SHARE abanbaによる、東京・町田の「成瀬の家(まほろのオフグリッドハウス)」
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abanbaが設計した、東京・町田の「成瀬の家(まほろのオフグリッドハウス)」です。
東京都町田市に建つ夫婦2人のための住宅です。電力網に接続せず、太陽光発電パネルによって、電気を自給自足する「オフグリッドハウス」として計画しました。 同じ時期に計画が進んでいた、小高町の家(横浜のオフグリッドハウス)では、キャンプのような屋外生活の延長にある、少し特殊なライフスタイルへの回答として、オフグリッドハウスを選択したのに対し、この成瀬の家では、住宅密集地における、エネルギーと生活の在り方を示し、ZEHの性能をクリアしたオフグリッドハウス、いわば少し未来の一般解としての住宅の提案が求められました。
設計の過程で、震災などの災害時に一時的に電気や水の供給ができる、地域のセーフティハウスとしての機能を待たせること、施主が専務を務める工務店のショールーム的な使われ方ができること、といった要件が追加されています。
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以下、建築家によるテキストです。
成瀬の家(まほろのオフグリッドハウス)
東京都町田市に建つ夫婦2人のための住宅です。電力網に接続せず、太陽光発電パネルによって、電気を自給自足する「オフグリッドハウス」として計画しました。 同じ時期に計画が進んでいた、小高町の家(横浜のオフグリッドハウス)では、キャンプのような屋外生活の延長にある、少し特殊なライフスタイルへの回答として、オフグリッドハウスを選択したのに対し、この成瀬の家では、住宅密集地における、エネルギーと生活の在り方を示し、ZEHの性能をクリアしたオフグリッドハウス、いわば少し未来の一般解としての住宅の提案が求められました。
東日本大震災をきっかけに、エネルギーと生活の在り方を見直していこうと考えた施主のご夫妻が、岡山にあるオフグリッドハウスの事例を見学したことをきっかけに、プロジェクトがはじまりました。設計者の選定には、9社の設計事務所によるコンペが行われ、我々が選定されました。
設計の過程で、震災などの災害時に一時的に電気や水の供給ができる、地域のセーフティハウスとしての機能を待たせること、施主が専務を務める工務店のショールーム的な使われ方ができること、といった要件が追加されています。
方位、敷地前面の道路、隣地の母屋との関係から導き出した外形を、RC外断熱とトリプルガラス樹脂サッシにより構成した、高い断熱気密性能を持った建物外皮とし、周辺環境と遮断した内部空間に熱的なバリアフリー環境を作り出したうえで、敷地内で得られる限られたエネルギーを、効率よく使いきるために、生活に必要な要素を【取り込み】、【留め】、【使う】循環を提案しました。
【取り込む】庇とルーバーで日射を制御する南面の開口や、重力換気用の北側トップライトなど、パッシブな仕組みと、電気と熱を作る同時につくることのできる太陽光パネル、井戸水を熱源としたヒートポンプなど、機器を介したものを使い分け、必要なエネルギーを取り込みます。
【留める】電力はフォークリフトに使われていたものを再生したバッテリーに蓄え、熱は蓄熱層に蓄えます。またペレットストーブの熱は室内のコンクリートに蓄熱され、温度変化を緩やかにします。
【使う】井戸水は屋根散水により建物の温度を下げ、太陽光パネルの清掃を行い、またエアコンの熱源としても用いられます。蓄熱層の熱は給湯のほか、空調機器の熱源となります。この空調機器によって、夏季に余る熱を効率よく使いきります。
■建築概要
意匠設計・監理:エイバンバ:番場俊宏、番場絵里香、川福拓
設備設計:ZO設計室:布施安隆
構造設計:ASD:田畠隆志、田畑孝幸
施工:栄港建設:宮本宣仁、山田隆憲
用途:一戸建ての住宅
構造:鉄筋コンクリート構造
規模:地上2階建て
敷地面積:70.29㎡
延床面積:55.45㎡
竣工:2016年11月