濱田猛 / HAMADA DESIGN+京都工芸繊維大学仲研究室による、大阪市の、築100年の元倉庫の木造社屋を改修したオフィス「CROSS PARK」です。
クライアントは、機械部品を製作する企業で、かつて工場として使われていた築100年の木造社屋を何かに使えないかと模索していた。
社員数が多く様々な部署が存在する企業において、社員同士の円滑な交流はイノベーションを生む重要な課題だ。そこで、この木造社屋をコンバージョンし、社員同士が自由に交流するコラボレーションスペースを造ることとした。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は、大阪市内中心部。
クライアントは、機械部品を製作する企業で、かつて工場として使われていた築100年の木造社屋を何かに使えないかと模索していた。
社員数が多く様々な部署が存在する企業において、社員同士の円滑な交流はイノベーションを生む重要な課題だ。そこで、この木造社屋をコンバージョンし、社員同士が自由に交流するコラボレーションスペースを造ることとした。
計画にあたりまず考えたことは「公園みたいなスペース」をつくること。昼間の公園では、子供同士や、大人同士、またはそのミックスなど、あちこちでいろんなコミュニケーションが生まれている。待ち合わせて落ち合うこともあれば、一人でいるところに偶然友人に出会うこともある。この不確定な出会いの要素を取り入れることで、社員同士のコミュニケーションを向上しようと考えた。
具体的には、
既存の木造柱(200mm×200mm)を公園内の樹木と見立て、その合間を路地が行き交うことで多様な居場所が生まれる仕掛けを造った。会議をしたり、プレゼンテーションをしたり、時には一人で集中したり。一つの空間で様々な活動が同時に行われる。まさしく昼下がりの公園のように。
木造工場の中に突如現れるこの空間は、他の部所とガラスで仕切られている。縦横ランダムに配置された木材でガラスのカーテンウォールを造り、公園のようなコミュニケーションスペースと他の部分を柔らかく仕切っている。
その他、コミュニケーションのキーとなる大きなキッチンや、畳でできた可動式ベンチ、ダーツコーナーなど。小さないろんな仕掛けをいろいろと造っている。
今後、このスペースを起点として新たなコミュニケーションが生まれることを期待している。
■建築概要
タイトル:CROSS PARK
所在地:大阪府大阪市
主要用途:オフィス(コラボレーションスペース)
延床面積:620㎡
規模:地上1階
構造:木造
竣工:2018年5月
設計:HAMADA DESIGN 濱田猛 + 京都工芸繊維大学仲研究室
施工:三和建設株式会社
撮影:笹倉洋平 / 笹の倉舎