玉上貴人 / タカトタマガミデザインの内装デザインによる(外装デザイン:松本零士)、水上バス「エメラルダス」

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玉上貴人 / タカトタマガミデザインの内装デザインによる(外装デザイン:松本零士)、水上バス「エメラルダス」

architecture, design, feature

all photos©吉村昌也

玉上貴人 / タカトタマガミデザインの内装デザインによる(外装デザイン:松本零士)、水上バス「エメラルダス」です。

隅田川を航行、浅草~お台場を繋ぐ水上バスである。本船は銀河鉄道999などを手掛けた漫画家・松本零士氏による船体デザインのシリーズ3隻目となる。船体同様これまでの船舶に無い新しい価値観を内装デザインに求められた我々は、整然と並べられた座席という固定概念を覆すことで応えた。

前方客室の床面が水面の高さに等しいことに気づいた我々は水辺に足を浸すような川と一体感のある親水空間を思い描いた。そして風景が目まぐるしく変化する水上バスでは乗客の自由な移動を促すほうがワクワクする気持ちを喚起する空間にできると考えた。

※以下の写真はクリックで拡大します

以下、建築家によるテキストです。

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隅田川を航行、浅草~お台場を繋ぐ水上バスである。本船は銀河鉄道999などを手掛けた漫画家・松本零士氏による船体デザインのシリーズ3隻目となる。船体同様これまでの船舶に無い新しい価値観を内装デザインに求められた我々は、整然と並べられた座席という固定概念を覆すことで応えた。

前方客室の床面が水面の高さに等しいことに気づいた我々は水辺に足を浸すような川と一体感のある親水空間を思い描いた。そして風景が目まぐるしく変化する水上バスでは乗客の自由な移動を促すほうがワクワクする気持ちを喚起する空間にできると考えた。
そこで前方客室は水流によって緩やかに削られた「川のほとり」を抽象化したような、ベンチやテーブル、カウンターとして使えるコンター状の造作で囲んだ。もはや座席とは呼び難い地形のような場とすることで、見たい景色を追いかけ、好きな姿勢を求め移動したくなるような、乗客に回遊を促す空間を目指した。
足元にはマルチカラー点滅の間接照明を設けた。流れるような光や、波紋のような光、様々な動きや色のプログラムを加えることで流れる景色に身を浸しているような親水性を高める演出とした。

入口付記のエリアには船舶の安全規定上、揺れが加わった際の安全の為に手摺の設置が必要とされた。我々は船舶業界ではあまり採用例の無い掘り込み型の手摺を提案した。造船会社からは不安視する見方があったが、新しい価値観を、というクライアントの後押しがそれを実現した。掘り込み部分には間接照明を仕込んだ。そのライン状の光は乗船したときのアイキャッチとなり、乗客を光によって客席へと導くシークエンスをつくっている。

本船からは、水面が反射するきらめきや、船が橋の下に入ったときの一瞬の暗がりなど、水上の移動空間ならではの光の移ろいが感じられる。そして都会のビル群や水運施設が代わる代わる、時には混在して現れ、隅田川独特の喜怒哀楽が溢れるような風景が見られる。
こうした周辺環境のめまぐるしい変化は、建築をとりまく日照や季節といったゆるやかな環境変化に目を向けていた我々にとって新鮮であり、創作の源泉となった。
水面から都市を眺めるという非日常体験を、そして特別な風景や居場所を見つける旅をこの船から楽しんでもらえたらと思う。

■作品概要
物件名:エメラルダス
工事種別:内装(新造船)
外装デザイン:松本零士
艤装:長崎船舶装備
主要用途:水上バス
全長:34.5m
全幅:8.4m
航海速力:10.3mile
連続最大出力:423kw
総トン数:132t
旅客定員数:100人
就航:2018/8/4


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