SHARE 藤原・室建築設計事務所による、大阪市の住宅「南田辺の家」
all photos©矢野紀行
藤原・室建築設計事務所が設計した、大阪市の住宅「南田辺の家」です。
間口3.75m、奥行き16.92mという細長い敷地に、もともとあった長屋を解体し建て替えた住宅です。
敷地の特徴を踏まえ奥行の視線を生かすよう計画した内部の構成は、分節されたフロアがスキップフロア状に地下1階地上3階と重層することで視線が様々な方向に抜けるよう工夫しています。
地下1階は多目的ルーム、1階は玄関ホール、2階はLDK、デスクスペース、3階に浴室等水回りと個室、そして屋上となります。
分節されたフロア間のあちこちに階段を配置することで上下方向の動線を複数設け、単調な移動ではなく家の中をぶらぶらと回遊するイメージを形にしてみました。
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以下、建築家によるテキストです。
間口3.75m、奥行き16.92mという細長い敷地に、もともとあった長屋を解体し建て替えた住宅です。
敷地の特徴を踏まえ奥行の視線を生かすよう計画した内部の構成は、分節されたフロアがスキップフロア状に地下1階地上3階と重層することで視線が様々な方向に抜けるよう工夫しています。
地下1階は多目的ルーム、1階は玄関ホール、2階はLDK、デスクスペース、3階に浴室等水回りと個室、そして屋上となります。
分節されたフロア間のあちこちに階段を配置することで上下方向の動線を複数設け、単調な移動ではなく家の中をぶらぶらと回遊するイメージを形にしてみました。
家の中のどこかで立ち止まったり、座ったりしながら、家の中の景色を眺める。外の景色を眺めにくい住宅地で、屋内を風景の一つととらえて、ただ過ごす空間をいうよりも時間を考えたいと思い計画しました。
一方、ファサードは、ステンレスチェーンのカーテンで全面を覆うことで、閉じると柔らかく視線を遮り、開けると十分な解放感が
得られるようにしています。ステンレスチェーンのカーテンは金属の硬い雰囲気と思われがちですが、建物という大きなスケールレベルにあると、風になびき、意外にも柔らかな印象を与えてくれます。このおかげで、日中は日の光を取り入れながら外部からの視線を柔らかく遮り、夜は室内の光を受けキラキラと輝く光のヴェールが現れます。
■建築概要
建築名:南田辺の家
設計事務所:藤原・室 建築設計事務所
主幹設計士:藤原慎太郎・室喜夫
場所:大阪府大阪市
竣工年:2016
用途(家族構成):専用住宅(ご主人1名)
敷地面積:63.45㎡ (19.19坪)
建築面積:41.49㎡ (12.55坪)
延床面積:92.36㎡ (27.94坪)
階数:地上3、地下1
構造:鉄骨造