SHARE 間宮晨一千デザインスタジオによる、名古屋市の、築30年以上の木造住宅を美容院に改修した「美髪舎drop」
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間宮晨一千デザインスタジオによる、名古屋市の、築30年以上の木造住宅を美容院に改修した「美髪舎drop」です。
築30年以上の木造住宅を美容院に改修する計画。
敷地は交通量の多い道路に面しており、周囲から認識されやすい環境である。はじめて建物を訪れたとき、そこには欄間、真壁の柱、天井仕上げ、床の間が、時間を経て力強く、そして美しく佇んでいた。
この設えを最大限に活かながら、そこに、クライアントが想い描いていた「一滴の雫から波紋のように広がっていくイメージ」をささやかに加えることで、既存空間の魅力を損なうことなく、新たな時を重ねていける豊かな空間を目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
築30年以上の木造住宅を美容院に改修する計画。
敷地は交通量の多い道路に面しており、周囲から認識されやすい環境である。
はじめて建物を訪れたとき、そこには欄間、真壁の柱、天井仕上げ、床の間が、時間を経て力強く、そして美しく佇んでいた。
この設えを最大限に活かながら、そこに、クライアントが想い描いていた「一滴の雫から波紋のように広がっていくイメージ」をささやかに加えることで、既存空間の魅力を損なうことなく、新たな時を重ねていける豊かな空間を目指した。
エントランス、レセプション、スタイリングスペース、シャンプースペース、着付け室と連続感のある各スペースをL型に配置し、「曲面の壁」に沿って自然と奥に引き込まれるような空間とした。
また、カット台や、レセプションカウンターなどは、「可動家具」とすることで、大きな空間を多目的に使える空間となっている。
この「曲面の壁」「可動家具」を既存空間に加えるという最小限のデザインで、美容院として機能する空間が実現している。
内装以外にも、ロゴや印刷物、看板までトータルに提案し、店舗のブランディングまで関わった計画となった。
人の住まない、用途を失った空間が、一滴の雫によってその魅力を取り戻し、力強く、美しいその表情で、人々を迎え入れている。
■建築概要
所在地:名古屋市
構造・規模:木造2階建ての改修
主要用途:美容室
計画期間:3ヶ月
施工期間:1ヶ月
完成時期:2014年12月
担当:間宮晨一千・杉浦愛子