SHARE 落合守征デザインプロジェクトによるレストラン「Dream Dairy Farm Restaurant」
all photos©石田篤
落合守征デザインプロジェクトが設計したレストラン「Dream Dairy Farm Restaurant」です。
豊かな大自然の森に包まれる牧場のレストラン。
提供される料理は、牧場で生産された新鮮な牛乳から作られるチーズやヨーグルトなどの乳製品が使用されていることが特徴となっている。空間全体で、新鮮な食材の力や良質な乳製品を育む牧場の森の自然環境をイメージさせ料理を魅力的に見せること、また、創業当時から存在する既存の木造小屋の空間の魅力を生かすこと、を求められた。
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以下、建築家によるテキストです。
豊かな大自然の森に包まれる牧場のレストラン。
提供される料理は、牧場で生産された新鮮な牛乳から作られるチーズやヨーグルトなどの乳製品が使用されていることが特徴となっている。空間全体で、新鮮な食材の力や良質な乳製品を育む牧場の森の自然環境をイメージさせ料理を魅力的に見せること、また、創業当時から存在する既存の木造小屋の空間の魅力を生かすこと、を求められた。
既存の古い木製の梁の上に、現代の森として白い格子を配置し、時間と空間の重ね合わせを試みている。
格子状の天井は、二種類の大きさの格子を立体的に組み、面には艶のある半透明な樹脂板を貼り、柔らかい光を満たす発光体となっている。鑑賞者の位置や視線の角度に応じて、格子の立体的な重なりが変化し、樹脂板の反射光と透過光がすれ違ったり、ぶつかり合ったりしながら複雑に混ざり合う。
一つの格子の光が、別の格子の光を呼び共鳴し、一つ一つが光の束となり空間を突き進み、河の流れのようにほとばしる飛沫となって空間に解き放たれる。角度によってはダイナミックに、あるいは、微妙に変化し、その変化が生み出す表情を豊かに感じられるものとなり、移ろいゆく多様な光の状態を実現している。
壁面は、牧場の素朴な土のような質感を持つ特殊な塗装を施し、暖かみのある木材を組み合わせ、親しみと優しさに溢れる雰囲気を演出。カウンターには荒々しい木目が滝のように流れ、柱には木の質感を強調した塗料を施し、生命力のある木のエネルギーを空間に漂わす。
格子の下には、ミルクが流れるような形状のペンダント照明が浮遊し、空間に軽やかなリズムを響かせている。
新旧の時間と空間が重なり合い、幾重にも絡み合う格子と光のレイヤーが、神秘的な輝きと深遠な奥行きを持った森のような空間が実現している。
■建築概要
タイトル : Dream Dairy Farm Restaurant
設計:落合守征デザインプロジェクト
用途: レストラン
施工:aslego (担当:梶山直樹)
床面積 : 80㎡
階数:1
構造:木造
竣工:8/2014
写真:石田篤