SHARE 岡山泰士+森田修平+仲本兼一郎 / STUDIO MONAKAによる「沖縄市松本の住宅」
岡山泰士+森田修平+仲本兼一郎 / STUDIO MONAKAが設計した「沖縄市松本の住宅」です。
沖縄市松本に建つRC造平屋建ての住宅である。
敷地は前面道路から7mほど下がった位置にあり、前面道路との高さ関係上、高い位置からの視線への配慮が必要であると共に建物を建てる地盤から1.5mほど上がった部分に最終升があり、浴室やトイレなどは他の居室よりも床を高くする事が条件として求められた。
また、クライアントからはリゾートホテルのような非日常性を住宅の中でも感じられるようにして欲しいとの要望もあり、敷地条件と沖縄という環境、クライアントの要望を踏まえ全体の計画を進めていった。
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以下、建築家によるテキストです。
沖縄市松本に建つRC造平屋建ての住宅である。
敷地は前面道路から7mほど下がった位置にあり、前面道路との高さ関係上、高い位置からの視線への配慮が必要であると共に建物を建てる地盤から1.5mほど上がった部分に最終升があり、浴室やトイレなどは他の居室よりも床を高くする事が条件として求められた。
また、クライアントからはリゾートホテルのような非日常性を住宅の中でも感じられるようにして欲しいとの要望もあり、敷地条件と沖縄という環境、クライアントの要望を踏まえ全体の計画を進めていった。
そこで我々は、建物を水廻り棟と居室棟の2つに分け、隙間に通路庭・中庭を配置し、ガレージを付随させた。
水廻り棟には片方が迫り出したV字屋根を、居室棟には軒を低く抑えた勾配屋根をコの字型に回し、屋根の佇まいやそこから生まれる状況を操作する事で上部からの視線に対して配慮した。
また、各棟の床レベルに差をつけて排水の問題をクリアした。
アプローチは、道路からスロープを下りていくように敷地を回遊して建物にたどり着く。
玄関を入るとコンクリートに包まれた中庭が広がり、その中庭を介して各居室が程よい距離感を保ちながら繋がっている。
この住宅に玄関らしい玄関は無く、部屋の前で靴を脱いで中に入る形をとっている。
昔の沖縄の住宅はアマハジと呼ばれる縁側のような空間が玄関の役割を担っており、そもそも玄関という概念が存在しなかった。
この住宅ではアマハジ的空間をコの字型に変形させて外部に対して開きつつ、視線をコントロールしている。
水廻り棟は、LDKから細い通路庭を挟んで位置し、外部やガレージへの動線も担っている。
沖縄らしさとはなんなのか。自分達なりに検討した結果、外に対して開き過ぎず、閉じ過ぎず自然との適度な距離感を保つことが沖縄の豊かさかつ過酷な環境に対する建築のあり方なのではないかと感じた。
徐々に出来上がってくる空間が曖昧だった感覚に答えを与えてくれているようだった。
■建築概要
沖縄市松本の住宅
竣工:2019年11月
所在地:沖縄県沖縄市松本
主要用途:専用住宅
設計:株式会社一級建築士事務所STUDIO MONAKA
構造:門藤芳樹構造設計事務所 門藤芳樹
家具:enno(大橋力)
造園:HARVEST HIGH!(岩村浩生)
施工:大成プラン
敷地面積:565.20㎡(約171.27坪)
建築面積:135.01㎡(約40.91坪)
延床面積:113.65㎡(約34.44坪)
設計期間:2015年12月〜2016年10月
工事期間:2018年1月〜2019年11月
RC造平屋建て
外部
屋根:RCスラブ+遮熱防水塗料
軒裏:化粧型枠コンクリート打ち放し仕上げ+撥水剤
外壁:化粧型枠コンクリート打ち放し仕上げ+撥水剤
開口部:木製建具、アルミサッシ
内部
床:チャーギフローリング、セランガンバツ、モルタル金鏝仕上げ
壁:ラワン合板型枠コンクリート+撥水剤、ラワン合板張り
天井:ラワン合板張り、化粧型枠コンクリート打ち放し仕上げ+撥水剤
写真家:八杉和興(Kazuoki Yasugi)