SHARE 富永大毅建築都市計画事務所による、岐阜県恵那市の住宅「ドーマー窓の家」の写真
富永大毅建築都市計画事務所のサイトに、岐阜県恵那市の住宅「ドーマー窓の家」の写真が掲載されています
富永大毅建築都市計画事務所のウェブサイトに、岐阜県恵那市の住宅「ドーマー窓の家」の写真が13枚掲載されています。
南側の国道はもともと商店の並ぶ街道であり、もとの住宅も国道に面して建ち、軒が通り側へ越境していた。建て替えるに当たり、日当たりや交通騒音を考えたら北側へ引っ込みたい。しかし、人口の減り続ける地方の田舎町で風景に寄与しない新築は望ましくないと判断した。そこで、昔の街並みに倣って通りに屋根面を立て、なるべく軒の先端を通りに出しつつ、壁を2m後ろに下げて方杖で支えた深い軒下を駐車場とした。これによって建物は街から引きこもることなく通りに灯りを落とし、街や地域の人も関わりやすくなる。雪や雨の時も濡れずに家の中まで行けるし、車がなければ軒先で建主が収穫した野菜や果物を売ったりできるかもしれない。
一方で南側に屋根面を立ててしまうと採光は得にくい。そこでヨーロッパのアパート最上階などによく見られるドーマー窓を付け、採光を確保することにした。さらに、このドーマー窓を肥大化させて南北に貫通させることで、夏場の煙突効果による自然換気口とするだけでなく、盆や暮れの休みには子供や孫が集まれるロフトとしても機能するような場所とした。床には光だけを通し、温熱や音は遮るFRPハニカムパネルが敷かれ、下の和室に光を落とす。構造として合理的だという理由で十字の構造の交点から筋交いを出した結果、ドーマー窓には漢字の「木」の字が現れ、町の人から親しみを持ってもらうきっかけとなった。