SHARE 能作淳平 / 能作淳平建築設計事務所による「赤羽台団地のリノベーション」
能作淳平 / 能作淳平建築設計事務所が設計した「赤羽台団地のリノベーション」です。
以下、建築家によるテキストです。
団地をできるだけ自由な間取りにしたい。住み手の工夫次第で新たな使い方を考えることができる間取りだ。団地の代表的な間取りである「2DK」は核家族が住むことを想定してつくられた。建設当時、都市の人口増加を解消するために効率的につくられたが、一方で核家族の適正サイズの空間として、画一的につくられた間取りに窮屈さも感じる。本計画はそのような団地の一室を賃貸物件に変えるための改修である。不特定多数の人が使うことを想定し、複雑につくり込むのではなく、なるべくおおらかにつくり、スペースに余裕を持たせるのが望ましいと考えた。そこで、最小限の要素でつくられたワンルームマンションの間取りを参照し、それをそのまま拡大したような形にした。居間だけでなく、キッチンカウンターや浴槽、洗面台など住宅の要素を全て拡大することで、例えば湯沸ししかできないキッチンも料理教室の調理台のように、洗面台と便器を詰込んだユニットバスもホテルのバスルームのように、一人分の小さな収納もベッドが納まるスペースに変わる。居間はちょっとしたお店や事務所であれば、お客さんを招くスペースにもできる。小さな部屋で構成された間取りだと、そこに住む家族だけが占有し、家族以外の人は入りにくいが、全てを大きくつくり、スケールアウトすることで、人を招き、自由に使ってよいような寛容な状態になれる。このように家族以外の人も入りやすい開放的な間取りにすることで、高齢化が進む団地にいろんな世代や職種の人たちが集まるきっかけになればと思う。
■建築概要
建物名称/赤羽台団地のリノベーション
設計/能作淳平建築設計事務所
施工/泰進建設
所在地/東京都北区
主要用途/専用住宅
家族構成/未定
天井高さ 2,350mm
専有面積 47.97m2