SHARE 佐々木慧+佐々木翔 / INTERMEDIAによる、長崎県長崎市の「あたご保育園」
photo©Kai Nakamura
佐々木慧+佐々木翔 / INTERMEDIAが設計した、長崎県長崎市の「あたご保育園」です。
敷地は長崎市の中心街から山手にのぼり、西側に中心街を見下ろす急な斜面地に位置する。周辺は複雑な地形に沿って開発された住宅地となっている。そこに「子供たちがどれだけ遊んでも遊び尽くせないくらい多様で自然があふれる建築」がのぞまれた。
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長崎特有の複雑な傾斜のある敷地。以前の棚田の名残がある人工と自然の間のような地形。
地形に当てはめるように平面を計画する。最小限の造成による床と擁壁をつくる。
壁と梁が一体化したリブ状の構造で擁壁を支える。短冊上に分割された、眺望へ向かう空間。
屋根を架ける。屋根の折れ方の違いが空間の大小、屋上園庭など、様々な居場所を生む。
中央の大階段に軽快な鉄骨造で屋根を架ける。長崎の階段の風景から連続する、外部的な明るい場所とする。
以下、建築家によるテキストです。
敷地は長崎市の中心街から山手にのぼり、西側に中心街を見下ろす急な斜面地に位置する。周辺は複雑な地形に沿って開発された住宅地となっている。そこに「子供たちがどれだけ遊んでも遊び尽くせないくらい多様で自然があふれる建築」がのぞまれた。
もともと棚田として造成された名残が残る敷地は、人工と自然の中間の、独特な立体的な魅力が感じられた。そこで、地形をなぞるようにボリュームを配置し、そこに後から当てはめるように保育園の平面計画を整理していった。
地形/コンターラインをなぞってそのまま立ち上げたような空間は、この土地の立体的な魅力をダイレクトに反映したものとなった。結果的に、大小さまざまな階段がうねりながら立体的にいきわたり、地形に沿って建物が配置される様は、長崎特有の立体的な街の豊かさと連続したものとなった。
■建築概要
所在地:長崎県長崎市愛宕
設計期間:2014.6-2015.3
工事期間:2015.4-2016.3
床面積:963.17m2
構造:RC造2階建て
意匠設計・監理:INTERMEDIA
担当:佐々木慧(元所員)、佐々木翔、泉竜斗、佐々木信明
構造設計・監理:荒木美香/佐藤淳構造設計事務所
設備設計・監理:シード設計社
照明設計・監理:LIGHT・PLAN
施工:長崎大建