SHARE 奥野崇 / 奥野崇建築設計事務所による、愛媛県松山市の住宅「土間サロンのある家」
all photos©小川重雄
奥野崇 / 奥野崇建築設計事務所が設計した、愛媛県松山市の住宅「土間サロンのある家」です。
敷地は松山市内、不動産整理に伴う建て替えで、南北に細長い形状である。
東側の広大な空地は、8戸の住宅分譲地として近々売りだされる予定となっている。社交的で活動的な高齢の母と、じっくりと料理をすることを大切に守っている娘の二人と、慎重な性格の猫二匹のための住まい。
※以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
土間サロンのある家
敷地は松山市内、不動産整理に伴う建て替えで、南北に細長い形状である。
東側の広大な空地は、8戸の住宅分譲地として近々売りだされる予定となっている。
社交的で活動的な高齢の母と、じっくりと料理をすることを大切に守っている娘の二人と、慎重な性格の猫二匹のための住まい。
母の趣味である詩吟を仲間と気兼ねなく楽しめるよう、学校帰りに遊びにくる近所の子供達が集まりやすくなるよう、道路側には縁台付の和室を配置している。併設の土間サロンは、友人や地域の方の社交場としても捉えられており、小屋組をあらわした開放的な空間である。また土間サロンはつくしはかま取りなど、下ごしらえをするスペースとしても使われる。玄関から土間サロン、食品庫、台所と連続する、昔の農家住宅を現代的に整理したような格好。
一方、家族の空間は北側半分へコンパクトにまとめており、人間と猫のプライバシーを確保すると共に、今後を考慮して生活動線短くするよう配慮した。建物北側には東側分譲地の道路が接続しており、将来介護を必要となった場合には出入口となるよう計画している。
お互いを大切に想う家族が、それぞれの居場所でつかずはなれず在る。建物の真ん中に計画した中庭は、見え方や時間、光を変化させながら隣接する各室を繋いでいく。また季節の移ろいや、風の通り、流れによる水の音により生活に潤いを与えてくれる。
建主の生活スタイル同様に、全てにおいて無理がなく潔くあるようこころがけた。
■建築概要
名称:土間サロンのある家
設計:奥野崇 建築設計事務所 奥野 崇
構造:在来軸組工法 平屋
敷地面積:352.50㎡(106.60坪)
延床面積:141.59㎡(42.83坪)
所在地:愛媛県松山市余戸
竣工:2016年1月
撮影:小川 重雄
施工:株式会社 もみじ建築
造園:創造園 越智 将人