大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、デジタル世界のホームセンター「BABEL」です。こちらからダウンロード可能です。
建築家が設計過程で製作した3Dデータをアーカイブ、公開できるサイトARCH-ABLE https://arch-able.jp/のローンチに合わせて、デジタルの世界にホームセンターを設計した。
デジタル・ホームセンター「BABEL(以下バベル)」は六角形の部屋が上下左右に無数につながっていく3Dのデータで、ダウンロードして3DCADで開くことで自由にデータ空間内を移動、閲覧することができる。ホルヘ・ルイス・ボルヘスによる短編「バベルの図書館」では、無限に繰り返し接続していく六角形の書庫に古今東西のあらゆる書物が所蔵されていたが、このバベルには古今東西のあらゆる金物の実測3Dデータが陳列されている。
ボルト/ナット、足場単管、スイッチプレートやカーテンレール。あらゆる日常的な金物の3Dデータが揃っている。複数の金物の3Dデータがバベルというひとつの建築の中にまとめられていることで、形状やサイズを比較検討することができるし、それまで知らなかったアイテムに偶然出会うかもしれない。VR技術が今後普及するにつれて、データを閲覧するインターフェースとして空間の持つ重要性は今後ますます高くなっていくだろう。
陳列されているデータは3Dプリンターなどで現実世界に出力することで、実際に触ったり使ったりすることができる。もちろんシンプルに3DCADで家具などを設計する際の寸法資料として使ってもいいし、レンダリングなどの添景として使ってもいい。