SHARE 富山大学芸術文化学部 貴志研究室+横山研究室による富山県高岡市の「木津の庄コミュニティセンター+公園」
富山大学芸術文化学部 貴志研究室+横山研究室が設計した富山県高岡市の「木津の庄コミュニティセンター+公園」です。
住宅スケールから逸脱し、むしろ公園のスケールを有することで公園との親和性を持たせた大きな屋根が、公園にただ浮かんでいるだけで、且つその下の空間に公園のように仕切りのないひとつながりのスペースでありながら様々な場を創りだすといった状況によって、公園とセンターをより一体化できると考えました。
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以下、建築家によるテキストです。
背景
「木津の庄」は、スマートでコミュニティを大切にする街として、住人同士の絆を育む環境の形成を第一に計画された新興住宅地です。コミュニティの場として、従来の住宅地にある必要最低限の面積の公園や素っ気無い公民館ではなく、住人が普段使いで集い、交流したくなるような公民館と公園を計画しました。
コンセプト
公園のスケールを有する大きな屋根が浮かんでいるだけのような、公園と一体化したコミュニティセンター
デザイン
住宅スケールから逸脱し、むしろ公園のスケールを有することで公園との親和性を持たせた大きな屋根が、公園にただ浮かんでいるだけで、且つその下の空間に公園のように仕切りのないひとつながりのスペースでありながら様々な場を創りだすといった状況によって、公園とセンターをより一体化できると考えました。 また、積雪1.5mに耐えながら、住宅地側に水平力を担う耐力壁をまとめて設け、公園側には最低限の数のポスト柱を配するため、屋根フレーム自体に3mの厚みを持たせた立体トラスとして、浮遊感と公園との一体感をもたせました。さらに、天井高の異なる屋根フレームとその下のスペースとの境界には様々なピッチの木ルーバーを設け、その下の空間の光環境を制御する照明・天窓や、熱環境を制御するエアコンやシーリングファンなどの設備を屋根フレーム内に取込むことで、屋根フレームの下のスペースに様々な場を設け、それらを特徴付けました。
展望
都心部に限らず、地方の郊外においても、地域コミュニティが衰退しています。特に、新興住宅地においては、コミュニティを初めから築いていかなくてはいけない為、希薄になりがちです。会合や行事だけ行われる従来の素っ気無い閉鎖的な公民館を、住人が普段使いしたくなるような魅力ある開放的な施設へ変えていくことは、住民同士の交流を促進し、持続的な地域コミュニティの活性化を実現する有効な手法であると考えます。
■建築概要
名称 木津の庄コミュニティセンター+公園
所在地 富山県高岡市
用途 公民館+公園
構造 木造
規模 地上2階
敷地面積 429.68㎡(コミュニティセンター) 2800.02㎡(公園)
建築面積 229.45㎡
延べ面積 234.95㎡
意匠設計:富山大学芸術文化学部 貴志研究室+横山研究室
貴志雅樹、(富山大学芸術文化学部 教授/貴志環境企画室)
横山天心、(富山大学芸術文化学部 講師)
根塚陽己、酒井克弥、蒲由奈(富山大学芸術文化学研究科修士)
構造設計:鈴木啓、木村洋介 (ASA)
照明計画:角舘政英、竹内俊雄(ぼんぼり光環境計画)
写真撮影:母倉知樹(母倉写真事務所)