SHARE 早川友和建築設計事務所による、東京都目黒区の、70年代中古マンションのリノベーション「SYNCOPATED, REVOLVING DOOR CONDO」
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早川友和建築設計事務所が設計した、東京都目黒区の、70年代中古マンションのリノベーション「SYNCOPATED, REVOLVING DOOR CONDO」です。
東京都目黒区にある、70年代中古マンションのリノベーションである。私達は、移りゆく四季の環境に順応する’しなやかな’ガラスケースを挿入したいと考えた。
回転ドアは、初めは来客の多いクライアントの要望に対応するためのものだった。私達はパーティションや可動間仕切りのようなもので来客が休息するリビングを緩やかに区切れないかと考えた。一方で最近の趣味であるバイクを眺めながらワインを飲みたいというクライアントの要望に答えるべきであった。やがてそれらは、壁面全体を使った収納と一体化したデザインになり、ガラスのスクリーン+回転ドアとして重要な室内とのデザインを決めるファクターとして残ったのである。
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以下、建築家によるテキストです。
東京都目黒区にある、70年代中古マンションのリノベーションである。私達は、移りゆく四季の環境に順応する’しなやかな’ガラスケースを挿入したいと考えた。
回転ドアは、初めは来客の多いクライアントの要望に対応するためのものだった。私達はパーティションや可動間仕切りのようなもので来客が休息するリビングを緩やかに区切れないかと考えた。一方で最近の趣味であるバイクを眺めながらワインを飲みたいというクライアントの要望に答えるべきであった。やがてそれらは、壁面全体を使った収納と一体化したデザインになり、ガラスのスクリーン+回転ドアとして重要な室内とのデザインを決めるファクターとして残ったのである。
私達はそのデザインの形骸化を寧ろ喜んで受け入れた。回転ドア+ガラススクリーンはこの部屋のイメージを決めるファクターではなく、室内環境を高める機能として貢献したからである。T型の回転ドアは、角度によって機能の変更を行う。0°ではスニーカーやバイク、コレクションを飾るショーケースになり、90°では開放し夏には換気をしたり、180°では空気を切って遮音性、断熱性を高める装置となり、270°ではときにはやかましい部屋から逃れたい犬の個室を作ることが出来るであろう。それはいろいろな活用が出来るスイッチとしての可能性を秘めている。
床や壁の素材は、ガラススクリーンをまたいでいる。私達はそれを素材のシンコペーションと呼んでいる。透明なガラスで繋がる部屋と部屋では、シンコペーションする音符のようにマテリアルに自由の与えたいと考えた。譜割りされているマテリアルよりも、より深く跳ねるようなリズムが生まれると考えた。エレガントさを確保するためにキッチン、キャビネットや収納棚は、箱に見えるように注意深くデザインを行った。回転ドアは32mmフラットバーと360°ピポットヒンジを使うことで、ハンターナイフのような鋭いガラススクリーンにすることが可能になった。バスルームのヘリンボーンのタイル張りやキッチンの縦芋張りなど通常行わないマテリアルの扱いにも我々は挑戦している。
■建築概要
「SYNCOPATED, REVOLVING DOOR CONDO」
所在地:東京都目黒区
構造:RC造(リノベーション)
延床面積:75.50m2
竣工:2015年4月
設計監理:早川友和建築設計事務所
施工:シースリーデザイン
鋼製建具:SUSPRO