ツバメアーキテクツによる、神奈川・横浜の「出窓の家」
photo©阿野太一

ツバメアーキテクツによる、神奈川・横浜の「出窓の家」

ツバメアーキテクツによる、神奈川・横浜の「出窓の家」 photo©阿野太一
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ツバメアーキテクツが設計した、神奈川・横浜の「出窓の家」です。

一つの家族のために作られた在来軸組の住宅のエレメントを、拡大したり、歪ませたり、ズラしたり、「変形」することで、よりたくさんの人々が関わりを持てるような空間にできないか考えた。

ここでは、一階は不定期で、ミニシアターやミニコンサート、スタジオ利用、お料理教室などとして使うことが希望され、プライベートな多目的スペースとした。二階はシェアハウスとして使うこととなった。

一階に元々あった浅い出窓を撤去し、人が10人程度乗れるように大袈裟に構造補強を施した雛壇状の奥行きの深い出窓に作り替えてシアターのようなかたちに変えた。

また、軸組はグレーに塗りつぶし、住宅としての在来軸組のイメージを消し、スタジオとしての雰囲気を作ろうとした。入り口は、元々の玄関と出窓の陰に隠れるような位置に作っており、私設シアターなので、普段はカモフラージュされている。

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ツバメアーキテクツによる、神奈川・横浜の「出窓の家」 photo©阿野太一
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以下、建築家によるテキストです。


エレメントの変形、即ち駄洒落

一つの家族のために作られた在来軸組の住宅のエレメントを、拡大したり、歪ませたり、ズラしたり、「変形」することで、よりたくさんの人々が関わりを持てるような空間にできないか考えた。

ここでは、一階は不定期で、ミニシアターやミニコンサート、スタジオ利用、お料理教室などとして使うことが希望され、プライベートな多目的スペースとした。二階はシェアハウスとして使うこととなった。

一階に元々あった浅い出窓を撤去し、人が10人程度乗れるように大袈裟に構造補強を施した雛壇状の奥行きの深い出窓に作り替えてシアターのようなかたちに変えた。

また、軸組はグレーに塗りつぶし、住宅としての在来軸組のイメージを消し、スタジオとしての雰囲気を作ろうとした。入り口は、元々の玄関と出窓の陰に隠れるような位置に作っており、私設シアターなので、普段はカモフラージュされている。

二階のシェアハウスでは、共有部を大きくとり、残りの部屋をベッドがおけるくらいのサイズに小さくするために、共有部の壁を風船を膨らますようにどんどん大きくしていった。すると、柱梁や屋根裏の小屋状の軸組が現れたので、その作業はちょうどいいところで止めた。また、シェアハウスとして気兼ねなく使い倒してもらうように木部の仕上げは荒々しいままとし、むしろ補強のためにせっかくいれた新規の材は同じくらい汚した。小屋は構造補強を行い耐震要素にもなっている。さらに耐震補強をしたにもかかわらず、猫が上空を飛び回れるように、屋根裏部屋から近い梁に向けて構造が許す限り開口を開けた。まさにキャットウォークである。

このように既存の要素にツッコミを入れてはノリつつ、またツッコむというように伸び伸びと形を育てていった。既存要素に非常に似つつ想定の異なる物体がいくつも現れた。まさに駄洒落的な設計だったと振り返る。

このアプローチは、住宅をある種の都市建築にようにリノベーションする際には非常に有効だと感じる。1Fと2F、道に対してあっちとこっち、の想定がまるで変わるときに、全体に共通のかたちの形式やルールで設計を押し通さなくていいからだいぶ楽になる。ありふれた既存要素の「変形」という共通のルールは意識した、とも言えるが。

もちろんこういった進め方に迷いがなかったわけではないが、住宅をすこしズラすには非常に有効だと感じる。

同時に、全体的に手を加えたり、間引いたところに錆止め塗装のような赤茶を塗っていった。建物の中を歩くとテンポよくいたるところにこの色が出てくる。

たくさんの余談を経由しながらできた伸び伸び育った各所・全体のトーンを整えるだけでなく、赤の持つイメージから「ここは芝居小屋か何かだろうか?」と無意識に感じさせることを狙っている。

また、塀の上に赤茶のベルを釣り、アイキャッチとしている。叩くとまぁまぁ綺麗な音が鳴り、何かの開催を静かに知らせる。

■建築概要
竣工:2018年2月
施工:月造
ロゴ・サイン・ベル:neucitra
写真:阿野太一
照明シミュレーション:パナソニックエコソリューションズ社(和田遼平)

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吉岡徳仁による「東京2020オリンピック聖火リレートーチ」 photo©︎Tokyo 2020

吉岡徳仁がデザインした「東京2020オリンピック聖火リレートーチ」です。深澤直人や川崎和男を含むトーチ選定審査員により選定されたとの事。

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伝統と現代技術の融合

日本のかたち、桜紋。
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