SHARE 次回のギャラリー間での、建築展「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」の概要
次回のギャラリー間での、建築展「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」の概要が公開されています
次回のギャラリー間での、建築展「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」の概要が公開されています。会期は、2017年4月19日(水)~7月16日(日)。
TOTOギャラリー・間では、建築家・坂 茂氏の1999年以来18年ぶり、2回目となる個展「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」を開催します。
坂氏は、「ポンピドー・センター – メス」(2010年/フランス)や「大分県立美術館 OPAM」(2014年/日本)など、世界中で建築の設計に携わる一方、災害支援として紙管を構造体に使ったシェルターや仮設住宅などを提案してきました。2014年には災害支援と多方面に及ぶ建築活動が高く評価され、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞しました。
本展では、現在世界各地で進行中の最新プロジェクトのプロセスを通して、坂氏の設計思想と取り組みを紹介します。これまで「紙管」という安価で解体・組み立て・再利用が容易な素材を建材として利用し、建築作品だけでなく世界各地の災害支援にも尽力してきた坂氏が、今改めて「木」という素材の特長や可能性に注目し、これらを多様なかたちで用いた大規模なプロジェクトに挑戦しています。
なかでも、2017年パリ近郊、セガン島にオープンする「ラ・セーヌ・ミュジカル(La Seine Musicale)」は、約1,200人収容のクラシック音楽専用のホールを中心とした複合音楽施設で、坂氏のこれまでのキャリアの中では最大規模となります。船の帆をイメージし、日照に対応して回転する太陽光パネルや、木造の六角グリッドで構成した巨大なバスケットで包み込んだ円形の音楽ホールを有する建物は、あたかもセーヌ川に浮かぶ巨大客船のような様相を見せ、これからのパリの新しい文化発信の中心点としても期待されています。会場に展示される約4mの断面模型や着工から竣工までの定点観測映像などによって坂氏の建築の世界へ引き込みます。
その他、本展が初のお披露目となる複数のプロジェクトの進行状況についても、模型やモックアップ、映像など、臨場感あふれる展示で紹介します。木造大架構の屋根、壁面など、坂氏ならではのダイナミックな外観の中に、従来にない環境性能や居住性の可能性も感じることができるでしょう。