SHARE 後藤周平建築設計事務所による、静岡・浜松市の住宅「半田山の家」
後藤周平建築設計事務所が設計した、静岡・浜松市の住宅「半田山の家」です。
河岸段丘を開発してできた住宅街、その緩やかなひな段状の土地のひとつが敷地である。
周辺一帯の住宅は、作られた年代もデザインもバラバラで、その雑多さによって、地面の段差が連続していくという土地の特徴を際立たせている状況にあった。場所によって微妙に高さの変化が異なるので、思いがけず遠くの家が見えたり、近くの家が見えなかったりする。その街並みの段差をトレースするように、3つに分割した住宅のボリュームを段状にずらしながら連続させた。3つのボリュームのそれぞれ高さが半分になるところを2階の床とすると、内部の床も高さの異なる3つの段に分割される。段によって連続しつつも緩やかに空間が分節され、立体的な街並みの構造が住宅内部にも反復している。
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以下、建築家によるテキストです。
河岸段丘を開発してできた住宅街、その緩やかなひな段状の土地のひとつが敷地である。
周辺一帯の住宅は、作られた年代もデザインもバラバラで、その雑多さによって、地面の段差が連続していくという土地の特徴を際立たせている状況にあった。場所によって微妙に高さの変化が異なるので、思いがけず遠くの家が見えたり、近くの家が見えなかったりする。
その街並みの段差をトレースするように、3つに分割した住宅のボリュームを段状にずらしながら連続させた。3つのボリュームのそれぞれ高さが半分になるところを2階の床とすると、内部の床も高さの異なる3つの段に分割される。段によって連続しつつも緩やかに空間が分節され、立体的な街並みの構造が住宅内部にも反復している。
断面的なずれを、平面にも同じように展開すると、わずかな操作だが、ずれによる住宅内外への空間の繋がりの変化がより複雑なものとして現れた。一見、どちらが平面図でどちらが断面図かわからないような図面には、この住宅の単純さと、複雑さが同時に現れている。
■建築概要
設計:後藤周平建築設計事務所
構造設計:高橋俊也構造建築研究所
所在地:静岡県浜松市
主要用途:専用住宅
構造:木造在来工法
設計期間:2017.11-2018.9
工事期間:2018.10-2019.4
敷地面積:121.00㎡
建築面積:49.27㎡
延床面積:98.54㎡
写真撮影:長谷川健太
後藤周平 / 後藤周平建築設計事務所
1982年静岡県磐田市生まれ。京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科、同大学院博士前期課程修了。中山英之建築設計事務所を経て2012年後藤周平建築設計事務所設立。
http://shuheigoto.com