SHARE 伊東豊雄建築設計事務所+アトリエ・天工人+Ma設計事務所による集会所「釜石漁師のみんなの家」の写真
伊東豊雄建築設計事務所+アトリエ・天工人+Ma設計事務所による集会所「釜石漁師のみんなの家」の写真がアトリエ・天工人のウェブサイトに掲載されています
伊東豊雄建築設計事務所+アトリエ・天工人+Ma設計事務所による集会所「釜石漁師のみんなの家」の写真が24枚、アトリエ・天工人のウェブサイトに掲載されています。
「みんなの家」は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興支援として、同年5月から、伊東豊雄氏を中心とする帰心の会(メンバー:伊東豊雄氏、山本理顕氏、内藤廣氏、隈研吾氏、妹島和世氏)によりスタートしたプロジェクトです。2013年3月に伊東氏から連絡があり「アメリカのJapan Societyという団体からの助成を受け、漁師のための“みんなの家”をつくりたい」との依頼を受け、釜石のTeMaLiチームのメンバーの一人である水上氏も加わり、伊東豊雄建築設計事務所とアトリエ・天工人、Ma設計事務所が協同で設計をスタートしました。
今回の「みんなの家」が今までの7棟と多少毛色が異なる点は、2010年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展においてバーレーン館が金獅子賞を受賞したことに端を発し、東京都現代美術館で展示されたバーレーンの漁師小屋を釜石市に移築し、同じ漁師つながりということでそれを併設したいという条件があったことです。新しくつくる母屋、それに併設するバーレーンの漁師小屋、という形で当初より考えてきました。
伊東氏が考える「みんなの家」は、私が思うに、発注する側・使う側が今まで以上に、より詳細に話し合い、実のある建築とすること。また、つくるプロセスにおいてさえも、発注する側・使う側、およびそれに関わる支援する人たち、みんなでつくることが、この建築の意味だと思っています。
今回、伊東豊雄建築設計事務所とアトリエ・天工人、Ma設計事務所から依頼した協賛企業や職人たち、そしてボランティアで来てくれた一般の人や学生達、遠くは九州大学から、何十名もの人が釜石での建設工事に関わってくださいました。
皆さんのおかげで、この建物は無事に完成を迎えることが出来ました。私自身、この建築に携わって得たものが2つあります。
1.伊東氏の震災復興に対する強い思いと、これからの建築のあり方を垣間見れたこと。
2.様々な人が関わり建築をつくることは、大変な反面、素直に嬉しいということ。このみんなの家は「小さな建築」ではありますが、これからの建築のあり方を示唆する大きな意味の建築だと思っています。私自身が10年前から素材や工法・構造を大学、企業、様々な関係者とつくってきたことを考えると、私の建築の方法論が間違っていなかったことを再認識させらる機会となりました。