SHARE 長坂常 / スキーマ建築計画による「ブルーボトルコーヒー 清澄白河ロースタリー & カフェ」
all photos©太田拓実
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した「ブルーボトルコーヒー 清澄白河ロースタリー & カフェ」です。
ブルーボトルコーヒーはサードウェーブコーヒーの代表格と言われ、彼らは味を高めるのみにとどまらず、フェアトレードを推進しコーヒー農園の労働環境の向上、つまり一連のサイクルすべてにおいて偏りのない関係を構築し、バリスタや消費者の意識を改革しながら共に成長していくスタンスをとっている。我々はその考え方にならい、外に開かれ、かつ中でもフラットな関係を築き、建物内どこにいても、誰であろうと、互いに動きを感じながら協調し高め合う関係をつくる空間を目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
カリフォルニア州オークランド発の「ブルーボトルコーヒージャパン」の生産拠点となる、焙煎所・カフェ・オフィス・バリスタを育てるトレーニングルーム・ペイストリー工場を兼ねたスペースの倉庫からの改修計画である。ブルーボトルコーヒーはサードウェーブコーヒーの代表格と言われ、彼らは味を高めるのみにとどまらず、フェアトレードを推進しコーヒー農園の労働環境の向上、つまり一連のサイクルすべてにおいて偏りのない関係を構築し、バリスタや消費者の意識を改革しながら共に成長していくスタンスをとっている。我々はその考え方にならい、外に開かれ、かつ中でもフラットな関係を築き、建物内どこにいても、誰であろうと、互いに動きを感じながら協調し高め合う関係をつくる空間を目指した。そのためにまず各フロア巨大なガラス建具を配し、同階および室内外での透明性を維持し、1、2階という上下関係においても開口部を設け、境界を越えて意識し合う関係を作ろうとした。
元々この建物が倉庫であったため、既存では窓がなかったが機能的には長時間いる場所ゆえ、どこに対しても光を届けられる中央部にトップライトを設け、2階の各部屋に光を注ぎ込み、各部屋の動きを繫ぎ止めている。また同時に1階と2階を結ぶ吹き抜けの上にこのトップライトは位置し、そこがまた緑化されているので、光が燦々と植物にあたり、その反射光で階段下まで木陰のように緑色を帯びた光を届け上下の関係をつくっている。
お客様からしたらカフェに来たというよりも工場の一角で制作現場の臨場感と生のコーヒーを味わいながら、少し距離のある2階を眺めるとき、そこから緑に染まった光が落ちてきて、同時に異国感も手助けし、上がってみたい憧れの場所として見えてくる。また、もう一つこの建物心臓部でもある焙煎機上にガラスの床を設置し、もう一つ上下を視覚的に結ぶ関係を生んでいる。それによって、上階で勤務するスタッフからすると下の現場の様子が見られ、自分の仕事がどんな喜びに変わっているかを肌で感じ励みになり、同時に管理者からすると見えることによって下での問題点を絶えず意識し、早い改善につながる。そのようにふたつの中心を介して各所が関係し、相互に高め合う関係が生まれている。
長坂常
■建築概要
ブルーボトルコーヒー 清澄白河ロースタリー & カフェ
設計:長坂 常/スキーマ建築計画
担当:山本 亮介
所在地:東京都江東区平野1-4-8
主用途:焙煎工場、倉庫、厨房、オフィス、カフェ
施工:株式会社TANK
協力:SOUP DESIGN(グラフィック)、SOLSO(植栽)、fresco(ペンダント照明)、STANDARD TRADE(ハイスツール)、O.F.C(コンディメント)、株式会社マルゼン(厨房計画)、株式会社ディーシーエス(焙煎機計画)、レビ設計室(環境設計)、WHITELIGHT.Ltd(音響計画)、遠藤照明(照明計画)
階数:1、2
床面積:1F_271.72m²、
2F_271.72m²
構造:鉄骨造
竣工:2014年10月31日
OPEN:2015年2月6日