SHARE 町秋人建築設計事務所による、静岡の「神戸の住宅」
町秋人建築設計事務所が設計した、静岡の「神戸の住宅」です。
敷地は静岡県の中部の郊外、空が広く開放的な雰囲気で海が近いことをなんとなく感じるような場所である。
建主は共働きで仕事が忙しい日々の中でも自然を身近に感じながら生活することを望んでいた。
建築を考えるということはその場所においての適切な自然(環境)との距離感を考えることでもあると思う。
敷地は横に小川が流れ、先には水田が広がる開放的で気持ちが良い場所であるが同時に居住する場と考えると少し拠り所のない印象も持った。
この場所では近くの緑を楽しむというよりは遠くの景色に意識がつながっていくような自然との接点の在り方が心地良いのではないかと考えた。
そして対照的に落ち着いて過ごすことのできる少し囲われたような居場所も必要だと感じた。建物全体の出窓のような【高テラス】を居住空間をグルっと囲むように計画し同時に高テラスに囲まれた内では腰壁に囲まれている様な空間ができる。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は静岡県の中部の郊外、空が広く開放的な雰囲気で海が近いことをなんとなく感じるような場所である。
建主は共働きで仕事が忙しい日々の中でも自然を身近に感じながら生活することを望んでいた。
建築を考えるということはその場所においての適切な自然(環境)との距離感を考えることでもあると思う。
敷地は横に小川が流れ、先には水田が広がる開放的で気持ちが良い場所であるが同時に居住する場と考えると少し拠り所のない印象も持った。
この場所では近くの緑を楽しむというよりは遠くの景色に意識がつながっていくような自然との接点の在り方が心地良いのではないかと考えた。
そして対照的に落ち着いて過ごすことのできる少し囲われたような居場所も必要だと感じた。
建物全体の出窓のような【高テラス】を居住空間をグルっと囲むように計画し同時に高テラスに囲まれた内では腰壁に囲まれている様な空間ができる。
GLからおよそ1Mあがったこのテラスに上ると、地面からは距離が離れるが木々の葉は近くなり自身の意識が外にポンっと飛び出し緑の中に入っていくような感覚を享受できる。
小川を通り抜ける風と共に、庭に盛った土壁(テラスFLラインと同レベル)から桜並木、水田と意識が遠くまで徐々に繋がっていく。
少し落ち着いて過ごしたいときは、数段降りて内へと戻っていく。
そんな自然な状態で居場所を選択できることは、豊かさではないかと思う。
日常の行為と行為の間の何でもない瞬間にハッとするような美しさに気が付くことがある。
その普段見落としがちな視点の気づきを与えるのが、建築の役割でもあると考えている。
■建築概要
所在地:静岡県中部
主要用途:専用住宅(新築)
構造規模:木造2階
敷地面積:446.53㎡
延床面積:137.19㎡
施工:㈱ファンコレクティブ
写真:RACHI SHINYA
竣工:2019年3月