SHARE 石川素樹建築設計事務所による、東京・杉並区の住宅「南荻窪の家」
石川素樹建築設計事務所が設計した、東京・杉並区の住宅「南荻窪の家」です。
「南荻窪の家」の敷地はもともと南側の隣地と一体の土地で、古い日本家屋が建っていた。建主に住んでいた頃の話を聞くと、周辺は昔から大きめの区画で庭と緑があるほどよい密度の街並みであり、多少なりともの姿形を変えども現在に継承されていることがわかった。そのような場所性から、一間で続くかのようなゆったりとした空間を簡素な屋根と矩形で包むことにした。敷地の高低差を活かし、高い部分の中心に家族が集う場を据え置き、低い部分に半地下を設け、その上階に屋根裏のような空間をつくっている。
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以下、建築家によるテキストです。
「南荻窪の家」の敷地はもともと南側の隣地と一体の土地で、古い日本家屋が建っていた。建主に住んでいた頃の話を聞くと、周辺は昔から大きめの区画で庭と緑があるほどよい密度の街並みであり、多少なりともの姿形を変えども現在に継承されていることがわかった。そのような場所性から、一間で続くかのようなゆったりとした空間を簡素な屋根と矩形で包むことにした。敷地の高低差を活かし、高い部分の中心に家族が集う場を据え置き、低い部分に半地下を設け、その上階に屋根裏のような空間をつくっている。用途や位置でボリュームの差をつくり、個々の室に見合う光を採り入れ、高低差を結ぶ小さい階段部が緩衝帯となり、適度に距離を取りながらも集う場と個の場の連続性を確立した。
将来像を見据え、まだ小さい子どもたちの場所は間仕切りを設けず、自由に使えるようにし、今後室化させたりまた取り外したりと、その連続性に変化をつけることができるようにもしている。
(建築家著書「ELEMENTS 5つの建築 5つの断章」本文より)
■建築概要
設計:石川素樹建築設計事務所 石川素樹
構造:mono 森永信行
造園:zoen 蓑田真哉
家具:RILNO 田中智也
主要用途:専用住宅
所在地:東京都杉並区
構造・構法:木造
規模:地上2階
竣工:2017年03月
敷地面積:188.47㎡
建築面積:93.23㎡
延床面積:146.05㎡
写真:西川公朗
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ELEMENTS 5つの建築 5つの断章
建築を設計する際に考えるべき大事なことを
5つの建築の断片を通して、凝縮し、問いかける。一般の人にとっては、建築が作られる過程で設計者が何を考えているかを知ることができる本であり、学生や設計者にとっては、建築が時間を経てもなお色褪せずに建ち続けることができる方法を考え続けるための本である。
「iF DESIGN AWARD 2019」にて、最優秀のiF Gold Award受賞。
A’Design Award & Competition Gold Award、
DFA Design for Asia Awards Bronze Award、
日本建築学会作品選集新人賞、日本建築士会連合会賞など、受賞多数。国内外から注目を集める若手建築家の、書き下ろし初著書。
【目次】
1対話/ 中央の家
2観察/ 南荻窪の家
3全体/ 望月商店
4過程/ 桜丘町のビル
5細部/ 西参道テラス