SHARE 藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボが会場構成を手掛けた、『「岡本太郎×建築」展』の会場写真と論考「未来を並置する太郎的都市のような空間」
藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボが会場構成を手掛けた、『「岡本太郎×建築」展』の会場写真が12枚と論考「未来を並置する太郎的都市のような空間」が、フジワラテッペイアーキテクツラボのサイトに掲載されています。展示は2017年7月2日まで。
建築と岡本太郎の関係は、ジャズのセッションのようなものだ。リズムとリズムのバトル。形と空間のぶつかりあい。ふとした偶然のようにはじまる掛け合いが、どんどん膨れ上がり、最後は建築を食い破ってにょきにょきと新しい全体性を指し示す。建築をやっている人間からすれば、岡本太郎といえばやはり大阪万博の太陽の塔ということになる。実はこの1970 年の大阪万博には、沢山の名パビリオン建築が建っていたのだが、振り返るといつもあの大屋根を切り裂いて建つ異形の塔にスポットライトがあたる。反建築のシンボルのようでもあるが丹下健三・磯崎新との決して相容れないセッションのような創造。パビリオン群が示すキラキラした未来に対して、それを食い破る対立衝動のような未来を同時に示す。複数の未来があっけらかんと並置され、大衆の共振を引き起こした人類史上の大事件であった。