SHARE 村田純 / JAMによる、大阪の、住宅兼アトリエ「中津のリノベーション」
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村田純 / JAMが設計した、大阪の、住宅兼アトリエ「中津のリノベーション」です。
老朽化したマンションの一室。梅田の繁華街まで徒歩圏内にある利便性の高い立地。
敷地北側に広がる緑化公園は、この空間に繋がる大きな庭である。創作家であるクライアントは、24㎡のこの小さな空間を、できるだけ広く自由に使えるような使い方を求めていた。場所の特性上、アトリエやSOHOユースとして考えられた。
コストを軽減するため、躯体をそのまま現した状態で仕上げ、配管は全て露出させている。水回り・照明設備についても、必要最小限の刷新に留めた。
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以下、建築家によるテキストです。
老朽化したマンションの一室。梅田の繁華街まで徒歩圏内にある利便性の高い立地。
敷地北側に広がる緑化公園は、この空間に繋がる大きな庭である。
創作家であるクライアントは、24㎡のこの小さな空間を、できるだけ広く自由に使えるような使い方を求めていた。場所の特性上、アトリエやSOHOユースとして考えられた。
コストを軽減するため、躯体をそのまま現した状態で仕上げ、配管は全て露出させている。水回り・照明設備についても、必要最小限の刷新に留めた。
内部は不要な残置物や解体可能なものは全て撤去し、つや消しの白塗装が施されている。
西側の奥、元々の押入れを撤去し、コンクリートの粗面を一部露わにすることで、かつての痕跡として残している。
その表面には透明な塗装を施し、鈍い鉛艶の壁面として蘇らせ、白い空間の中で独特な存在感を放っている。
光沢のある床面には、刻々と変わる空や雲の様子、日常の何気ない動きが映り込む。そこには凪のような穏やかな印象が生まれ、静けさに満ちた空間に微かな動きを与える。
空間を緩やかに領域付けるのは、窓側・中央に引かれた2層のシアーカーテンである。外の風景をわずかに透過させる軽やかな布は、自然の要素を抽象化させるフィルターとして、そよ風を捉え、外光を拡散し、室内全体を抽象化する。
狭小空間をできる限りプレーンにデザインすることで、スケールを超えた豊かなスペースを獲得できるのではないかと考えた。感覚を研ぎ澄まし、街や自然へと意識を広げながら、都市における創作活動を楽しんでほしい。
■建築概要
設計:村田 純 / JAM
作品名:中津のリノベーション
所在地:大阪市
竣工年:2016
用途:住宅(アトリエ・SOHO)
構造:RC造
床面積:24.00㎡
写真:村田 純
model:Nini
facebook:jun.murata.9
website:www.junmurata.com