SHARE 乾久美子・青木淳・中川エリカ・長谷川豪・福島加津也が審査する、東京建築士会の「住宅建築賞」が応募作品を募集中
乾久美子・青木淳・中川エリカ・長谷川豪・福島加津也が審査する、東京建築士会の「住宅建築賞」が応募作品を募集しています。リンク先ページに掲載されている受賞作品のアーカイブも、建築家の率直なコメントと作品の詳細が掲載されていて見ごたえがあります。
「住宅建築賞」はすでに新人建築家の登竜門として定着しており、その入賞作品を通して住宅建築に対する理解をさらに深め、近年多様化している「すまい」の新しい可能性を見出そうとするものです。 この住宅建築賞の入賞作品を公開展示することにより、建築に携わる方々への新鮮な刺激とし、より多くの人々に建築文化を広げる機会となればと考えています。
応募作品は原則として最近3年以内に竣工し、東京圏に建つ一戸建住宅、集合住宅及び併用住宅等(大幅な増改築、公共の建築も含む)の作品を募集しています。書類による第一次審査と現地審査による第二次審査により受賞作品を決定します。
【住宅から見出す希望】
この2年、「希望のある住宅」というテーマで作品の募集をいたしました。そこから言葉のニュアンスを変えました。基本的に、見てみたい、知りたいと思う内容は同じなのですが、タイトルがやや誤解を与えるものとなっていたので微調整しました。
住宅は、住まい手が、環境を選びとり、建て、住まうといった一連の行為の総体として現れるものだと思います。それは生きることと同義となるぐらい迫力のあるものだと思います。また、建てることとは希望をつかみとるような行為なのかと思います
しかし、近代を経て、建てることが産業の世界へと取り込まれてからというものの、建てることと生きることのつながりは薄くなり、建てることの多くは、車やテレビなどの消費財を選ぶこととあまり変わらなくなってしまったように思います。施主が住宅に希望するものは先回りして、用意されたメニューから選ぶだけのものへと変質してしまっているわけです。
東京建築士会の住宅建築賞の応募作品に確認したいのは、施主が建築家と共に、どのような希望を見出し、それを住宅へと定着していったかです。住宅をつくることを通して、生きることの迫力や厚み、ユニークさが、現代においてどのように達成されているのかを見たいと思っています。住宅を通して発見される私たちが生きる世界の魅力とはどういうものなのでしょうか。骨太な作品に出会えることを楽しみにしています。
審査員長 乾 久美子