一冊となっている。